14/03/16

風呂の思い出(続き)

STAP細胞をめぐる騒動については、イマイチよくわからないことが多い。自分としては、小保方さんが佐村河内さまと同じような詐欺師だとはどうしても思えない。これは、小保方さんが若くて可愛らしい女性だということも大きく影響しているだろう。あんなに素敵な女性が、佐村河内さまと同じような詐欺師であるはずがないと、どうしても考えてしまう。

世間としても、だいたい同じような考え方をしている人が多いようで、小保方さんを叩きまくるという感じにはなっていない。多くの人が、せっかく世紀の大発見をしたのだからSTAP細胞は存在してほしいと思っているだろう。おそらくは、功を焦って再現性の低いままにずさんな論文を発表してしまったというのが真相だと思う。いずれにしても、本人の口からきちんと経緯を説明してほしい。

さて、今回も風呂の思い出についてつらつらと書いてみたい。前回は銭湯について書いたが、当時は銭湯以外にもコインシャワーで汗を流すという選択肢があった。いまでは街中でコインシャワーを目にすることはほとんどないけれど、当時はコインシャワーが流行し始めた頃で、銭湯のある街ならコインシャワーもあるという感じだった。

コインシャワーというのは、たたみ一畳分くらいの個室空間にシャワーだけが付いているというシンプルなもので、硬貨の投入口に100円を入れると、シャワーヘッドから5分間だけお湯が出てくるという仕組みになっていた。ということは、普段通っている銭湯が300円だから、コインシャワーを使って10分で身体を洗えば銭湯よりも100円分少なくて済む計算になる。

なんともセコい発想で自分でもイヤになるが、当時はとにかくお金がなかったから、こういう発想になるのもしかたがない。早速、いつも銭湯に通うときの用具を一式持って近所のコインシャワーに行ってみた。たたみ半畳くらいの脱衣スペースで服を脱いでからシャワー室に入ると、想像していたよりはゆったりとしたスペースになっている。

しっかりと握りしめた手のひらの100円玉2枚を投入口に入れると、シャワーヘッドから勢いよくお湯が流れ出してきた。いったんお湯が出てきたらもう止めることはできないから、10分間ですべてを終わらせなければならない。10分間で頭からつま先までひととおり洗う手順は、コインシャワーに来る前に何度もイメージトレーニングしてきているから不安はない。

イメージトレーニングのとおりに手早く身体を洗って洗髪にとりかかった瞬間に、その悲劇は起きた。ゴゴゴ、みたいな大きな音をたてていきなりシャワーが止まってしまったのだ。いやいや、まだ10分は経っていないだろうと思ってシャワーヘッドを見上げるのだが、一度止まってしまったシャワーヘッドからお湯が出てきそうな気配はない。

しかたなく硬貨の投入口にある説明書きを見ると、「続けて使用する場合は、シャワーが止まってから追加のコインを投入してください。最初にまとめてコインを投入しても、5分間しかシャワーは出ません」と書かれているではないか。いやいや、どう考えてもその仕様はおかしいだろう。だったら、シャワーを浴びている間は、その追加のコインをどこに置いておけというのだ。

頭は泡だらけのままだが、きっちりと200円しか持ってこなかったから、この泡を洗い流すすべはない。しかたなく、頭にバスタオルを巻いてアパートまで帰り、キッチンの水道で泡を洗い流した。水道の水は冷たいし、中途半端にシャワーを浴びたせいで身体は冷えるしで、散々な目に遭った。同じような被害に遭った人は、きっと自分のほかにも大勢いたはずだ。

この事件以来、コインシャワーには行っていない。コインシャワーの不便さがイヤになったということもあるけれど、衛生面でもあまりいい噂を聞かなかったというのも、コインシャワーから離れた理由だ。個室空間になっているのをいいことに室内でよからぬことをするカップルがいたり、シャワーだけでなくトイレとして利用するヤツもいたりするという噂を聞いて、もう二度と行くものかと思った。

そんな感じで、風呂が付いている部屋に住むことが当時の夢であり目標だった。ユニットバスが付いている友人の部屋に遊びに行くと、うらやましくてしかたなかった。しかし、ユニットバスについては苦い思い出がある。あれは大学一年のときだったと思うが、西武新宿線沿線に住んでいる友人のアパートに泊めてもらったことがあった。

夜は酒盛りをしてそのまま寝てしまったので、翌朝に風呂を貸してもらうことになった。その部屋にはきれいなユニットバスが付いていたが、初めてユニットバスを使う自分としては使い方がイマイチよくわからない。カーテンの裾が浴槽内に入っているのが邪魔で浴槽の外に出してからシャワーを浴びたのだが、これがよくなかった。

ひととおり身体を洗って浴槽から出てみると、トイレ部分のスペースが水浸しになっているではないか。トイレットペーパーにも水が飛んでいて、悲惨なことになっている。なるほど、浴槽内にカーテンの裾を入れていたのは、トイレ部分のスペースにシャワーの水が飛ばないようにするためだったのかと、そのときになってようやく気付いた。

この惨状を友人に伝えて謝ったところ、まったく、これだから田舎者は困るんだよ、みたいな嫌味を言われた。いやいや、そういうお前も、東京でアパートを借りて一人暮らしをしている時点で田舎者だから、と心の中で突っ込んでみたが、もちろん口には出さなかった。この一件以来、ユニットバスに対する憧れが消えることはなかったが、ユニットバスって面倒くさいものだなと思うようになった。

憧れの風呂付きのアパートに引っ越したのは、大学3年のときだった。その部屋の風呂は、きれいなユニットバスではなく、後から無理矢理増築したような不格好なものだったが、狭苦しいユニットバスよりもずっと使いやすくて、自分としては大いに満足だった。それ以来、少しずつ部屋と風呂のグレードを上げながら現在に至るというわけだ。

ということで、引っ張りに引っ張ったこのネタも、今回をもってようやく完結した。つまらないネタにお付き合いいただき、ありがとうございました。



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