17/04/09

小池都知事のポピュリズム的な政治手法について批判的に考えてみる

小池都知事の支持率が異常に高いらしい。調査を行った媒体によって多少の差はあるものの、どの媒体でも7割以上の支持率があるというから驚きだ。都知事に就任した当初から、小池さんの手法に疑問を抱いていた自分としては、なぜこれほど高い支持を集めるのかがよくわからない。何か実績をあげたというわけでもなく、何もしていない状態でこの支持率というのが、かえって気味が悪い。

何も実績をあげていないどころか、オリンピックのボート会場の変更問題にしても、豊洲市場の移転問題にしても、就任早々にいきなりちゃぶ台返しをして注目を集めただけのことで、むしろいたずらに問題を難しくしているだけのような気がしてしょうがない。最初に派手なことをして注目を集めるやり方には、ポピュリズム的な危ういものを感じてしまう。

自分が一番心配しているのは、いずれの問題にしても、キッチリとした落としどころを最初から想定しているのかどうかという点だ。いまの小池さんのやり方を見ていて思い出すのが、民主党政権時代の鳩山元総理だ。あのバカは、何の勝算もないままに沖縄の米軍基地の県外移転をぶち上げ、結局どうにもならず、問題をこじらせるだけこじらせて自分はとっとと政治家を引退してしまった。

鳩山のバカは、政治家として本当に最悪の人間だったと思う。日本の国益にかなうことは何一つせず、できもしない理想論ばかりをぶち上げ、結局どうにもならないことがわかると、最後には尻尾を巻いて逃げてしまった。このバカがいなければ、沖縄の普天間基地の移転問題は、なんだかんだ言いながらも、それなりに進んでいたに違いない。政治家として、万死に値する愚行だったと思う。

豊洲市場の問題についても、いまのところ何か勝算があるようには思えない。「安全と安心は違う」とかなんとか、わけのわからない理由で豊洲への移転を延期しているけれど、豊洲市場の何が問題なのか、科学的根拠に基づいてわかりやすく説明してほしい。地下水が汚染されているということが、具体的にどのような実害をもたらすのかを、キッチリと説明してほしい。

結局のところ、大量の食物を扱う市場の地下に汚染された地下水が流れているのはなんとなく気持ちが悪いというだけのことで、移転を延期している具体的な理由は何一つないということだ。科学的な根拠は何も示さないまま、ただ単に気持ちの悪いからというだけの理由で、毎日莫大なカネをドブに捨て続けているわけだ。こうしたやり方を多くの人が支持しているというのが、さっぱり理解できない。

石原さんをはじめとして、当時の関係者のなかから犯人捜しをしようとしているけれど、そんなことをしているヒマがあったら、一刻も早く今後の方針を決めてほしい。犯人が見つかってすべてが解決するのであればいいけれど、実際には何も解決しない。そもそも順序が逆で、まずは今後の方針を決めてから、思う存分犯人捜しでもなんでもすればいい。

豊洲市場の地下水が汚染されているというけれど、だったら築地市場の地下水は問題ないのだろうか。詳しく調査してみれば、いろいろと問題が見つかるんじゃないだろうか。それに、実際に行ってみればわかるけれど、築地市場はかなり汚い。築地市場は、外国からの旅行客が大勢立ち寄る人気スポットになっているけれど、多くの旅行客がその汚さに驚くらしい。

化学物質と環境の不衛生さを比較するのは間違いだと言われそうだが、そんなことはない。実際には食物に対して何の影響もない化学物質に関する問題と、食物に対して直接的な影響がある衛生面での問題とでは、どちらを重要視すべきかは明らかだ。どのマスコミも、このあたりのことを報道せずに、基準値を超える化学物質が検出されたということだけを報道しているから困る。

こういう報道を毎日見せられれば、やっぱり豊洲市場は危険なんだという不安が募ってくるのは当たり前のことで、自分の頭で考えようとしない人たちは、何の根拠もないままに豊洲市場移転に反対することになる。おそらく、小池さんを支持する人たちの多くが、こういう考え方をしているのだろう。こういう状況になったことについては、マスコミの責任は非常に大きいと思う。

そもそも、豊洲市場に移転しないとすれば、具体的にどのような解決策があるのか教えてほしい。まさか、莫大な費用をかけて建設した豊洲市場を放っておいて、老朽化した築地市場をそのまま使い続けるなんてことはないだろう。築地市場を改修するという案も出ているらしいけれど、そもそも「改修するよりも移転したほうが早い」ということで豊洲に移転することになったわけだから、なにをいまさらという感じだ。

だれがどう考えても、結局は豊洲に移転するしかないわけだから、科学的根拠に乏しい理由で移転を延期して貴重な税金をドブに捨て続けることはない。豊洲市場には問題ないことを認めて、さっさと移転すればいいだけのことだ。実は、小池さん自身もここまで問題が大きくなるとは思っていなかったんじゃないだろうかという気がしなくもない。

最初は、ちょっとした問題提起をして都民の支持を集めるだけのつもりが、いつの間にか問題が大きくなってしまい、収拾がつかなくなってしまったというのが本当のところではないだろうか。最初から適当な落としどころを決めておかないから、こういうことになる。これこそが、小池さんのポピュリズム的な政治手法の弊害を端的に示すものだと思う。

今度の都議会選挙で、小池さんは「都民ファーストの会」だとかいう政党を作って、単独過半数の獲得を目指しているようだけれど、つまりは、政治のド素人を寄せ集めて自分の意のままに議会を運営しようというわけだから、なんとも不安だ。有権者も、そろそろ小池さんのポピュリズム的な政治手法の危うさに気付くべきなのだけれど、この短期間では無理だろうなという気もする。



今週の覚書一覧へ

TOP