13/12/08

おでんのネタを食べる順序について考えてみる


特定秘密保護法案が成立したらしい。マスコミの論調としては、危険な法案だとか拙速すぎるとか強引すぎるとか、つまりは非難の嵐なわけだけれど、自分としてはかなりどうでもいい問題だったりする。結局のところ、秘密を守りたい役人や政治家と、秘密にされては困るマスコミとが、自分の都合だけで言い合っているにすぎないからだ。

テレビを見ると、こんなやり方では国民だって納得しませんよ、なんてしたり顔で話している評論家気取りもいるけれど、大方の国民は自分と同じように無関心だろうから、そんな心配は無用だ。自分たちのような庶民が普通に生活していく上で、お上に秘密にされて困るような情報などあるはずがない。あったところで、自分たちのような庶民にどうこうできるわけもない。騒ぐだけムダというものだ。

さて、そんなくだらない議論に巻き込まれないように、今回はおでんについて考えてみたい。最初に断っておくが、自分はおでんはそれほど好きではない。だったらなぜおでんについて書くのかというと、単純に話のネタがないというだけのことだ。おでんならばいろいろなネタがあるから、話のネタにも困らないだろうと考えたわけだ。

シャレがきれいにきまったところで、本題に入っていこう。おでんといえば、まずは屋台を連想する人が多いだろう。自分も、何度か屋台のおでんを食べたことがあるが、あまり美味しいとは思わない。なんだか落ち着かないし、背中が吹きさらしで寒いこともあって、あまりいい印象がない。それに、屋台のおでんには熱燗というイメージもあるから、日本酒が飲めない自分にとっては、積極的に行きたい場所ではない。

だから、屋台のおでんに誘われたことは何回かあるけれど、自分からおでんを食べに行こうと誘ったことは一度もない。自分にとって、おでんというのは屋台で食べるものではなく、自分の部屋で食べるものというイメージが強い。独身の頃は、スーパーなどで売られているレトルトパック入りのおでんをときどき食べていた。大して美味くもないが、とにかく手軽なのがいい。

こうしたパック入りのおでんの中身としては、大根、たまご、こんにゃく、昆布巻き、ゴボウ巻き、ちくわ、さつま揚げ、といったところが一般的だろう。これらのネタをどういう順序で食べるかというのが、非常に重要な問題になってくる。つまり、好きなネタから食べるのか、嫌いなネタから食べるのかという問題だ。

自分は、好きなものを最後に残しておくタイプの人間だ。その理由としては、最後に美味しいものを食べた方が満足感があるからだ。最初に一番好きなものを食べてしまったのでは、いきなり食べる楽しみがなくなってしまうから、それは悲しいことだと思うわけだ。最初に嫌いなものから食べていけば、徐々に好物だけが残っていくことになるから、最後まで楽しく食事ができる。

それに対して、最初に好きなものから食べる人の理屈というのは、満腹になってから食べるよりも、空腹のうちに食べた方がより美味しく食べられるから、ということらしい。満腹になってから食べても、もったいないだけだというわけだ。たしかに一理あるけれど、貧乏くさい自分としては、やっぱり楽しみは最後まで取っておきたいと思ってしまう。

最初に好きなものから食べる派の意見として、いまこの瞬間に大地震が起きて死んでしまう可能性もあるわけだから、最初に美味しいものを食べた方がいい、という意見の人もいた。そのときは、そんなことあるわけないだろ、と突っ込んでおいたのだが、なかなか面白い考え方だと思った。ただ、面白いけれど、やっぱりマネする気にはなれない。

ということで、自分の場合は嫌いなネタから先に片付けていくことになるわけだが、大根、たまご、こんにゃく、昆布巻き、ゴボウ巻き、ちくわ、さつま揚げ、というネタが入ったおでんパックを食べる場合、最初に食べるのは、ちくわかゴボウ巻きあたりになる。こうした練り物というのは、嫌いではないけれど、特に好きということもない。なんだか華がなくて、パッとしない印象だ。

次は、さつま揚げを食べることになるだろう。ちくわやゴボウ巻きと同じ練り物ではあるけれど、なんとなく安定感のある形状で、ちくわなどよりも好ましい印象がある。だいたい、ちくわの穴はどうにかならないものか。あんなに大きな穴がある食べ物なんて、ちくわ以外にはドーナツくらいしか思い浮かばない。お前はちくわなのか、それとも穴なのかはっきりりしろと、小一時間問い詰めてみたい。

こうした練り物を片付けると、残りは好物ばかりになる。しかし、その中でもやっぱり序列はある。そのときの気分にもよるが、このあたりで昆布巻きに手が伸びることが多い。あの独特の歯ごたえが、他のネタとは一線を画していて、かなりの存在感を出している。ただし、煮込みすぎてクタクタになっている昆布巻きはいただけない。そうした昆布巻きは、ちくわよりも先に片付けることになる。

これで残りは、大根、たまご、こんにゃくということになった。このメンツならば、ここで大根を食べておきたい。やっぱり、ダシのしみた大根というのは美味い。しかし、あまり煮込みすぎてホロホロと崩れてしまう大根というのは、あまり好きではない。ちゃんとダシがしみていながら、しっかりとした歯ごたえも残っている大根がベストだ。ホロホロ大根の場合、ちくわの後に片付けることになる。

さて、たまごとこんにゃくのどちらを最後に残すかということになるが、ここではこんにゃくを食べることになるだろう。心情的にはこんにゃくを最後に残しておきたいのだが、たまごを先に食べてしまうと、たまごの黄身でおでんのツユが濁ってしまうという由々しき問題が発生するからだ。自分はツユが濁るのが大嫌いで、立ち食いソバでもかけそばしか食べないくらいだ。

こんにゃくなんて、ほとんどダシはしみないし、それ自体に味が付いているわけでもないのに、なぜか強く惹かれてしまう。きっと、あの独特の歯ごたえに惹かれているのだろう。こうして書いてみると、自分は歯応えのしっかりとしたネタが好きだということに気付いた。なるほど、そういうことだったのか。今度おでんを食べるときに、そのあたりのことを改めて確認してみたい。



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