16/08/07

オリンピックに関するあれこれ

この前、ママチャリで近所をポタリングしていたら、定食屋の店先に提げられた「カツカレー始めました」という貼り紙に目を奪われた。この時期に始めるものといえば冷やし中華の類ばかりだと思っていたら、どうやらカツカレーも季節ものの仲間らしい。しかし、カツカレーが季節限定のメニューだとしたら、「焼肉定食始めました」とか「オムライス始めました」とか、なんでもアリになってしまいそうだ。

ということで、街の定食屋でカツカレーが始まったのと同じく、リオデジャネイロでもオリンピックが始まった。始まる前は、「本当に開催できるのか?」みたいな報道もいろいろとあったけれど、なんだかんだ言いながらも結局は無事に始まるものだ。もちろん、テレビに映らないところではいろいろなゴタゴタがあるのだろうが、まずは無事に始まったことを喜びたい。

ゴタゴタと言えば、大会直前までロシアの選手団が参加できるかどうかが大きな問題になったが、大半の選手が出場を許されるというあいまいな形で決着した。ロシアほど組織的な不正ではないにしろ、ドーピングをやっている選手はいまだにいると思う。ドーピングに関する難しいことはよくわからないけれど、普通に考えれば、不正を100パーセント防ぐというのは無理だろう。

ドーピングを防ぐのが無理なら、いっそのこと、ドーピング部門を設けたらどうかと思う。ありとあらゆるドーピングを認めた上で、それぞれの競技で思う存分競えばいい。オリンピックとパラリンピックのほかに、ドーピンピックみたいな名前の大会で開催したらどうだろう。陸上の100メートルで8秒台が出たりして、ドーピンピックはもしかしたらものすごい盛り上がりを見せるかもしれない。

今回の大会は、南米で初めて開催されるオリンピックということになるわけだけれど、夏のオリンピックとはいえ、現地では真冬だから、そのあたりがちょっと微妙だ。ちょっと調べたところ、リオデジャネイロはサバンナ気候という熱帯に属する地域なので、真冬でも日中の気温は20度以上あって寒くはないようだ。むしろ、冬の間は降水量が少なくなるから、スポーツをするにはかなり快適な気候らしい。

南半球で最初に開催されたのはシドニーオリンピックだが(ごめんなさい、間違いです。南半球で最初に開催されたのは1956年のメルボルン・オリンピックです。2016/9/25追記)、シドニーは日本と同じ温暖湿潤気候に属するので、現地の人にとっては冬季オリンピックというイメージだったのだろう。開幕が9月15日だったから、真冬ではなくてギリギリ早春というくらいのイメージだったのかもしれない。9月15日という、夏季オリンピックとしては微妙な開催時期に、南半球でオリンピックを開催する苦労が透けて見える気がする。

このように、開催時期を微妙に調整すれば南半球で夏季オリンピックを開催するのは無理ではないけれど、どんなに頑張っても南半球で冬季オリンピックを開催するのは不可能だろう。もし開催するとなれば、現地では真夏の時期にウィンタースポーツをすることになるわけだから、どう考えても無理だ。真夏でも雪が降る場所なんて、高い山の上か南極くらいしかないような気がする。

夏季オリンピックでは、前半に水泳、柔道、体操など、日本がメダルを期待できる競技が一斉に行われる。ここでメダルラッシュということになると一気に雰囲気が盛り上がってくるけれど、イマイチ調子が上がらないという場合は、盛り上がりに欠けるまま大会が終わってしまうということになる。前回のロンドンオリンピックでは、男子柔道が全滅で、柔道経験者の自分としては大いにガカーリした。

自分にとってのオリンピックのヒーローは、何といっても山下泰裕だ。ロサンゼルスオリンピックのときは、ちょうど高校3年の夏休みで、オリンピックなどはそっちのけで受験勉強をしていなければいけないはずなのに、一日中テレビの前で観戦していた。当然、山下選手の試合も見ていたが、二回戦だったか三回戦だったかで脚をケガし、次の試合でビッコを引きながら登場してきたときには驚いた。

顔には出さないものの、脚の具合はかなり悪そうで、その証拠に試合開始早々「効果」のポイントを取られてしまった。山下がポイントを取られるシーンなんて、それまでに見たことがなかったから、ものすごく驚いたし、ものすごくショックだった。山下のライバルだったあの斉藤仁でさえ、山下からは一度もポイントを奪えなかったのに(たしか、そうだったと思う)、無名の外国人選手に簡単に転ばされた姿を見るのは、ものすごくショックだった。

そうしたハンデを乗り越えて金メダルを取ったときには、素直に感動した。いろんな意味で自分も頑張ろうと心に誓った瞬間だった。もちろん、その誓いは長続きすることはなかった。まあ、続いたとしてもせいぜい3時間くらいだったと思う。あのときの熱い気持ちがもっと続いていれば、いまごろはもっと違った人生があったのかもしれないが、まあ人間なんてこんなものだよね。

古賀稔彦も、自分にとってのヒーローだ。精悍なルックスで背負い投げの切れ味も鋭くて、とにかくカッコよかった。学年は自分の方が1つ上だけれど、同じ柔道選手として古賀選手は憧れの存在だった。バルセロナオリンピックのときには、大会直前の練習で膝をケガしてしまい、出場さえ危ぶまれたけれど、見事に金メダルをとった。決勝戦の旗判定では、祈るような気持ちでドキドキしながらテレビ画面を見つめていたことを思い出す。

古賀もカッコよかったけれど、カッコよさなら野村忠宏も負けていない。というか、歴代の柔道家の中で、野村が一番カッコいいと思う。ルックスはもちろんのこと、前半はポイントでリードされていても、最後に豪快な技で一本を決めて勝つというところがものすごくカッコよかった。野村は軽量級だったけれど、この階級は体重が軽いだけにちょっとした技の攻防で勝敗が逆転してしまう。その階級でオリンピック三連覇というのは、実はものすごいことなのだ。

ということで、今回のオリンピックは男女の柔道で銅メダルを獲得という、イマイチ盛り上がらない展開でスタートした。柔道の場合、銅メダルというのはかなり微妙な感じだったりする。ただ、個人的には、最後に負けて獲る銀メダルよりも、勝って獲る銅メダルの方がいいと思う。それよりも心配なのは、鉄棒で落下してしまった内村航平だ。この失敗が尾を引かなければいいのだけれど。



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