17/04/16

電車内での痴漢行為について真剣に考えてみる

水曜日の朝、いつもの総武線快速がもうすぐ新小岩駅に着くというときに、いきなり電車が止まった。何事かと思って車内アナウンスを聞くと、両国駅で線路内に人が立ち入ったため、緊急停車したとのこと。この「線路内人立ち入り」というのはよく聞くけれど、いったいどんな事情があって危険な線路内に降りるのか、いままでずっと謎のままだった。迷惑なヤツがいるもんだ、くらいにしか思っていなかった。

しかし、その日の仕事中に何気なくネットでニュースをチェックしていたら、朝の電車遅延は、痴漢容疑をかけられた男が、そのまま線路に降りて逃走したために起こったことだったとわかった。なるほど、そういう事情だったのかと納得した。これまで何度も「線路内人立ち入り」という理由で電車遅延を経験してきたけれど、その中には、今回のような痴漢容疑からの逃走劇がけっこう含まれているのかもしれない。

まあ、迷惑な話には違いないのだけれど、現場から逃げ出したこの男子の気持ちもわからないでもない。痴漢を疑われた場合は、「とにかく現場から立ち去る」というのが鉄則だからだ。自分は絶対に痴漢なんてしていないから逃げる必要なんてない、どこにでも出ていってはっきりと身の潔白を証明する、なんていうカッコいいことを考えたら絶対にダメだ。そんなことをしたら、かなりの確率で人生を棒に振ってしまうことになる。

一連の流れとして、痴漢を疑われて女性と一緒に電車を降り、駅員を呼ばれて駅員室に行き、そこで警察を呼ばれたらほとんどアウトらしい。警察署に連れていかれて事情聴取されてしまったら、あとは素直に罪を認めて示談を選ぶか、裁判で徹底的に争うかしか選択肢はない。裁判になった場合は、ほぼ100パーセントの確率で有罪になってしまうらしい。

物証もないのに、女性側の申し立てだけで有罪にされてしまうというのもなんだか乱暴な話だけれど、痴漢の疑いをかけられて裁判になったら、被告側にはほとんど勝ち目がないというのが実情だ。もし無罪判決を勝ち取ったとしても、そこに至るまでの困難を考えたら、たとえ冤罪であったとしても、おとなしく示談に応じた方がいい。

裁判で争うとなれば、仕事に影響が出るのは必至だ。裁判所に出廷するには、仕事を休まなければいけないし、そうなれば会社に事情を説明しないわけにはいかない。社内でそうした話が流れれば、たとえ冤罪であっても、周囲の人間はなかなか信じないだろう。なんとも気まずい雰囲気になることは間違いない。まともな神経の人間ならば、おそらく耐えられないのではないだろうか。

冤罪であることを知っているのは自分しかいないわけだから、家族や友人も含めて、周囲のすべての人間が疑いの目を向けてくることになる。あるいは、家族や親しい友人なら無実の訴えを信じてくれるかもしれないが、「もしかしたら、信じているフリをしているだけで、心の奥底では自分のことを疑っているんじゃないか」と疑心暗鬼に陥ることもあるだろう。とにかく、いろいろと耐えられない状態になるのは間違いない。

おそらく、冤罪でありながら、泣く泣く示談に応じる人は少なくないと思う。万が一、裁判で無実を証明できたとしても、その代償として支払うものがあまりにも大きすぎて、ものすごく屈辱的ではあるけれど、示談に応じた方が得策だと考えるのが普通だ。示談の場合、示談金の相場は数十万円になるというから驚きだ。もしかしたら、示談金目当ての痴漢ビジネスが成り立つんじゃないだろうか。

これまでの経験では、痴漢にあったことがない女子はいないというのが、自分の中での常識になっている。どんな女子であっても、必ず痴漢にあった経験を持っている。逆に、痴漢が趣味だとか、痴漢って最高とか、今日も痴漢してきますた、なんてことを話す男子には会ったことがない。まあ、いくら男同士であっても、犯罪行為を自慢げに話すようなバカはめったにいないだろうけれど。

もちろん、自分はこれまでに一度も痴漢なんてしたことはない。痴漢行為の何が楽しいのか、さっぱりわからない。おそらく、ほとんどの男子が自分と同じように感じているはずだ。であれば、世の中の男子のほとんどは痴漢なんてしたことがないのにもかかわらず、世の中のほとんどの女子が痴漢にあっていることになるわけで、数字の上ではものすごいギャップが生じることになる。

ということは、ごく少数の常習的な痴漢男子が、毎日のようにせっせと痴漢行為に励んでいるということなんだろう。まあ、性的な嗜好というのは人それぞれだから、その性癖自体を否定するつもりはないけれど、やっぱり犯罪行為は許されることではない。もし自分が電車内で痴漢行為を目撃したら、迷わずその卑劣な男子を電車から引きずりおろして警察に突き出してやろうと思う。

そんな自分は、通勤電車の中ではいつも吊革につかまりながら本を読んでいるので、痴漢を疑われることはないはずだと思っているが、安心してはいけないのかもしれない。手が使えなくても、股間を押し付けるという荒業があるからだ。活字を目で追いながら股間を女子のお尻に押し当てて何が楽しいのだろうと思うけれど、きっとそういう手口の痴漢行為もあるのだろう。

万が一にも痴漢の疑いをかけられた場合は、絶対に駅員室だけには行かないようにしようと決めている。ネットで調べた限りでは、駅員室に連れていかれたら、その時点でアウトになってしまう確率が高いということがわかったからだ。そのほかの自衛手段としては、なるべく清潔感を保つようにしようと思う。脂ぎった不潔な風体をしていれば、痴漢に間違われる確率も高くなるに違いない。



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