13/08/25

吉野家と松屋を比較しながら牛丼について熱く語ってみる


いちいち言いたくはないけれど、とにかく暑い。朝のうちはまだ涼しいはずなのに、駅までゆっくりと歩くだけで、ホームに立ったときにはもう汗だくになっている。気温が高いだけなら対応のしようもあるけれど、ここまで湿度が高いと、もうどうしようもない。いっそ殺してくださいとお願いしたくなるくらい、今年の夏は体に堪える暑さが続いている。

そんな前フリとはまったく関係なく、今回は牛丼について書いてみたい。最近は暑さのせいでまったくいいネタが浮かばず、苦し紛れに食べ物をテーマにしたくだらない覚書を書いてお茶を濁しているわけだけれど、今回の覚書もやっぱりそんな感じになってしまいそうだ。暑さが収まるまでの間は、こんな感じでダラダラ行こうと考えている。

さて、自分の田舎は佐渡だけれど、佐渡では牛丼という食べ物はかなりマイナーだ。というか、佐渡で牛丼を食べた記憶がない。佐渡で丼物といえばカツ丼で、高校生の頃はカツ丼をよく食べていた。カツ丼といっても二種類あって、揚げたカツをそのままご飯に乗せてタレをかけたものと、揚げたカツを卵でとじたものとがある。

前者はいわゆる「ソースカツ丼」というヤツで、さっくりと揚がったカツをホカホカのご飯の上に乗せてタレをかけたものだ。対する後者は、そば屋などでよく見かけるオーソドックスなカツ丼で、卵でとじたカツの上にグリーンピースが乗っていたりする。佐渡では、このタイプのカツ丼のことを「煮込みカツ丼」と呼んでいた。関東では、この卵とじカツ丼の方がポピュラーだと思うが、佐渡ではソースカツ丼との勢力が拮抗していたように思う。

さて、カツ丼のことはともかく、自分が初めて牛丼を食べたのは、大学1年のときだった。田無に住んでいる友人のアパートに泊めてもらった翌日、田無駅前の松屋で食べたのが自分にとっての牛丼デビューだった。そのときは、特に美味いともまずいとも思わなかったが、手軽に安く食べられて便利だなと思った。

それからは、吉野家で牛丼を食べることが多くなった。当時は、牛丼と言えば吉野家というくらいの寡占状態で、松屋などのチェーン店はまだまだ店舗数が少なかったから、牛丼を食べようと思ったら吉野家に行くのが当たり前だった。そのおかげで、現在でも牛丼と言えば吉野家か松屋で、その他のチェーン店で食べることはほとんどない。ということで、吉野家と松屋を比較しながら、牛丼について語ってみたい。

まずは味についてだが、吉野家の方が松屋よりも美味い。松屋の牛丼は肉が若干固いように感じるが、吉野家の肉は柔らかくて食べやすい。味付けも、松屋の牛丼は少し濃いような気がするが、吉野家の牛丼は全体的にバランスが取れていて美味い。他の要素をすべて取っ払って牛丼単体で比較した場合、軍配は文句なく吉野家の牛丼にあがる。

しかし、牛丼とはいえなかなか奥が深くて、そのほかにもいろいろな要素が絡んでくる。まずは味噌汁についてだが、吉野家は50円で別売りになっているのに対して、松屋は無料で味噌汁がついてくる。これは牛丼だけでなく、カレーや他の定食にもすべて味噌汁が無料でついてくる。単純に考えた場合、松屋の牛丼は吉野家の牛丼に比べて50円分お得だということになる。

まあ、味噌汁が無料でついてくるのは嬉しいといえば嬉しいけれど、それだけのために松屋に行く価値があるかと考えると、そこまで重要な要素でもないと感じる。まずくはないけれど、それほど美味い味噌汁でもないから、自分としてはそれほど重視していない。ただ、以前の松屋の味噌汁はひどかったから、それにくらべればだいぶマシになったとは思う。

次は、紅ショウガだ。牛丼を食べるときの紅ショウガというのは、自分にとってかなり重要なポイントだ。吉野家の紅ショウガは歯応えがあって美味いが、松屋の紅ショウガはちょっとヘナヘナした感じで、食感的に吉野家よりも落ちる。また、吉野家の紅ショウガは漬け汁がきれいに切られているのがいい。容器の底にはそれなりに漬け汁がたまっているのだが、常に紅ショウガが補充されているから、そういう状態に遭遇することはあまりない。

対する松屋の場合、最初から漬け汁がかなり多い状態で出されるのがよくない。容器の底の方にいくほど漬け汁が多くなって、最後には漬け汁の中に紅ショウガが泳いでいる状態になる。吉野家の容器と比べてかなり容量が少ないので、こういう状態の紅ショウガによく遭遇する。漬け汁の中で泳ぐ紅ショウガを引き上げて牛丼に乗せると、余分な漬け汁も乗ることになるので、まったくよろしくない。

紅ショウガとくれば、七味唐辛子についても書いておく必要がある。これは、圧倒的に松屋の勝ちだ。というか、松屋の七味が特別に美味いというわけではなく、吉野家の七味がまったく辛くないというだけのことだ。辛党の自分としては、この点が以前からずっと不満だった。いくらかけても、まったく辛さを感じない。何か理由があってのことだと思うが、できれば辛い七味も置いてほしい。

牛丼のサイドメニューとしてお新香を注文することがよくあるが、これは圧倒的に吉野家の方が美味い。そもそも、松屋でお新香を食べたことは1回か2回くらいしかない。松屋のお新香を食べた瞬間に、これはわざわざ金を払って食べるほどのものじゃないと感じた。その点、吉野家のお新香は美味くて、3回に2回くらいの割合で注文してしまう。

最後に、支払のシステムについて比較してみたい。松屋は食券制で、吉野家は直接店員に支払うシステムだ。自分としては、食券制の方がありがたい。混雑しているときなど、なかなか支払を済ませることができなくてイライラすることがあるが、食券制ならそんなことはない。しかし、これには吉野家一流のこだわりがあって、客から直接お金を受け取ることにより、確実に「ありがとうございました」と挨拶できるからというのがその理由らしい。

ということで、味、味噌汁の有無、紅ショウガ、七味唐辛子、お新香、支払のシステムという6つの要素を比較してみたが、結果は3対3のイーブンになった。この数字だけを見ると、吉野家と松屋はいい勝負をしているように見えるが、自分の中では牛丼といえばやっぱり吉野家だ。たまに松屋に行くこともあるけれど、結局は吉野家の牛丼に落ち着く。かつての王者も最近は苦戦しているようだが、自分はずっと吉野家を応援していくつもりだ。



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