14/07/21

サイゼリヤに行ってみた

なんだかサイゼリヤがすごいらしいという噂は以前から聞いていたのだが、これまで行く機会はなかった。何がすごいかと言えば、とにかく値段が安いらしい。値段が安いということは味もそこそこなんだろうと思って、特にサイゼリヤに行きたいとは思わなかったのだが、いったいどれくらい安いのかググって調べてみたところ、想像以上の安さに驚いた。

なにしろ、ランチが500円ポッキリで食べられるのだ。しかも税込で500円だ。増税に合わせてしれっと便乗値上げをする店が多いのに、サイゼリヤは多くのメニューについて価格据え置きにしているらしい。増税しても価格据え置きということは、実質的には値下げしているということだ。なんて素晴らしい店だろう。これでサイゼリヤの好感度が一気に上がったのは言うまでもない。

ということで、味やボリュームやサービスなど、いったいどのくらいのレベルなのか興味がわいてきたので、昨日サイゼリヤに行ってみた。訪問したのは国道沿いの店舗で、昼の11時過ぎに入ったときにはまだ客の入りはまばらだった。2人用のテーブルに案内されてメニューを見ると、残念ながら500円ポッキリのランチは平日限定らしく、メニューには載っていない。

あれこれ悩んだ結果、399円のマルゲリータピザと、250ml の白のデキャンタ入りワインを頼んだ。昼間から一人で酒を飲むなんて、自分はなんてダメな人間なのだろうと思いながら、200円という破格の値段の誘惑にあらがうことができなかった。ほどなく運ばれてきたワインは、デキャンタだけでなく、グラスも冷やされているのがうれしい。

早速ワインを飲んでみると、予想通りの安っぽい味だ。なにしろ激安ワインだから、最初から味には期待していない。むしろ、この値段でこの味なら悪くないとさえ思う。そもそも自分には、微妙な味の違いなんてわからない。子供の頃から濃い味付けの料理に慣れてしまっているから、すっかり舌がバカになっているのだ。

そうは言っても、さすがに500円のワインと5千円のワインの違いはわかる。断言はできないけど、多分わかるんじゃないかな。そのくらいの舌は持っているつもりだ。しかし、5千円のワインと5万円のワインの違いとなると、きっとわからないだろう。そもそも、これまでに5万円のワインなんて飲んだことがないし、この先も飲むことはないと思う。

そんなことを考えながら安っぽいワインを飲んでいると、ピザが運ばれてきた。見た目はものすごくシンプルで、サイズもかなり小さめだ。正直なところ、見ただけで心がおどるようなビジュアルではない。しかし、399円の激安ピザだから、見た目とサイズはこんなものだろう。肝心の味はというと、やっぱり「まあ、こんなものだろう」という味だ。

だいたい、ものすごく美味しいピザとかものすごくまずいピザとかは存在しなくて、ピザ生地の上に適当なトッピングを置いて適当に焼けば、ピザの味はどれも同じような感じになるものだ。手の込んだ懐石料理やフランス料理ならばともかく、そうしたテクニックが必要ないピザなんて、だれが作っても味にはそれほど大きな差は出ない。

サイゼリヤには、タバスコとか辛味オイルなどという気の利いたものはなくて、唐辛子をフレーク状に刻んだものがテーブルの上に置かれている。辛味が欲しければそれをかけろということらしい。なんだか貧乏くさい感じだが、このあたりでコストダウンを図っているのだろう。郷に入っては郷ひろみということで、ありがたく唐辛子フレークをピザに振りかけて食べる。

ワインのせいで食欲が刺激されたのか、ピザ一枚ではなんだか物足りなくて、追加でサラダを注文した。ついでに、デキャンタワインもお代りをお願いした。昼間からワインを500ml も飲むなんて、自分はなんてダメな人間なんだろうと思いつつ、まあ安いからいいか、などと言い訳をしながらまたワインを飲む。本当に典型的なダメ人間だ。

しかし、ピザを食べてからサラダを食べるというのは、なんだか順序が逆だ。こんなことなら、最初からサラダを頼めばよかった。しかし、後から追加でオーダーできるというのも値段が安いからこそで、このあたりの気軽さもいいと思う。気付いてみれば、いつの間にか店内はかなりの盛況で、家族連れやカップルや男子高校生のグループなどでにぎわっている。

自分の隣の席に座った男子高校生たちは、ペペロンチーノとドリンクバーを注文している。メニューで確認すると、なんとペペロンチーノは299円という安さだ。自分が食べているサラダと同じ値段ではないか。そう考えると、サラダの値段はちょっと高いかなと感じてしまう。もしかすると、サラダがサイゼリヤの稼ぎ頭なのかもしれない。

ということで、かなり気持ちよくなったところで店を出た。気になる会計は1098円で、この値段であれば味もサービスも十分だと感じた。レジに貼ってあったアルバイト募集の紙を見てみると、高校生は時給900円、大学生以上は950円ということで、この地域の相場からすれば妥当な時給だ。人件費を削って利益を出すブラック企業というわけでもなさそうだ。

ということは、サイゼリヤはどうやって利益を出しているのだろうか。牛丼やハンバーガーなどのファストフードであれば、単価が安くても回転率を上げることで、薄利多売という形で利益を出せるだろうが、ファミレスの場合は回転率を上げるのは難しい。よほど原価率が低いのだろうが、それにしても限度がある。いったいどういう仕組みになっているのだろう。

おそらく、パスタやピザといったメインディッシュでの儲けはあまりなくて、サラダなどのサイドディッシュで儲けを出しているのだと思う。客の心理とすれば、どれも値段が安いから、パスタのほかにサラダも注文しちゃおう、みたいな感じになるのだろう。もちろん、オペレーションなども徹底的に合理化しているのだろうが、サイゼリヤの一番の稼ぎ頭はサラダだと見て間違いないだろう。



今週の覚書一覧へ

TOP