13/09/16

自転車で佐渡を一周するのは意外に大変らしい


先週は、少し遅めの夏休みを取って田舎に帰省した。今年の夏は、佐渡も異常気象に見舞われているらしく、雨ばかり降っているらしい。帰省した日も、港に着くとパラパラ雨が降っていて、なんとも憂鬱な空模様だ。迎えに来てくれた兄貴によると、ここ一週間ほど、雨が降らなかった日はないらしい。それを聞いて、また憂鬱になる。

次の日も、やっぱり朝から雨が降っていた。実家に帰省して雨に降られると、やることがなくて退屈する。ネットに繋いでヒマつぶしをするわけにもいかないから、結局は見たくもないテレビを見てダラダラと過ごすことになる。ちょうどこの日は、東京オリンピックの招致が決まって、どのチャンネルでも同じようにバカ騒ぎをしていたから、よけいに辟易する。

しかし、天気予報によると、次の日は久しぶりに晴れるということなので、実家に置きっ放しにしてある愛車のフェルト君を引っ張り出してきて、次の日のロングライドのための準備をした。去年、一昨年と、フェルト君で佐渡を一周しているので、今年も佐渡を一周するつもりなのだ。一年ぶりに対面したフェルト君は、あちこちにクモの巣が張っていて、なんだか可哀そうな感じだ。

翌日は早起きして、ようやく空が明るくなり始めたころに出発した。自分の実家があるところは盆地状の地形になっているため、どこに出かけるにしろ、必ず一山越えなくてはならない。つまり、いきなり上り坂からロングライドが始まるということだ。平均勾配としては6〜7パーセントくらいだと思うが、まだ体が温まっていないうちからいきなりの上り坂というのはキツい。

ロングライドの場合、とにかく後半に脚を残しておくということが重要になってくる。調子に乗って最初から飛ばしすぎると、すぐに脚が売り切れて、後半はヘロヘロな状態になってしまう。ヘロヘロになるだけならいいけれど、まったく脚が回らなくなったり、膝に痛みが出たりすることもある。こうなると、ロングライドを続行すること自体が不可能になるから、注意が必要だ。

それで何度も痛い目に遭っている自分としては、「踏みすぎるなよ、脚を残しておけよ」と自分に言い聞かせながら、ゆるゆるとしたペースで坂を上っていく。海岸線に出てからは、何も考えずにひたすら時計回りに走るだけだ。しかし、佐渡の海岸線は適度なアップダウンがあるため、なかなか脚を休ませるポイントがない。

実家からスタートして時計回りに海岸線を走るというこのコースの場合、コース前半に急な坂が集中することになる。だから、前半さえうまく乗り切れば、アップダウンが比較的緩やかになる後半は問題なく走ることができる。要は、いかに脚を残しつつ、難所が続く前半を無難に走るかが、重要なポイントになってくる。

それは十分にわかっていたのだが、50キロも走らないうちに、ヒザに痛みが出てきた。それに、なんだか脚が重く感じる。よく考えればそれも当たり前の話で、ロードバイクに乗るのは、約3か月ぶりのことなのだ。今年は梅雨入りが早く、梅雨明けと同時に猛烈な暑さになったから、夏の間はほとんどロードバイクに乗っていなかったのだ。

つまり、ぶっつけ本番の状態で200キロオーバーのロングライドに挑んでいるわけだ。自分でも、走り始める前から、もしかしたらヤバいかもしれないとは思っていた。しかし、去年も一昨年も、ほとんど同じような状態で走って、かなり時間はかかったけれど、きっちりと完走しているから、今年も大丈夫だろうと高をくくっていた。

こまめに短い休憩を取りながら脚を回復させ、だましだまし走っていたのだが、ヒザの痛みは一向に回復しない。それどころか、ますますひどくなってくるのがわかる。右ヒザに痛みが出ているので、上り坂では右ヒザをかばいながら走ることになるわけだが、そうすると左ヒザに負担がかかってしまい、左ヒザにも痛みが出てきた。

まだ全行程の半分も来ていないのに、早くもヘロヘロな状態になってきた。なるべく脚を使わないように意識してきたつもりだったが、そもそも最初から使える脚なんてなかったということだ。ペースもがくんと落ち、このままではゴールが何時になるのかさえわからない。リタイヤという言葉が頭の中に浮かんできた。

しかし、リタイヤするほど悔しいことはない。別に、だれと競争しているわけでもなく、だれと約束したわけでもないから、リタイヤするかどうかは完全に自分の自由だ。でも、途中であきらめてしまうというのは、やっぱり悔しい。それに、今日は空気も乾いて風も穏やかという絶好のコンディションだ。こんなにいい条件でリタイヤするなんて、情けなさすぎる。

急な坂道はバイクから降りて歩いてもいいから、とにかく完走だけはしようと自分に言い聞かせながら、だましだまし走っていたのだが、ついにヒザが悲鳴を上げた。緩い上り坂で少し力を入れただけで、ヒザに鋭い痛みが走るようになってきた。さすがにこの状態で、これ以上走り続けるのは無理だと判断し、リタイヤを決意した。

適当なベンチを見つけて腰掛け、母親に作ってもらったおにぎりを食べ、その後はベンチに横になってしばらく眠った。起きて脚を動かしてみると、なんとか走れそうなくらいには回復していたので、ゆるゆるとペダルを回し、ショートカットして家に帰った。ものすごく悔しいリタイヤだったが、結局は準備不足ということだ。

これまでのロングライドの最長記録は、房総半島を一周したときの300キロという記録だが、実際に走ってみた感覚としては、房総半島一周よりも佐渡一周の方が難易度は高い。佐渡一周は210キロだから、単純に距離だけで比較した場合、房総半島一周の方が大変そうだけれど、房総半島はアップダウンがほとんどないから楽勝だ。結論としては、佐渡一周をナメたらイカンということだ。



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