15/09/21

安保法制について改めて真面目に考えてみる

なんだかんだで、ようやく安保法制が成立した。最後のドタバタぶりは茶番もいいところで、あまりのレベルの低さに見ていてイヤになった。野党は問責決議案を連発して必死に採決の引き延ばしを図っていたけれど、どうせ与党の賛成多数で法案が通ることはわかりきっているのに、いったい何がしたかったのだろう。というか、いったいだれが得するのだろう。

まあ、「どうせ何をしてもムダだけど、すんなり採決に応じてしまうのもアレだしなあ。必死に抵抗している姿を見せて、有権者に少しでもアピールしておくか」みたいに考えたのだろう。そしたらけっこう盛り上がってきて、なんだかお祭りみたいで楽しくなってきたというところだろう。山本太郎のバカなんて、最後は完全に楽しんでいた感じだし。

世論としては、今回の法案成立に反対する意見が多数を占めているようだ。まだ審議が不十分だから、というのがその大きな理由になっているらしい。たしかにそれはそうかもしれないけれど、議論が深まらないのは、野党の責任が大きい。憲法違反だから絶対にダメと頭から否定するばかりで、具体的な対案を出さないから、議論にすらならない。

一番ひどいのは、安保法案のことを「戦争法案」と勝手にレッテル付けしたことだ。本来は集団的自衛権の行使に賛成する議員も少なからずいるはずの民主党もこれに乗ってしまい、共産党や社民党と一緒になって「戦争法案反対」なんて言い出す始末だ。与党の言うことにはすべて反対すべしという卑屈な野党根性丸出しで、あまりにもレベルが低い。

さらには、「この法案が成立したら、将来的に徴兵制が復活する」なんていうデタラメまで言い出した。国会議員が、こういう何の根拠もないデタラメを流してはいけない。無知な国民が信じてしまったらどうする。と思っていたら、やっぱり一部の無知な人たちがこのデタラメを信じてしまって、何もわかっていないまま、お祭り気分でデモに参加したりしている。

冷静に考えてみればわかるけれど、徴兵制が必要なのは、集団的自衛権を行使する場合ではなく、むしろ個別的自衛権しか持たない現状の方だったりする。アメリカから一方的に守ってもらうばかりの現状では、「こっちもほかのことで手一杯だから、できるところは個別的自衛権の範囲内で自分たちでやってね」なんてことをアメリカから言われてしまう可能性がある。

そうなれば、自分たちのことは自分たちで守るしかない。極端な話、スイスみたいに、「だれの助けも借りない代わりにだれも助けません」というスタンスを取るならば、自国の防衛力を強固なものにしなければならない。それこそ、徴兵制を復活させて、軍備を大幅に増強する必要がある。自国を自前で守るというのは、つまりそういうことだ。

だから、今回の法案が成立したら徴兵制が復活するというのは、妄言もいいところだ。「戦争法案」だとか「徴兵制の復活につながる」という野党議員の妄言をそのまま信じるのは、いい大人としてはちょっとばかり恥ずかしいということ自覚すべきだと思う。今回の一連の騒動を見ていると、マスコミの論調に乗せられて思考停止している人が多いように感じる。

一部の学生も調子に乗ってデモで騒いでいるけれど、あれもなんだかなあと感じてしまう。もちろん、まったくの無関心よりはいいけれど、戦争に反対だから安保法制も反対なんていう主張はどうかと思う。彼らにも彼らなりの考えがあるのだろうが、あまりも短絡的すぎる。もしかしたら、権力に抵抗するおれたちってカッコいい? なんて思っているのかもしれない。

今回の安保法制では、芸能人も自分の意見を述べているところが特徴的だ。以前なら、芸能人が自分の政治的な思想を明らかにするのはタブーみたいなところがあったけれど、最近はそういった部分がだいぶ自由になってきたようだ。しかし、ほとんどの人が安保法制に反対していて、賛成意見を述べたのはダウンタウンのまっちゃんくらいしかいないのが寂しい。

反対派の意見としては、結局のところ憲法違反だからというのが一番の理由だと思うが、憲法9条が戦争に対する絶対的な壁になるかといえば、そんなことはない。日本を戦争から守っているのは、決して憲法9条ではなく、実際には強力な軍事力を持つアメリカだ。どの国も、アメリカが怖いから日本にちょっかいを出せないだけなのだ。

もしアメリカの後ろ盾がなくなったら、日本はいいようにやられてしまうだろう。憲法9条が足かせになって満足にやり返すこともできず、一方的にボコられるだけだ。結局のことろ、日本が戦争に巻き込まれないようにするには、アメリカとの同盟関係を強化するのが最も効率的な方法ということになる。アメリカに頼りたくなければ、日本も核武装するしかない。

つまりは、アメリカとの同盟関係があってこその憲法9条というわけだ。安保法制に反対する人というのは、憲法9条は絶対に守る、でもアメリカには協力したくない、でも日本のことは絶対に守ってほしい、と言っているわけだ。なんて自分勝手な理屈だろう。本当にこういう自分勝手な考え方でいいのか、もう一度よく考えてほしい。

また、このタイミングで性急に法案を通す必要はないという意見もあるけれど、じゃあ一体いつならいいんだということになる。何かことが起こってから泥縄式に議論しても遅い。いつか必要になるそのときのために、いまのうちに法案を成立させておくのは間違ってはいない。今回の与党のやり方にも問題はあるけれど、野党の対応があまりにも硬直していたので、やむを得ない部分はあったと思う。

ということで、日本人は政治家も含めて、みんな平和ボケしているなあというのが素直な感想だ。日本が平和憲法さえ守っていれば戦争に巻き込まれることはないと無邪気に信じている人が多すぎる。周りの国がそんな日本を理解してくれるようないい国ばかりなら問題ないけれど、実際にはそうではない。政治家も含めて、日本人はもっと緊張感を持たないといけないような気がする。



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