14/05/18

洗濯の思い出(続き)

集団的自衛権の行使容認に向けて、何やら動きが活発になっているらしい。各新聞社が行う国民の意識調査によると、「全面的に賛成」という人は1割くらいしかいなくて、「必要最小限であれば賛成」という人が6割くらい、「絶対に反対」という人が残りの3割を占めている、という構図になっているようだ。「賛成か反対か」の二択になると、反対が6割以上を占めるという結果になる。

この調査結果を見ると、「戦争には巻き込まれたくないけど、いまどきそんなことばかりも言っていられないから、少しだけなら協力してもいいかな」というなんとも後ろ向きな姿勢が見えてくる。たしかに、いまさら面倒なことには巻き込まれたくないという気持ちはよくわかる。いままで何の不都合もなかったのだから、これからもそんな感じでいいじゃんと、大多数の日本人は思っているのだろう。

しかし、自分としては、やっぱり集団的自衛権の行使は容認すべきだと思う。アメリカに一方的に守ってもらうだけで、同盟国であるアメリカが攻撃を受けても日本は知らんぷりというのでは、やっぱりおかしい。同盟国というのは、一方的に守ってもらうという関係ではなくて、もっと対等な関係であるべきだと思う。まあ、この問題にはいろいろと複雑な事情がからんでくるので、ここで深く論じることは避けよう。

さて今回は、大学生から社会人にかけての洗濯の思い出について書いてみよう。上京して初めて住んだ下宿屋には、共同設備としては粗末なキッチンと和式の水洗トイレしかなく、洗濯機などという便利なものはなかった。なので、洗濯をしようと思ったら、コインランドリーに行くしかない。幸いにも、下宿屋のすぐ近くに銭湯があり、その横にコインランドリーも設置されていた。

いまも昔も、銭湯にはコインランドリーが付き物だ。なぜ、銭湯には必ずといっていいほどコンランドリーが併設されているのか調べてみたところ、入浴料だけに頼る経営に不安を抱いた銭湯が「セルフクリーニング」という形で始めてみたところ、思いのほか繁盛したので、他の銭湯もそれをまねして次第に普及していったというのがその理由らしい。

たしかに、風呂に入っている間に洗濯が終わるというのは、よく考えてみれば非常に便利だ。当時は、小型〜中型の洗濯機の使用料金が100円〜200円、大型の洗濯機が300円くらいだったと思う。洗濯物を持ち帰って部屋に干すなんて面倒だから、コインランドリーの乾燥機を使って洗濯物を乾かすことになる。乾燥機は、100円玉1枚で10分間動くというシステムになっていた。

防犯のためなのか、コインランドリーには両替機というものがなかった。いま説明したように、コインランドリーというのは、その名のとおりすべて100円硬貨で動く仕組みになっているから、千円札を握りしめて行っても、洗濯はできない。たとえ一万円札を何十枚持っていようと、コインランドリーという場所では、たった1枚の100円玉にはかなわないのだ。

そんなわけだから、コインランドリーに行く前には大量の100円玉を用意しなければならない。自分は、部屋に洗濯機があればそれなりに洗濯するけれど、わざわざコインランドリーまで行って洗濯するなんて面倒だから、なるべく回数は減らしたいと考えていた。大学生の頃は、平均して2週間に一回くらいの頻度でコインランドリーに通っていたと思う。

だから、下着類もかなりの枚数を持っていたことになる。2週間洗濯しなくてもいいということは、少なくとも15枚くらいは下着類を持っていたのだろう。マメに洗濯するのが面倒で、ついつい下着を買い足していたのだと思う。そんな感じで、大量の洗濯物を抱えてコインランドリーに行くわけだが、ここでもやっぱりケチくさい技を使うことになる。

それは、なるべくお金を節約すべく、1台の洗濯機に洗濯物をぎゅうぎゅうに詰め込んで回すという技だ。あまり詰め込みすぎると洗濯機が回らなくなるから、ここまでなら大丈夫というギリギリのラインを学習しておくわけだ。きれいに汚れが落ちなくてもいいから、なんとなく「洗濯しますた」みたいな感じになればそれで十分だ。

社会人になってからも、結婚するまでずっとコインランドリーに通い続けていた。学生の頃は、単純に金がないという理由で洗濯機を買えなかったわけだが、それなりに余裕が出てきた社会人になっても洗濯機を買わなかったのには理由がある。それは、できる限り部屋の中に大きな荷物を増やしたくなかったからだ。

洗濯機や冷蔵庫などという大きなものを部屋に置いてしまうと、いざ引っ越しをするときに身動きが取れなくなってしまう。いつ何があってもいいように、常に身軽でいたかった。だから、冷蔵庫も、ホテルにあるようなワンドアのものすごく小さいヤツしか持ってなかったし、椅子やテーブルといった大きめの家具も一切持っていなかった。もちろんベッドなんてものはなくて、フローリングの床に布団を敷いて寝ていた。

コインランドリーで困るのが、どの洗濯機にも洗濯物が入っているという状態だ。洗濯が終わるまで店内で待っている人というのはほとんどいなくて、洗濯物を洗濯機に放り込んだら店から出て、適当な時間に戻ってくるという人がほとんどだった。そういう人ばかりだから、洗濯が終わっているにもかかわらず、洗濯機の中に洗濯物が入ったままということがよくあった。

こちらとしては、いつまでも待っているわけにはいかないから、洗濯物を引っ張り出して空いている乾燥機にぶち込んでいた。乾燥機もいっぱいのときには、容赦なく隣の洗濯機の上に洗濯物を積み上げていた。自分の洗濯物を乾燥機に入れようとして乾燥機がいっぱいのときには、乾燥機から洗濯物を引っ張り出して、容赦なく洗濯機の上に積み上げていた。

幸いにも、他人の洗濯物を無断で引っ張り出している現場をその当人に見られたことはないが、もし見られたとしても、後ろが詰まっているのに平気で洗濯物を放置している方が悪いわけだから、こういう自分勝手なヤツとはいつでも戦う準備はできていた。自分は、こういう公共のルールを守らない人間が大嫌いだ。

ということで、引っ張りに引っ張ったこのネタも、今回をもってようやく完結した。つまらないネタにお付き合いいただき、ありがとうございました。



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