15/02/22

憧れのブラインドタッチ

ものすごくいまさらな発見だが、キーボード入力における左手の可動範囲が非常に狭いことに気付いた。自分はローマ字入力でキーボードを叩いているのだが、「R」や「T」まで右手で入力することがよくある。ただ、いつも「R」や「T」を右手で入力しているわけではなくて、ものすごく急いでいるようなときに右手の可動範囲が広くなる傾向があるようだ。

左手は利き腕ではないから、指の動きもイマイチ思い通りにならなくて、気がせいているときなどは、無意識のうちに右手が左手の作業範囲にまで侵入していくらしい。絶対に右手が侵入できない「左手の聖域」とでもいうべきキーは、「Q」、「W」、「E」、「A」、「S」、「D」、「Z」、「X」、「C」くらいしかない。なんて不器用なんだろう。

こういう不器用さを感じるときに、ブラインドタッチができたらなあ、と思う。なにしろ、翻訳という仕事は一日中キーボードを叩いているようなものだから、そのキーボード操作の正確性と速度が上がれば、作業の生産性にもかなり影響するだろう。自分は、自慢ではないが翻訳スピードはかなり速い。平均的な人よりも3〜5割増しくらいで速いと思う。

だから、ブラインドタッチさえマスターすれば、普通の人の倍くらいは速くなるのではないかと思っているのだけれど(さすがに倍はないか)、いまさらブラインドタッチにチャレンジするのもなんだか恥ずかしい。はたしてブラインドタッチというものは、一人でコソコソ練習してマスターできるものなのだろうか。自分のように不器用な人間でもマスターできるものなのだろうか。

驚いたことに、いまは学校の授業でブラインドタッチの練習をするらしい。もちろん必須科目ではないのだろうが、なんともうらやましい話だ。自分が高校生の頃は、まだパソコンなんて普及していなくて、キーボードに触れたことさえなかった。それは大学生になってからも同じことで、バイトでわずかにワープロに触ったくらいだ。

会社に入ると、システムエンジニアという職業柄、毎日キーボードを叩いていたけれど、ブラインドタッチの練習方法なんて知らなかったから、まったくの自己流でキーボードを叩いていた。ブラインドタッチはもちろんのこと、カナ入力もできないので、キーボード入力ではかなりのハンデを背負っていると思う。というか、日本語を入力するのは面倒くさい。

いまの会社は外資系なので、本社とのやり取りはすべて英語でするわけだけれど、英文の入力に比べて日本語の入力はなんて面倒なんだろうと感じるようになった。英文なら、そのままアルファベットだけを入力すれば済むけれど、日本語の場合はそうはいかない。いちいち変換キーを押して、正しく変換されているかを確認しなければならない。

つまり、英文ならば1ステップだけで済むところを、日本語の場合は、ローマ字入力、変換、確認、確定というステップになるわけだから、その作業量はとんでもないことになる。日本語というのは、つくづくキーボード入力には向かない言語だと感じる。日本語に限らず、ダブルバイト文字の言語はすべてそうなのだろうけれど。

また、日本語でメールなどを書くと、必要ない文章が多くなりがちだ。「いつもお世話になっております」から始まって、「お手数をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」で終わるまでの間、これでもかというくらい余分な情報が入っている。なるべく失礼にならないように丁寧に書こうとすると、どうしても長々しいメールになってしまう。

これが英語なら、「いつもお世話になっております」は「Hello」でいいし、「お手数をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」は「Best Regards」くらいで十分だ。というか、自分には大した英語力がないから、これくらいしか書けない。ただ、大した英語力がないというのも悪いことばかりではない。

自分の貧弱な英語力で文章を書こうとすると、余分なことは一切書かず、重要なポイントだけをわかりやすく簡潔に伝えようとするから、無駄な情報のない文章になる。なまじ英語力があると、あれもこれもと書いてしまいがちだが、自分の場合そうした心配はない。そんな流暢な文章など、ハナから書けないからだ。

ただ、こうして書いたメールはものすごく素っ気ないものになる。欧米風のジョークでも書ければいいのだが、そんなセンスなんて当然ないから、とにかく必要最低限の文章が並んだだけの素っ気ないメールになる。まあ、無駄な社交辞令がダラダラと書かれた日本語のメールよりも実用的だと言えるかもしれないけれど。

ということで、何かと面倒な日本語入力を少しでも楽にするためにブラインドタッチをマスターしてみたいのだが、なんだかんだ言いながら、このままずっと自己流のキーボード入力を続けていくのだろう。それにしても、あまりにも不器用な左手が悲しい。せめて「R」と「T」くらいは左手の聖域として死守してみろと言いたい。



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