16/11/13

アメリカの次期大統領はトランプさんだってさ

いつもなら、1時間くらい集中して仕事をしたら、20〜30分くらいネットでニュースをチェックしながら息抜きをするというのが大体のパターンなのだけれど、アメリカ大統領選挙の11/8は朝からちょっと面倒な仕事に取り掛かっていて、夕方までずっと集中して作業をしていた。なんとかなりそうだという目途がついたので、ネットでニュースをチェックしてみたら、なんとトランプさんが優勢らしい。ビクーリした。

事前の世論調査では、たしかにトランプさんが激しく追い上げているということだったけれど、なんだかんだ言いながら結局はヒラリーが勝つんだろうと思っていたから、この結果には驚いた。つい最近も同じようなことがあったなあと考えてみると、イギリスがEUからの離脱を決めた国民投票のときも、今回と同じように事前の世論調査とは逆の結果になったことを思い出した。

そのときの覚書でも書いたけれど、こういう大事なことを国民の直接投票で決めたらダメだと思う。国民の大半は、政治や経済のことなんて興味がないんだから、そういう人たちに大事なことを決めさせるのは非常に危険だ。政治や経済に関する知識がない人は、いったい何を基準にして投票するのかといえば、候補者のルックスとか雰囲気とか人柄とか、そういう極めてあいまいなものにすぎない。

投票する人たちがこういうレベルだから、候補者としても難しい政策の話なんかしてもしょうがない。政治や経済のことに無関心な人たちに関心を持ってもらうために、大衆受けするイメージ作りに励んだり、相手候補のことを下世話な話題で非難したり、わかりやすいフレーズを繰り返し唱えて刷り込んだりといった、およそ政治の本質とはかけ離れたことばかりに努力の方向が向いてしまう。

今回の結果は、世界中に衝撃をもたらしたようで、さまざまなメディアでなぜこのような結果になったのかという分析がされている。自分も少し考えてみたけれど、これまでの行き過ぎたグローバリズムの反動なのかなと思う。イギリスのEU離脱を見ても、行き過ぎたグローバリズムに対する反感が世界中に広まっているような気がする。

アメリカにも当然そういう空気はあって、移民問題などについて思い切りストレートに自分たちの不満を代弁してくれるトランプさんに期待する雰囲気が高まっていったのだろう。トランプさんは、とにかくアメリカの国益を第一に考えるという姿勢を鮮明に打ち出していて、こういう内向きな姿勢というのは、政治や経済に関する知識のない人たちには強烈にアピールするだろう。

それと同じように大きな要因が、あまりにもヒラリーが不人気だったということだ。トランプも嫌いだけれど、ヒラリーはもっと嫌いという人が多かったのではないだろうか。なにしろ、今回の選挙では、白人女性の過半数がトランプさんを支持したというのだから、その不人気ぶりがよくわかる。なんだか鼻持ちならないものを感じさせる人なんだろうな、ヒラリーさんって。

今回の結果に喜んでいるのは、何といっても中国とロシアだろう。トランプさんは、アメリカは世界の警察という役目から降りると明言しているわけだから、南シナ海やクリミアで国際問題を抱える中国とロシアにとって、アメリカという一番厄介な存在の影が薄くなることは大歓迎だろう。来年からは、これまでよりもさらに傍若無人な行動に出る可能性が高い。

その一方で、戦々恐々となっているのが、日本や韓国などのアメリカの同盟国だ。カネを払わなければアメリカ軍を撤退させるというのだから、戦々恐々となるのも当然だ。ただ、トランプさんが選挙期間中に放言しまくった政策をすべて実行するなんて土台無理な話で、これからトランプ政権が始まったら、トランプさんの真意を慎重に探っていくしかないだろう。

しかし、TPPから離脱するというのは、どうやら本気のようだ。アメリカの方からTPPに参加しろという話を持ち掛けてきたくせに、いまさらそれはないだろうと腹が立つが、逆に考えてみると、TPPの内容がアメリカにとって不利で、日本にとって有利だから、離脱なんてことを言いだしたのだろう。だったら、わざわざそれに従うことはない。とにかく国会で法案を通して、外堀を埋めておくしかない。

選挙期間中のトランプさんの放言は単なるイメージ作りで、実際に大統領に就任したら、現実的な路線に変更するだろうという希望的な観測もあるけれど、あまり油断しない方がいい。とりあえず、当選後すぐに電話でお祝いのメッセージを送り、今月の17日にトランプさんとの会談をセッティングした安倍さんは、さすがに仕事が早い。当面は、安倍さんの手腕に期待するしかなさそうだ。



今週の覚書一覧へ

TOP