16/07/31

自分が中華料理を嫌いな理由

ロードバイクでロングライドしていると、やたらと腹が減る。お昼にラーメン+餃子+ライスという炭水化物満載のメニューを食べても、午後4時くらいになると空腹感に襲われる。そんなときは、コンビニに入っておにぎりやサンドイッチを買って食べる。この前も、空腹感に襲われてコンビニに入ったところ、見たことのないパッケージのカップヌードルがあることに気が付いた。

それはカップヌードルリッチというヤツで、妙にケバケバしいパッケージになっている。リッチというだけあって、値段もかなり高い。普段から「リッチ」という言葉とは無縁の生活を送っている自分としては、カップ麺にあるまじきその高価さに一度はスルーしかけたものの、ちょっとだけ興味をそそられたので、思い切って買ってみることにした。

フカヒレスープ味とスッポンスープ味の2種類が並んでいたが、中華料理独特のトロミが苦手な自分としては当然フカヒレスープのトロミもダメなので、スッポン味の一択となる。昼にラーメンを食べておきながら、補給食もカップラーメンなんて、どれだけラーメン好きなんだよと自分自身にツッコミを入れながら、コンビニの店先に座り込んでカップ麺をすする。

肝心の味はというと、甘からず辛からず、まずからず美味からず、というなんともはっきりしない味だ。ただ、二度とリピートしないだろうということだけははっきりしている。まあ、自分はスッポンのスープというものをこれまでに一度も味わったことがないので、ただ単に味がわからないというだけのことかもしれない。味がわかる人が食べたら、よくできたカップ麺だと感じるのかもしれない。

残念ながら、自分は中華料理が嫌いなのだ。餃子とかチャーハンならば何も問題はないのだが、かに玉だとか酢豚だとか、ドロリとしたあんかけがかかっている料理がどうにも苦手なのだ。子供の頃からあんかけの食感が苦手で、給食に出てきた揚げ出し豆腐を食べて吐いたことさえある。たしかあのときも、ドロリとしたあんかけが揚げ出し豆腐にかかっていたと思う。

これが結構なトラウマになっていて、それ以来あんかけには苦手意識が残ったままになっている。中華料理には片栗粉でトロミを付けた料理が多いので、自然と中華料理全般に苦手意識を持ったまま現在に至るというわけだ。しかし、世の中にはトロミ大好きという人も大勢いて、そういう人が飲み会の幹事になったりするとちょっと困る。中華料理の店で飲み会なんて、少しも楽しくない。

というか、飲み会自体が少しも楽しくないのに、そういう楽しくないことを中華料理の店でやられるというのは、もはや自分にとって罰ゲーム以外の何ものでもない。話の合わない人との会話を無理矢理続けながら、食べたくもない料理を食べなければならないなんて、これが罰ゲームでなくて何だというのか。せめて、料理くらいは自分の好きなものを食べたい。

こういう、自分の食べたいものを相手にも押し付ける人というのは結構いて、本人としては悪気はないのだろうけれど、一方的に押し付けられる方としてはかなり迷惑だったりする。いきなり話が飛ぶが、大学生の頃に建設現場でバイトをしていたことがあり、事務所で仕事をしていたときに昼飯を出前で取ろうということになった。言い出しっぺの社長のおごりだという。

それはありがたいと思いながら、何を食べようか考えていると、社長が「じゃあ、みんな酢豚でいいよな」と言って、そのままあっさりと酢豚に決まってしまった。いや、酢豚は勘弁してください、と心の中で叫んでみたものの、バイトの立場で、しかもおごってもらう立場でそんなことが言えるはずもなく、ドロリとしたあんかけが大量にかかっている酢豚を我慢して食べた。なぜパイナップルを入れるのかねと思いながら。

また、中華料理の大雑把なところも好きではない。中華包丁で食材を適当に切り刻み、強火の中華鍋で適当に炒め、大皿に適当に盛り付けてみました、みたいな大雑把さがイマイチ好きになれない。懐石料理とかフレンチとかイタリアンみたいに、見た目の美しさも料理にとっては重要な要素だと思うのだけれど、中華料理にはそうした繊細さがまったく感じられない。

大勢で中華料理の店に行くと、全員分の料理が大皿に盛られて出てくることがあるけれど、あれがどうにも好きになれない。若い頃に会社の忘年会で横浜の中華街に行ったときに、大量のあんかけがかかった尾頭付きの大きな魚が出てきたことがあったが、その見た目の豪快さに思い切り引いた覚えがある。食欲がそそられるどころか、ものすごい勢いで食欲を削がれた。まったく箸をつけなかったことは言うまでもない。

ということで、なんでもかんでも片栗粉でトロミを付けておけばいいっしょ、みたいな単純さも嫌いだし、見た目の美しさなんて気にせず、大皿に豪快に盛り付けておけばいいっしょ、みたいな大雑把さも嫌いだ。ただ、こんなことを考えているのはごく少数派で、世の中の大部分の人間は中華料理が大好きらしい。改めて考えてみると、これまでに中華料理が嫌いだという人に出会ったことがないような気がする。これって、実はすごいことなんじゃないだろうか。



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