12/11/18

通信教材の思い出

先週の三井住友VISA太平洋マスターズで、石川遼が2年ぶりの優勝を果たした。本人も優勝インタビューで、これまでの時期は苦しかったと言っていたけれど、ファンとしても、遼くんはいったいどうしたんだろうと気をもんでいた。だから、久しぶりに最終日に単独トップに立ったというニュースを見たときには「ようやくきたか」と思った。

その日はたまたま留守番をしなければならない用事があって、ずっと家にいた。そろそろかなと思ってテレビを点けてみると、遼くんが3打差をつけて単独トップに立っていたので、もう優勝は間違いないと思い、安心して大相撲中継にチャンネルを替えた。しかし、しばらくしてゴルフ中継に戻ってみると、1打差にまで追いつかれているではないか。

そこからはもうハラハラしながらテレビ画面を見つめていた。最終ホールのパー5のセカンドで、ピンをデッドに狙った池越えのショットにはしびれた。1打差を守り切るという考えならば、安全に刻んで3オンを狙うという作戦もあっただろう。それでバーディーが取れなくても、まだプレーオフが残っている。しかし、そんな安全策など一切考えず、強気にピンを狙っていくところが石川遼の魅力なのだ。

さて、石川遼といえば、やっぱり「スピードラーニング」だ。もしかしたら知らない人もいるかもしれないので、一応説明しておくと、「スピードラーニング」という英会話の通信教材のテレビCMに石川遼が出演しているのだ。地デジでは放送されていないと思うが、BSを見ているとちょくちょくこのCMが流れてくる。

この教材は実際に遼くんも使っているらしく、「この教材のおかげで、海外の選手たちともスムーズにコミュニケーションが取れるようになりますた」みたいなことを言っている。実際に外人さんと英語で会話しているシーンもちょこっと流されていて、見る人が見たら、「大した英語じゃないな」と思うのかもしれないが、自分みたいな英会話のド素人からすると、「遼くんってステキ」と思ってしまう。

ただし、素敵なのはあくまでも遼くんであって、スピードラーニングというインチキくさい通信教材が素敵なわけではない。はっきりと「インチキくさい」と書いてしまったが、これは何の根拠もなく批判しているわけではない。自分もかなり昔に、実際にこの教材を試してみたことがあるのだ。この教材の簡単な感想についてはこのページに書いてある。

この教材の最大の売りは、「聞き流すだけでいつの間にか英語が話せるようになる」ということだ。まったく、こんなインチキくさいキャッチコピーをいったい誰が信じるだろうか。それが本当ならば、いまごろ日本には英会話の達人が溢れ返っているだろう。こんな宣伝を信じてしまう人というのは、ものすごく純粋な人か、あるいはただのバカなのか、そのどちらかだろう。

いや、すみません、なんだかんだ言って、こんなにインチキくさいキャッチコピーにコロリとだまされたのは、何を隠そうこの自分です。なんともお恥ずかしい。

実はこのほかにも、「イングリッシュアドベンチャー」という通信教材を試してみたことがある。いまはどうなのかわからないけれど、当時はいろんな雑誌に広告が載っていて、「この教材のおかげで、英語の試験で満点を取ることができますた!」みたいな、いかにもそそられる使用者の声があふれていた。恥ずかしながら、この広告にもコロリとだまされてしまった。

さらに、某大手翻訳会社の通信講座を受講したこともある。これは、上に書いたような誇大広告気味の怪しい教材ではなかったけれど、送られてきた課題を一度も提出することなく、毎月送られてくる教材を部屋の隅に無駄に積み重ね、それと比例するように自己嫌悪を積み重ねながら、けっこうな金額をドブに捨ててしまった記憶がある。

さらにさらには、当時勤めていた会社の制度を利用して、簿記の通信講座を受講したこともある。通信講座を最後まで受講すれば、受講料の半額を会社が負担してくれ、逆に途中で挫折してしまった場合は、受講料を全額負担するというシステムだったと思う。この講座も、結局は一度も課題を提出することなく、かなりの金額をドブに捨てることになってしまった。

こうして書いてみると、自分はこれまでの人生において、一度も通信講座をやり遂げたことがないことに改めて気付いた。まあ、自分でも薄々気付いてはいたけれど、なんてダメな人間なんだろう。結局のところ、一番長く続いたのはスピードラーニングだったと思う。なんだかんだ言いながら、3か月くらいは続けたような気がする。

とりあえず言い訳をさせてもらうと、自分には通信講座は向いていないのだと思う。勉強というものは、いろいろと試行錯誤を重ねて自分に合った方法を見つけてこそ身に付くものだというのが自分の持論で、万人向けに準備された教材を使ったところで、大した効果なんてない。そんな教材を使って、楽をして効果を挙げようとするなんて、虫が良すぎる。

いや、すみません、なんだかんだ言って、楽をして効果を挙げようとしたのは、何を隠そうこの自分です。なんともお恥ずかしい。

結局、自分みたいな短絡的な人間が、怪しげな詐欺なんかに引っ掛かってしまうんだろうなあと思う。自分には通信講座なんて向いていないとわかっていながら、もしかしたら今度の教材は本物かもしれないと思い、凝りもせずにまた買ってしまう。こんなバカな人間がいる限り、世の中から怪しい通信教材がなくなることはないだろう。なにはともあれ、反省しよっと。




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