16/07/18

南シナ海と沖ノ鳥島との微妙な関係

いつも朝起きるとシャワーを浴びているのだけれど、昨日も同じようにシャワーを浴びていたところ、ちょっと腰が痛いことに気付いた。ドライヤーで髪を乾かして、足元に散らばった髪の毛を拾おうとして屈んだとたんに、腰に嫌な痛みが走った。少しでも動こうものならぎっくり腰になってしまうそうな雰囲気が充満していてピクリとも動けない。結局、床の髪の毛は放置してそのまま静かに立ち上がった。

これは困ったことになったと思いながら、椅子に座っている分にはそれほど辛くないので、副業の翻訳仕事をなんとか片付けなければとパソコンに向かって仕事をしていたら、そのうちに何ということもなく治ってしまった。あれは一体なんだったのだろうか。でも、ぎっくり腰の入り口をかいま見ることができたのはいい経験になった。ネットで調べたところ、ぎっくり腰というのは炎症なので、温めたり揉んだりするのはご法度らしい。

ということで、フィリピンが申し立てた中国による南シナ海の問題について、オランダの仲裁裁判所は中国の主張には法的な根拠はないという判断を下した。まあ、当然といえばあまりにも当然な判決だけれど、例によって中国はこの判決を真っ向から否定して、絶対に受け入れないという姿勢を示している。まあ、この反応もあまりにも予想通りの反応ではある。

国際的な司法機関の判断に従わないとなると、いったいどうやって中国の暴挙を止めればいいのだろうか。本来なら、法に従わない国に対しては国連で制裁決議を採択すべきだけれど、常任理事国である中国が拒否権を行使すればそれでおしまいだ。戦勝国だけが一方的に有利な仕組みになっているいまの国連という組織は、本当にクソみたいな組織だと改めて思う。

それにしても、最近の中国のやりたい放題ぶりには目に余るものがある。第二次世界大戦前の日本がちょうどいまの中国みたいな感じだったのかもしれないと想像したりする。どこかで中国の傍若無人な振る舞いを止めないと、とんでもないことになりそうな気がする。ただ、いまの中国は軍事的にも経済的にも大きくなりすぎて、どの国も止められないというのが大きな問題だ。

いまの中国を止められるとしたらアメリカしかいないわけだけれど、アメリカにしたところで、南シナ海がアメリカにとって決定的に重要な海域ということでもないから、中国と戦争してまで止めるという気もないだろう。EU諸国にしても、中国は経済的に重要な国だから、自国からは遠い南シナ海でのゴタゴタにわざわざ首を突っ込むなんていう厄介なことはしたくもないだろう。

アジアの当事国にしても、経済的に中国を頼っている国は、表立って中国を敵に回すようなことはしたくないはずだ。ということは、結局中国とフィリピンの二国間で解決するしかないということになり、中国が裁判所の決定には従わないと公言している以上、どうにもならないということになるわけだ。肝心のフィリピンにしても、新しい大統領になってから中国にすり寄るような姿勢が見え隠れしている。

今回の判決については、日本も微妙な立場にいるということを改めて感じた。中国の場合、干潮時に顔を出すサンゴ礁を埋め立てて強引に人工島を建設しているわけだが、今回の判決ではこの人工島の正当性も否定していて、それに伴う経済的排他水域についても当然認めていない。この人工島は、「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう」という定義に反しているわけだから当然の判断だ。

しかし、島には「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない」という定義がもう一つある。日本は沖ノ鳥島を島であると主張して経済的排他水域を設定しているわけだけれど、沖ノ鳥島は最初の定義は満たしているが、二番目の定義については明らかに満たしていない。右寄りな思想を持っている自分がどうひいき目に見ても、沖ノ鳥島は「島」ではなく「岩」にしか見えない。

ほかの国から沖ノ鳥島の「島」としての正当性に異議を唱える訴訟を起こされたら、日本は間違いなく負けると思う。だって、だれがどう見てもあれを島だというのは無理矢理すぎるし。異議を唱える国があるとすれば台湾だろうが、幸いなことに、親日派の女子が総統になってくれたおかげで、とりあえずこの問題について騒ぎ立てるつもりはないようだ。

ものすごい強引さを感じさせる波消しブロックがなければ、いまごろは水没していたかもしれない沖ノ鳥島だが、周囲をコンクリートで固めたからといって安心はできない。あんなちっぽけな岩なんて、このまま温暖化が進めばすぐにでも水没してしまいそうだ。島の周囲にサンゴを繁殖させて陸地の部分を増やすという案もあるらしいが、なんとか頑張ってほしい。領土というのはその経済性はともかく、国家にとって譲れないものであることだけは間違いない。



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