13/11/17

存在感の薄い11月


気付いてみれば、もう11月だ。毎年50本弱の覚書を書いているわけだけれど、年の初めに書く覚書のファイル名を「01」として順に通し番号を付けている。今年は若干更新をサボリ気味だったので、年間の覚書の数としては45本くらいになると思うが、この通し番号の数字が50に近づくにつれ、今年も押し迫ってきたなということを実感する。

以前から感じていたことだが、11月というのは一年のうちで最も存在感の薄い月だと思う。なんだか、とても中途半端な印象なのだ。たとえば、いままでで印象深かった出来事をいくつか思い出してみると、他の月に比べて11月の思い出というのは比較的少ないのではないだろうか。11月の思い出って何があったかなと考えてみても、なかなか思い浮かばないのではないだろうか。

1月は、言うまでもなく1年で最初の月だから、最も存在感のある月だと言えるだろう。初日の出を拝みながら、今年こそは気持ちを新たに頑張っていこうと誓ったりしても、いきなり昼間から酒を飲んでグダグダな感じになり、さっきの誓いもどこへやら、まあ今年も適当な感じでいきますか、みたいな展開になるのが正しい1月の過ごし方だ。

最も存在感の強い1月の後にくる2月は、1月との比較で存在感が薄くなりがちだか、実はそんなこともない。自分の場合、誕生月だということもあるけれど、1か月がわずか28日しかないという事実が、逆に2月の存在感を高めている。こういう特異な月はほかにはないから、2月というのはかなりの存在感を持っている。ある意味では、1月よりも存在感が強いくらいだ。

3月は、これからやって来る春の足音が聞こえてくる月だから、かなり明るいイメージがある。実際にはまだまだ寒い日が多く、雪が降ったりすることもあるけれど、どんどんと日が延びていくのがわかるから、気分的にも明るくなっていく。楽しいイベントや旅行というのは、実は計画段階が一番楽しかったりするけれど、それと同じような感覚が3月にはある。

4月は、言うまでもなく桜の季節だ。最近は温暖化のせいで、3月中に桜が満開になることも少なくないけれど、やっぱり4月には華やかなイメージがある。入学式や入社式も4月に行われるから、新しいスタートを切るという月というイメージもあって、一年のうちで一番前向きな存在感を持つ月だと言えるかもしれない。

5月は光あふれる季節で、個人的には一年のうちで一番好きな月だ。ゴールデンウィークもあるから、絶好の行楽シーズンというイメージがあって、5月が嫌いだという人はほとんどいないだろう。自分は、桜が咲いて梅雨入りするまでの時季を「天国に一番近い季節」と勝手に呼んでいるけれど、5月はその中でも主役になる月だ。

6月から9月までは、ひとまとめにしてもいいだろう。梅雨入りしてから彼岸が過ぎるまで、とにかく蒸し暑い日々が続く。夏というのは、良くも悪くも存在感のある季節で、暑いのが大好きという人もいれば、暑いのは大の苦手という人もいるけれど、好きでも嫌いでもないという人はまずいないだろう。つまりは、それだけ存在感の強い季節だということだ。

10月になると、ようやく涼しくなってきて、さわやかな日が増えてくる。最近では温暖化のせいで、10月に入ってからも真夏日になったりすることがあるけれど、やっぱり10月というのはさわやかな秋を代表する月というイメージがある。個人的には、これから冬に向うという意味で、秋はそれほど好きな季節ではないけれど、秋が一番好きだという人は少なくない。

12月は、言うまでもなく一年で一番街が華やかになる月だ。最近では、夜にライトアップが行われる場所も増えてきて、街の景色が本当に華やかになったと感じる。クリスマスと正月という、一年で最も大きなイベントが立て続けに控えているから、気分もなんとなくウキウキする。本格的に寒くなってくるけれど、嫌いな月ではない。

ということで、最後は問題の11月だ。とりあえず、紅葉の季節ではあるけれど、結局は葉っぱが枯れて落ちていくだけのことだから、桜とは違ってなんとも寂しい感じがしてしまう。まだそれほど寒いわけでもないし、そうかと思うと木枯らしが吹いたりして一気に寒くなったりすることもあって、なんともとらえどころのない感じがしてしまう。

そんな感じで、なんとも中途半端で存在感の薄い11月ではあるけれど、ちょっとだけカッコいいイメージもある。それは、小学生のときに授業で習った「西向く士(サムライ)」という語呂だ。これは小の月を覚えるための語呂で、「西向く」で「2、4、6、9」を表し、「士(サムライ)」を「十」と「一」に分解して「11」を表しているわけだ。

「士」を「サムライ」と読むことをこのときに初めて知り、それ以来、11月というと侍をイメージするようになった。なんだか、木枯らしの中をさっそうと歩く侍の姿が浮かんできて、ちょっとだけカッコいい。まあ、前向きなイメージとしてはそれくらいで、11月というのはどこをどう取っても、マイナーで存在感の薄い月だと思えてしまう。



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