12/11/25

コストコを探検してみた

今場所もやっぱり、キセノンこと稀勢の里は優勝できなかった。大関に昇進してちょうど1年になるが、この1年で1回くらいは優勝してくれるだろうと期待していたのに、結局はダメだった。何と言っても、夏場所での千載一遇のチャンスを逃したのが痛すぎる。あそこで優勝しなくていつするんだというくらいのチャンスだったのに。

そうは言っても、以前に比べればかなり強くなっているとは思う。単純に成績だけで見た場合、現在の大関陣の中では一番安定している。三役と平幕を行ったり来たりしていたときに比べれば、格段に強くなっていると言ってもいいと思う。しかし、それでも横綱との間にはまだまだ高い壁がそびえている。

キセノンと白鵬との一番の大きな差は、その身体能力だ。白鵬なんて運動神経の塊みたいな感じで、子供の頃からただのデブだったキセノンとは元々の身体能力が違うのだと思う。いまはどちらも同じデブにしか見えないけれど、動けるデブと動けないデブとの差はとてつもなく大きい。この先キセノンが横綱に昇進することはおそらくないだろうと、今場所の取組を見ながら思った。

さて、今回はコストコについて書いてみたい。幕張の海岸線を丸ちゃん号でポタリングしているときに、コストコを見かけたので、ちょっとだけ探検してみることにした。なんだか最近「コストコ」という言葉を見たり聞いたりすることが増えているような気がするので、少しだけ気になっていた。なんでも、アメリカから上陸してきた外資系の大型スーパーみたいなものらしい。

早速店内に入ってみると、中は店というよりも大きな倉庫という感じで、普通に想像するようなスーパーとはかなり雰囲気が違う。店舗は2階建てになっていて、1階が食品のフロア、2階が日用雑貨のフロアになっている。まずは食品フロアから攻めてみるかと思うのだが、柵で仕切られていて、いきなり1階へは行けないような作りになっている。

しかたがないので、そのままエスカレーターに乗って2階に上がる。この強引な誘導で、なんだか早くもイラッとしてしまった。2階に上がると、正面に大きなカウンターがあって、会員証を発行しているようだ。しばらく様子を見ていると、どうやらこの店では会員登録をしないと買い物ができないシステムになっているらしい。

一瞬、生協の出資金みたいなものかなと思ったが、どうやらそれとは違うらしい。なにしろ、会員になるだけで、年会費として4,200円も必要なのだ。さすがにこれには驚いた。レンタルショップの会員になるのとはわけが違うようだ。この時点で、自分がコストコで買い物をすることは一生ないだろうと確信したのだが、せっかくなのでひととおり店内を探検することにした。

店内の品揃えを見てまず驚くのが、その圧倒的な量だ。いや、決して品揃えが豊富ということではなく、むしろ品数自体は普通のスーパーよりも貧弱かもしれないが、ひとつひとつの品物の数が多いということだ。トイレットペーパーは30ロール入りだし、乾電池は1パックに50本くらい入っているし、T字カミソリは5本まとめて売られているしで、いちいち多い。

ここでようやく、コストコというのは普通のスーパーではなくて、むしろ問屋に近い業態なんだということに気付いた。そもそも、「コストコホールセール」というのが正式な名称らしいから、つまりはそういうことなんだろう。そうであれば、なにもかもが業務用かと思うような、この大量販売も理解できる。

しかし、イマイチ理解できないのが、訪れている客層のほとんどが、普通の家族連れだということだ。もちろん、業者の人もいるのだろうが、ぱっと見ただけでは、ほとんどが普通の家族連れという感じだ。余計なお世話かもしれないが、よほどの大家族ならともかく、普通の家庭で乾電池50本なんて使い切れるんだろうか。

しかも、肝心の価格にしたところで、それほど安いということもない。30ロール入りのトイレットペーパーの1ロール当たりの単価を計算して、いつも買い物に行くホームセンターのそれと頭の中で比較するのだが、コストコの方が高い。これはトイレットペーパーに限ったことではなく、ほかの品物についてもだいたい同じような感じだった。

特に安くもないし、それほど品揃えが豊富とも思えないのに、なぜこんなに人気があるのだろうと考えながら食品フロアに下りていくと、生鮮食品のコーナーはかなりの人だかりができていた。なるほど、コストコの魅力は食品フロアにあるのかと思いながら、その人だかりの中に突入していく。

食品フロアも、やっぱり同じように圧倒的な大量販売で、5キロ入りの玉ねぎがあったり、肉のブロックがキロ単位で売られていたり、数えきれないくらいのパンが袋詰めされていたりと、見て回るだけでもうお腹一杯になりそうなボリュームだ。普通の家庭で、これだけの量を買う必要があるのだろうか。玉ねぎ5キロなんて買った日には、使い切れずに腐ってしまうのではないか。

生鮮食品だけでなく、ほかの品物もすごい。醤油は一升瓶のサイズで売られているし、マヨネーズは1キロサイズのチューブに入っているし、ポテトチップスは500グラムくらいの超ビッグサイズだ。しかも、すれちがうカートをそれとなく覗いてみると、どのカートにも、こうした品物が当たり前のように入っているのだ。

あまりのビッグサイズにげんなりしながら店を出て、丸ちゃん号のペダルを踏みながら、なぜコストコが流行しているのかについていろいろと考えてみた。この業態がアメリカで成功していることについては、何も疑問はない。大型店で一度に大量にまとめ買いをするのが当たり前のアメリカ人にとって、こうした店は必要不可欠だろう。

しかし、日本の場合、都市部であればどこにでもスーパーはあるから、大量にまとめ買いする必要はない。むしろ、安いものを大量にまとめ買いするよりも、毎日必要なものを必要なだけ買うというのが、結局は一番無駄のない買い物のスタイルだ。つまり、コストコの業態は、こうした日本人の買い物習慣とはまったく相容れないものということになる。

それなのに、コストコが日本で受け入れられているのはなぜか。いろいろと考えたのだが、よくわからない。一過性のブームに過ぎないのかもしれないし、実は品質が高いのかもしれない。自分として一番納得できる理由は、コストコでちょっとしたレジャー気分を味わうことができるから、ということだ。

一部の人にとって、コストコでの買い物は、従来のスーパーやホームセンターやディスカウントショップでの買い物とは違う楽しさがあるのだと思う。従来のスタイルの買い物は、日常の家事の一部にすぎないけれど、コストでの買い物は、家事から完全に離れて、ちょっとしたレジャーとして楽しんでいる人が多いのではないだろうか。

的外れな推測かもしれないが、きっとこうした要素はあると思う。思い切り簡単に言うと、新鮮なのだ。だから、その新鮮さが薄れてくると、コストコの勢いも止まってくるような気がする。どう考えても、コストコの業態が日本人の買い物習慣に合ったものだとは思えない。この勢いがどこまで続くのか、それとなく気にしながら見守りたい。




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