16/04/03

新入社員のマナーについて考えてみる

寺内カブ君のおかけで、自分が住んでいる千葉市稲毛区が頻繁にニュースに出てくる。どうせなら、犯罪とは関係のない形で地元が有名になってほしいものだ。監禁場所となったアパートは、自分の住んでいるところからけっこう近い場所にあるため、もしかしたらカブ君とすれちがったりしたこともあったのかもしれない。まあ、そんなことはどうでもいけど。

千葉大学は、今回の事件を受けてカブ君の学位を取り消すことにしたらしいが、それはおかしいだろう。規定の単位を取得して試験もパスしたわけだから、誘拐事件を起こしたからといってそれらをすべてなかったことにするのはどう考えてもおかしい。3月いっぱいは大学に在籍していることになっているから、というのが大学側の言い分らしいが、すでに卒業証書を渡しているわけだから、苦しい言い訳だ。

そんな感じで、新しい年度が始まった。4月1日には、新入社員の姿をあちこちで見かけた。彼らはどこでも集団で行動しているから、すぐに目につく。集団でいるということは、それだけ大人数の新卒を採用するだけの体力がある大企業の新入社員ということだろうから、きっとものすごいエリートたちなのだろう。もっとも、はたから見る限りでは、頼りなさそうな若者にしか見えないけれど。

新入社員に関連して、こんな記事を見つけた。上司とランチをするときに、新入社員が守るべきマナーが書かれている。要点だけを箇条書きにすると、以下のようになる。

鉄則1: しれっと上座に座ってはいけない
鉄則2: 選ぶメニューは高過ぎず、安過ぎず
鉄則3: テーブルの上にケータイを置かない
鉄則4: 先に食べてはいけない
鉄則5: 会計を済ませる間、近くにいてはいけない
鉄則6: 「ごちそうさま」を忘れずに

なんだか面倒くさそうで、メシぐらい好きに食べさせろよと言いたくなるけれど、こういうマナーというのはけっこう重要だったりする。自分が新入社員のときにこういうマナーをちゃんと守れていたかどうかについては、おそらくそれほどひんしゅくを買うようなことはしていなかったと思う。会社に入る前は、マナーや言葉遣いに関する本などを読んで少しは勉強もしていたし。

まず、最初の「上座に座るな」というマナーだけれど、これは一般的な社会人であれば常に気にすることだと思う。無造作にテーブルが配置されているだけの気取らないソバ屋や定食屋だったら、上座うんぬんなんてことは気にする必要はないけれど、こじゃれた店になるとそうも言っていられない。壁を背にする席が上座になるから、客や目上の人間にその席を勧めて、自分は通路側の席に座る必要がある。

しかし、こういう常識を知らない人もけっこういて、客からランチミーティングに誘われたときに自分たちの方が早く店に着いてしまい、席について客を待つことになったのだが、同行していた営業の人間がいきなり上座に座ろうとしたことがあった。このときは、やんわりと説明して下座に座らせたのだが、営業をしている人間なのにこんな常識的なことも知らないなんてと思い、かなり驚いた覚えがある。

そうして下座に座っても、客が来れば「どうぞそちらの席に」と言われて上座に座ることになるから(誘った方が下座に座るのがルールなので)、結果的には同じことになる。だったら、最初から上座に座った方が早いということになりそうなものだが、そこが日本人の面倒くさいところで、建前上はいかにも遠慮しているポーズを見せなければならない。このあたりの機微は、外国人にはなかなか理解できないだろう。

「選ぶメニューは高すぎず安すぎず」というのも、けっこう難しい問題だ。上司や客に食事を誘われた場合、間違いなくおごってもらうことになるわけなので、適当なメニューを選ぶというのは当たり前のことだ。相手の選んだメニューに合わせて、それよりも少しだけ安いメニューを選んでおけば間違いない。しかし、相手が選んだメニューがその店で一番安いメニューだったりすると困る。

打ち合わせで客先を訪ね、昼飯に誘われてソバ屋に行ったときに、相手がその店で一番安いメニュー(かけそばを除く)である玉子丼を注文したことがあった。いやいや、ここはビシっとカツ丼の上くらい注文してくださいよと思いつつ、さてどうしたものかと少しだけ悩んだ結果、自分はそれよりも少しだけ高い親子丼を注文した。

ルールに従うのであれば、自分も玉子丼を注文すべきかもしれないが、それではあまりにも卑屈というか遠慮しすぎている感じが出てしまい、逆に相手に気を遣わせてしまうことになる。こういうときには、相手よりも少しだけ高いメニューを選んだ方がいい。というか、誘った側はそのあたりのことを考えて、それなりの値段のメニューを注文するのが誘った側としてのマナーというものだ。

「先に食べてはいけない」というのはケースバイケースで、相手から「お先にどうぞ」と言われたら、素直に食べた方がいいと自分は思っている。もし自分だったら、絶対に「お先にどうぞ」と言う。自分は、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるのが一番だと思っているから、せっかくの熱々の料理が目の前でどんどん冷めていくのを見るのが耐えられない。

「会計を済ませる間、近くにいてはいけない」というのも重要だ。自分は、「ここはこちらで払っておきます」と相手に言われたら、店の外に出て待つことにしている。レジでの支払いを後ろから見守るというのは、なんだか相手の財布の中身を後ろからのぞき見しているような感じで、自分にとっても相手にとってもあまりいい感じはしない。

「必ずごちそうさまという」は、マナーというよりは、人間としての常識だろう。人におごってもらっておきながらお礼の一言も言えない人間なんて、社会人としての資格はない。

この記事にはもう一つ「鉄則7: 瓶ビールはラベルを上に、コップにつけない」というオマケがある。これは、飲み会に誘われたときのお酌の仕方に関するマナーらしいが、これにはまったく賛成しない。ラベルが上でも下でも、ビールの味が変わるわけではない。本当にくだらないマナーだ。そんなキャバクラ嬢みたいなマナーを気にするヒマがあったら、一日でも早く仕事を覚えた方がいい。



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