15/07/05

ギリシャのデフォルト問題について考えてみる

なんだかギリシャがすごいことになっているらしい。銀行からの引き出し額が1日約8,000円に制限されているというからすごい。日常の買い物はともかく、家賃などの支払いはどうすればいいのだろう。口座引き落としではなく、大家さんに直接家賃を手渡しで払っている人もいるだろうに、1日たった8,000円では、その全額を毎日払ったとしても、とんでもない分割払いになってしまう。

ギリシャのデフォルトについてはかなり前から「そろそろ危ないかも」と言われていたが、ついにそれが現実のものとなりつつある。というか、現実的にはもうデフォルトに陥ったということでいいのかな。自分は経済についてはまったくのド素人なので、詳しいことについてはよくわからないけれど、とにかく本格的にヤバイ状況になっていることだけは間違いないようだ。

そんな状況にもかかわらず、ギリシャのチプラス首相は、EUが提案する緊縮策にはあくまでも反対らしい。国民投票でも、反対票を投じるように呼びかけ、投票用紙には「反対」を「賛成」の上に記載するという姑息な手段まで使っている。この強気の姿勢は、いったいどこからくるのだろうか。なにか素晴らしい作戦でもあるのだろうか。

事前の世論調査では、賛成派と反対派の割合はかなり拮抗しているようだ。もしかしたら、この前大阪で実施された住民投票のように、ものすごい接戦になるかもしれない。あのときは、現状の変化を恐れた高齢者が反対票を投じたことで大阪都構想は否決されたけれど、ギリシャの場合も、年金暮らしの年寄り連中が反対に回るであろうことは容易に想像できる。

しかし、大阪とギリシャとでは、問題の本質がまったく違う。大阪都構想を否決したところで、実際の生活には何も影響しないが(むしろ、可決された方が現在の生活に影響しただろう)、ギリシャの場合は、自分たちの生活に直結する問題だ。賛成にしろ反対にしろ、現在の生活が大きく変わることになるのは間違いない。

とにかく驚かされるのは、ギリシャの人たちの無邪気さだ。自分たちの国の現状を知っているのかいないのかわからないが、現在の生活を当然の権利だと信じて、そこから1ミリも妥協しようとしないのがすごい。国の収入が少なければ、国民はそれに合わせた生活をしなければならないのに、果てしなく借金をしてまでも優雅な暮らしをしたいらしい。

労働人口の約25パーセントが公務員というのもすごい。働いている人の4人に1人が公務員だなんて、ギリシャはどういう構造になっているのだろう。公務員は基本給だけでなく各種手当も充実していて、パソコンを操作できるだけでも手当が出るし、定時に出勤しただけでも手当が出るというからすごい。いまの生活に必死にしがみつきたくなるのも無理はない。

今回のデフォルト騒ぎについて、どこからも同情的な意見が出てこないのは、こうしたギリシャ国民の高慢な怠惰さが鼻につくからだろう。よそ様からの借金で優雅な生活をしているにもかかわらず、それを当然のこととして自らを省みようともしない高慢な態度を見せられれば、だれでも腹が立つ。まあ、遠い国のことなので腹を立てる必要もないけれど。

ギリシャと同じく日本も膨大な借金を抱えているわけだけれど、ギリシャとの決定的な違いは、国内での借金という点だ。日本政府が発行する国債は、そのほとんどを日本人が買っている。たとえて言うなら、同居している家族内で金の貸し借りをしているようなものだ。身内だから、無利子・無担保、あるとき払いの催促なしという性質の借金だと思えばいい。

それに対してギリシャの国債は、そのほとんどを外国人が買っている。ギリシャという国自体に信用がないから、当然国債の利率も高くなる。そうしないと、だれも買ってくれないからだ。たとえて言うならば、利率の高いサラ金で借金をしているようなものだ。日本の借金の仕組みとは性質がまったく違う。日本もそのうちギリシャみたいになると言う人がいるけれど、それはきっと間違っている。

怖い街金に手を出して散々贅沢をしておきながら、返済期日になってもお金を返せませんでは、だれだって支援しようという気にはならない。お金を借りる立場としては、せめてもう少し謙虚な姿勢を見せた方がいいと思うのだが。これが本当の闇金だったら、風俗に売り飛ばされるか、無理矢理マグロ漁船に乗せられるところだ。

こういう簡単な理屈さえ、ギリシャの大部分の人たちは理解していないのだろう。というか、当のチプラス首相でさえ理解できていないようで、そのバカさ加減というか純真な無邪気さには呆れるばかりだ。ユーロから離脱した後の作戦は何かあるのだろうか。彼を見ていると、沖縄の基地問題で根拠のない自信を見せていたルーピー鳩山と重なって見える。

今回の国民投票では、さすがに賛成派が勝つと思う。ギリシャ国民もそこまでバカではないと信じたい。年金暮らしの年寄り連中は、自分たちだけ甘い汁をすすれば後のことは知らん、という無責任な考え方だろうが、若い人たちはそういうわけにはいかないだろう。きっと、自分の国の将来を真剣に考えている人も少なくないはずだ。そういう人たちに期待したい。

とか言いながら、反対派が勝っても、それはそれで面白いことになるかもしれないと思っている。いずれにしても、日本には大した影響はないだろうから、勝手にやってくれればいいや。



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