15/07/12

体育会系的なノリのラーメン屋は嫌い

以前よく通っていたラーメン屋に久しぶりに行ってみたところ、ものすごく威勢のいい男子のスタッフがいた。とにかく声が大きくてやたらと元気がいい。どこかの大声コンテストに出場すれば優勝できるんじゃないかと思うくらいの声量だ。なにしろ、店に入ったときの「いらっしゃませ!!」という声に圧倒されて思わず固まってしまったくらいだ。

この店は、席に着くと氷の入った水を出され、「ご注文が決まりましたら声をかけてください」と言われる。それから間髪を置かず、「カウンター10番さん、オーダー待ちです!」と、大声で厨房のスタッフに知らせるシステムになっている。それを受けた厨房のスタッフも、「はいよ!」みたいに威勢よく返事をする。

自分はこれが大嫌いで、いつも「ご注文が決まりましたら声をかけてください」と言われた瞬間に、「じゃあ、醤油ラーメンを麺硬めで、あと半ライスをください」と注文することにしている。店内に響く大声で「XX番さんオーダー待ち!」と言われると、アイツ、ラーメンの注文もすぐに決められないような優柔不断なヤツなんだぜと言われているような気がして、プレッシャーを感じるからだ。

しかし、すぐに注文したからといっても安心はできない。なにしろ、「麺硬めに半ライス!!」と、またでかい声でオーダーの内容を厨房に通されてしまうからだ。厨房のスタッフだけに聞こえるくらいの声量ならばともかく、店内にいるすべての人たちに聞こえてしまうくらいの声量だから困る。そこはもう少し控えめでもいいんじゃないの。

「麺硬めに半ライス!!」なんてことを大きな声で言われると、「ふーん、ラーメンにライスを付けるわけね、つまりは、炭水化物に炭水化物をプラスするわけね、それってどうなんだろう」と店内の人たちに思われやしないかドキドキする。麺硬めに半ライスというのは、いわば個人情報なわけだから、それをバラすのはやめてほしい。なんだかものすごく恥ずかしい。

注文したラーメンをカウンターに置くときにも、「お待たせしました、ごゆっくりどうぞ!!」と大きな声を出す。それを受けて厨房内のスタッフも、「お待たせしました、ごゆっくりどうぞ!」と復唱する。いやいや、君たちにそんなに大きな声を出されると、かえってゆっくりできないから。居心地が悪くてしかたないから、やめてくれないかな。

別に、元気がいいのは悪いことではない。「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました」もロクに言わないような店よりはずっといい。ただ、何事にも限度というものがある。普通に「元気がよくて気持ちいいなあ」と思えるくらいの声量で言ってくれればいいものを、こっちの鼓膜がビリビリと振動するくらいに大きな声を出されると、かえって不快に感じてしまう。

ラーメン屋には、こういう体育会系的なノリで接客をする店が多いけれど、あまりに度が過ぎると、自分のような小心者はどうしても引いてしまう。店中に響くような声を出されると、いったいだれに対してサービスをしているのだろうと思ってしまう。こういう店員さんに遭遇すると、君が元気がいいのはわかったから、普通に接客してくれといつも心の中でつぶやく。

自分はいつも、開店直後の時間を狙ってラーメン屋に入る。11時開店の店なら11時5分くらいに、11時30分開店の店なら11時35分くらいに店に入る。ピーク時に入ると、店内が混んでいるからイヤなのだ。だから、まだ客もまばらな状態で接客されることになるわけで、「麺硬めに半ライス」という個人情報をバラされても、それを聞いている人はそれほど多くないというのが救いではある。

しかし、こういう威勢のいい店員さんは、一日中ずっとこんな調子で接客を続けるのだろうか。あんなに大きな声を出していたら、ランチタイムが終わる頃には声が嗄れていそうな感じだ。仕事とはいえ、一日中立ちっぱなしで動き回り、大きな声を出し続けるというのは、傍で見るよりもずっと大変なことなんだろうと思う。自分にはラーメン屋だけは絶対にできないといつも思う。

そんなこんなで大変な仕事だとは思うけれど、こっちがビビってしまうくらいの大声を出すのだけは勘弁してほしい。君がサービスを提供すべき相手は目の前にいるわけだから、その人にだけ聞こえる声でおだやかに接客してくれればそれでいい。コイツはまだオーダー待ちだぜとか、コイツの注文は麺硬めに半ライスだぜとか、その他大勢に伝える必要はまったくない。




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