15/03/08

ネギについて多少熱く語ってみる

なんだか今年は寒いような気がする。3月になってからも真冬のような寒さが続いていて、春を感じる日は少ない。一昨年の日記を見てみると、3月6日からコートを脱いだと書いてある。これは一行日記みたいなものだけれど、その日の天気と最高気温だけはマメに書いてあって、一昨年は3月6日から一気に春本番の暖かさになり、連日15度以上の日が続いていたらしい。

そんな感じで春の到来を待ちわびつつ、今回はネギについて書いてみたい。これまでに、ピーマンやもやしについては書いたことがあったけれど、なぜか一番好きなネギについては書いたことがなかった。そう、自分が一番好きな野菜は、何を隠そうネギなのだ。何はなくとも、ネギだけは切らしたことがないというくらいに好きだ。冷蔵庫にネギがないと、たちまち不安になってしまう。

なぜこんなにネギが好きになったのかと考えてみると、子供の頃に食べた冷麦にその原因があるのではないかと思いついた。実家では、夏になるとよく冷麦を食べていたのだが、その薬味として食べるネギが異常に好きだった。冷麦自体はそれほど好きというわけでもなかったけれど、ネギをタたっぷり乗せて食べるのがとにかく好きだった。

だから、母親はいつも自分のために、大量にネギを切ってくれた。なんだか、冷麦を食べているのかネギを食べているのかわからないくらいだった。そんな調子で大量にネギを食べるものだから、食後に兄貴に話しかけたりすると、ネギ臭いから話しかけるなと言われたりしたものだ。おそらくこのときが、自分の人生において初めて他人から臭いと言われた瞬間だったと思う。

このときのことはいまでもよく覚えていて、それまで自分が臭いなんて思ったことがなかったから、かなりショックだった。おそらく、小学3年生くらいの頃だったと思う。子供心に、大人になるとだんだん臭くなっていくんだろうなという漠然としたイメージを持っていたから、まだ小学生の自分が臭いという事実にショックを受けたわけだ。

ただ、そういうショックを受けながらも、ネギは食べ続けた。よく考えてみると、子供の頃からずっと変わらずに好きだった野菜というのはネギしかないような気がする。ピーマンは大人になってから好きになった野菜だし、セロリなんかの苦い野菜もそうだ。ほうれん草やもやしは子供の頃から好きだったけれど、ネギほど熱烈に好きだったわけでもない。

薬味として食べる場合は、当然ながら輪切りにするけれど、味噌汁に入れる場合は斜め切りにすることが多い。輪切りにすると、味噌汁の熱に負けてしまって、せっかくの食感が損なわれるのがイヤなのだ。思い切り角度を付けて多少厚めに斜め切りにすると、ネギのシャキシャキとした食感が楽しめるのがいい。ネギの甘さや、芯の部分の辛味もよくわかる。

休日の昼には、インスタントラーメンを作って食べることがよくあるけれど、そのときにもネギは絶対に欠かせない。白菜やキャベツや玉ねぎなどがあれば、適当に炒めたりしてラーメンに乗せて食べるが、不幸にしてこうした野菜が何もないときでも、ネギだけは絶対に冷蔵庫に入っているので、斜め切りしたネギをこれでもかというくらいたっぷり乗せて食べる。

そんな調子だから、ネギ入れ放題というラーメン屋に入ったりすると、ものすごくテンションが上がる。たとえば、魁力屋という京都ラーメンのチェーン店があるのだが、ここは青ネギを刻んだ容器がカウンターやテーブルに置いてあって、自由に好きなだけラーメンに乗せることができる。この青ネギが美味くて、ラーメンではなくむしろネギに惹かれてよくこの店で食べている。

関東では圧倒的に白ネギの方が流通量が多いから、自分も普段は白ネギばかり食べているけれど、青ネギも大好きだ。むしろ、ラーメンの具としては青ネギの方が好きだったりする。でも、青ネギはスーパーや八百屋にはあまり置かれていないし、あったとしても結構高かったりするので、自宅で食べるのはもっぱら白ネギということになってしまう。

白ネギの場合、太いネギと細いネギとでは、味がかなり違う。白ネギは芯の部分の辛味が強いので、よく育った太いネギの場合は、芯の部分の辛味も強くなる。これが細いネギの場合は、芯の辛味はそれほど強くない。どちらが好きかと聞かれると、ネギ好きとしては迷うところで、結局はどちらも好きだという答えになってしまう。

でも、ネギなんて結局は料理の脇役で、ネギ単品で料理の主役にはなれないよね、なんて思っている人もいるだろう。そんなあなたに言いたい。甘いよ、あんた甘すぎるよ。英語で言うと、"You are sweet, too much sweet." だ。自分くらいのネギ好き人間になると、ネギさえあればドンブリ飯だって余裕で食べられるのだ。

ネギを斜め切りにしてフライパンで炒め、適当に塩コショーで味を付け、熱々のご飯の上に炒めたネギを乗せて醤油を3周ほど回しかければ、立派なネギ丼の完成だ。金がない学生時代には、よくこのネギ丼を食べていた。そんな作り方で美味いのかって? まあ、ネギ好き以外にはあまりお勧めできる料理でないことだけは確かだ。



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