14/03/09

風呂の思い出(続き)

長髪をバッサリ切って髭を剃り、サングラスを外した佐村河内さまの姿はあまりにもイケてなくて、佐村河内さまのファンを自認する自分としてはかなりガカーリした。どんな格好をして会見したところで、どうせ袋叩きにあうことはわかっているのだから、あのカッコいい佐村河内さまの姿のままで会見してほしかった。イケてない佐村河内さまなんて、本当の佐村河内さまじゃないんだからね。

さて、今回は風呂の思い出の続きを書いてみたい。前回は高校生のときの思い出までを書いたので、今回は大学生のときの思い出を書いてみよう。上京して最初に住んだのは、早稲田大学の正門から徒歩3分という場所にある六畳一間の下宿だった。当然、部屋には風呂なんて付いていないから、風呂に入ろうと思ったら銭湯に行くしかない。

幸いなことに、下宿のすぐ近くに鶴巻湯という銭湯があったので、銭湯に通うのに困るようなことはなかった。当時の銭湯の料金は、たしか280円だったと思う。それからすぐに300円に上がったような記憶がある。貧乏学生にとってはこのお金もバカにならなくて、毎日銭湯に通うという贅沢はできなかった。夏は一日おきで、冬は週に2日くらいのペースで通っていたと思う。

いまは、夜に湯船に浸かり、朝はシャワーを浴びているから、一日に2回汗を流していることになるが、それに比べたらなんと少ない頻度なのだろうと改めて感じる。誤解のないように言っておくが、自分は特に風呂好きだとかきれい好きだというわけではない。むしろ、かなりズボラで不潔な人間だと思う。いや、不潔なんて書くとまた誤解されるかもしれないが、特に意識して清潔にしようとしているわけではないということだ。

では、なぜ一日に2回も風呂に入るのかというと、単純に寝ぐせがひどいというだけの理由だ。夜に湯船に浸かってそのまま寝るのだが、朝起きると見事なまでに寝ぐせがついている。自分はロン毛にしているので、この寝ぐせを直すのはけっこう難しい。面倒だから、シャワーを浴びて髪を洗おうということになるわけだ。この習慣は、もう20年くらい続いている。

そんな感じで、特にきれい好きというわけでもないから、学生時代は1日や2日くらい風呂に入らなくてもそれほど気にならなかった。当時は若かったから、それほど体臭がキツくなることもなかったのだろう。加齢臭が気になるお年頃のいまとなっては、一日でも風呂に入らないなんて考えられないから、やっぱり若いということはそれだけですごいことなんだと感じる。

銭湯には、昔ながらの大きな体重計があって(こんな感じ)、湯上りにいつも体重を量っていた。銭湯に行くのはたいてい夕食後だったが、いつ量っても体重計の針が58.5キロを指すので、この体重が自分のベスト体重なのだと思うようになった。いまでも毎朝体重計に乗っているのだが、今朝はたまたま58.5キロだった。だからどうだということでもないのだが。

この銭湯には少しだけ怖い思い出がある。いまはどうなのかわからないが、当時の銭湯というのはけっこう混んでいて、夜の8時から9時あたりがピークの時間帯だった。この時間に銭湯に行くと洗い場がいっぱいで、空くまで待つようなこともよくあった。その日も銭湯は混んでいて、一つだけ空いている洗い場に座って身体を洗い始めた。

ほどなく、自分の両脇にいた人たちが次々に立ち上がり、一瞬だけ貸切状態になった。しかし、すぐにその両脇の席に人が座り、自分の頭越しに会話が始まった。そのとき自分は頭を洗っていたので顔を上げることはできなかったのだが、その会話の様子がどうもおかしい。オヤジがどうだの、アニキがどうだのという会話なのだ。なるほど、家族思いの人たちなんだなあ、なんて思うわけがない。

この二人は、父や兄という普通の家族のことを話しているわけではなく、どうやらその筋の人たちらしい。恐る恐る横を見てみると、背中に見事な彫り物が入った人が体を洗っているではないか。ついでにもう一人の方を確認すると、やっぱり同じように背中に見事な彫り物が入っている。つまり、その筋の人たちに挟まれた形になっているわけだ。

これはものすごくまずい状況なのではないかと感じた自分は、泡やお湯が両脇に飛んだりしないように、とにかく細心の注意を払ってシャンプーの泡を流した。流し終わると、そのまま静かに立ち上ってそそくさと湯船に向ったのは言うまでもない。まさか、泡やお湯がかかったくらいですごまれることもないだろうが、怖いものは怖い。

風呂上りには、ガラス瓶のフルーツ牛乳を飲むのが楽しみだった。たしか、1本80円くらいだったと思う。300円ほどの銭湯代を惜しんでいるような状態だったから、1本80円のフルーツ牛乳はかなりの贅沢で、いつも飲めていたわけではないが、たまに飲むのがまた美味かった。牛乳というのは、あのガラス瓶に入っているから美味いのであって、紙パック入りの牛乳なんて美味くもなんともない。

ということで、今回は銭湯の思い出ばかりになってしまった。銭湯以外にも、もっと書きたいことがあったのだが、それはまた次回ということで、さらにこのネタを引っ張ってみよう。風呂の思い出というネタだけでどこまで引っ張れるものか、チャンレンジしてみたい。読む方としてはもう飽きたかもしれないが、もう少しだけお付き合いのほどを。



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