12/08/11

愛しのピーマン

オリンピックの陰に隠れてあまり話題になっていないが、ついに野田さんが解散総選挙を決意したらしい。「政治生命をかけてでも、消費税法案を通す」なんていうのは口だけで、いざとなったらまたグダグダになるんだろうと予想していたから、この展開には少なからず驚いた。それと同時に、「意外にやるじゃないか」と、野田さんをかなり見直した。

このタイミングで総選挙をすれば、民主党は間違いなく惨敗するだろう。野田さんだって当然そのあたりのことはわかっていながら、それでもあえて総選挙に踏み切るということは、「政治生命をかける」という言葉に嘘はなかったということだ。偉いじゃないか。長ったらしい名前の新党を作って逃げ出した小沢さんなんかよりずっと偉い。

さて、そんな前フリとはまったく関係なく、今回はピーマンについて書いてみたい。いまでこそ、ピーマンは一年中食べられる野菜になったけれど、やっぱりピーマンの旬は夏だ。夏野菜といえば、ピーマンのほかにもナスやキュウリやトマトなどがあるが、自分はダントツでピーマンが好きだ。愛しているといってもいい。

スーパーや八百屋さんで買い物をするときに、きれいなピーマンがいっぱい入った袋が安い値段で売られていたりすると、もうその前を素通りすることはできない。相方に頼まれた買い物リストにはピーマンなんてまったく書かれていないのに、つい買い物かごに入れてしまう。ネギ好きの自分としては、ネギにもかなり強い吸引力を感じるが、ピーマンほどではない。

そうは言っても、子供の頃からピーマンが好きだというわけではなかった。むしろ、あまり好きではなかったと思う。実家では、夏になると畑で大量の夏野菜が採れるので、ピーマンやキュウリやナスやトマトが食卓の主役だった。ピーマン料理としては「南蛮みそ」というのが我が家の定番で、これは、縦に2つに切ったピーマンの中に味噌を入れて焼くだけというシンプルな料理だ。

味噌といっても、水分が多くて粒の大きな田舎味噌だから、練り味噌とは違って、焼くとちょうどいい具合になる。この焼き味噌をご飯の上に乗せて食べるわけだが、これがなんとも美味かった。しかし、中の味噌を食べた後の肝心のピーマンはいつも残していた。食感がダメだったのか、あるいは味自体が苦手だったのか、そのあたりはよく覚えていないのだけれど、とにかくあまり好きではなかった。

そのほかにも、ナスとピーマンを細切りにして油で炒めた料理もよく食べたが、これはそれほど苦手ということもなく、かといってそれほど好物というわけでもなく、普通に食べていた。つまり、ピーマンの形そのままにドーンと出されるのが苦手だったということだろう。なんだかその形に圧倒されてしまって、食べる気になれなかったということだと思う。

そんな感じで、子供の頃はピーマンはそれほど好きではなかったが、いつの間にか大好物になってしまった。この嗜好の変化はいつごろ起こったのか定かではないが、徐々に甘いものが嫌いになっていったのと同じようなタイミングで、ピーマンのことを徐々に好きになっていったのだろうと思う。

ピーマン料理のレシピは、実はそれほどバリエーション豊かというほどでもない。もちろん、ピーマンを脇役として使えば、それはいろんな料理が考えられるけれど、自分としてはピーマンが主役の料理を食べたい。そういう意味で、ピーマンの肉詰めなどは、自分の中ではピーマン料理ではなくて肉料理として位置づけられている。

しかし、青椒肉絲の場合は微妙で、自分の料理メーターでは、肉料理よりも若干ピーマン料理の方に寄っている。それというのも、青椒肉絲を作るときにはピーマンたっぷりでね、と相方にお願いしているからだ。肉なんて申し訳程度でかまわないから、とにかくピーマンをたっぷり食べたいのだ。もう、ピーマンの海で溺れるくらいにピーマンを食べたい。

金のない学生時代には、ピーマン丼をよく食べていた。せっかくだから、そのワイルドなレシピを紹介しよう。まずは、ピーマン数個を適当な大きさに切り、油を引いたフライパンに勢いよくぶち込み、適当な調味料で適当に味付けをして、熱々のご飯の上に勢いよく盛り付ける。たったこれだけで、信じられないくらいに美味しいピーマン丼の出来上がりだ。

さすがに、いまではこんな粗末な食事を食べることはないけれど、それでもたまに食べたくなることがある。シンプルな料理だけに味付けが重要で、塩と醤油のほかに、かつおの出し汁と少量の砂糖で味付けをすると、抜群に美味くなる。そのほかに、お好みで鷹の爪を刻んで炒めると、ピリ辛風味になって、これまた美味い。

調子に乗って大量のピーマンを買ってしまったときは、ピーマンのきんぴらをよく作る。辛党の自分は、大量の鷹の爪を刻んで入れるのだが、これがご飯のおかずとしてはもちろん、酒のつまみとしてもよく合う。とにかく、ピーマン以外の材料が必要なくて、どんなに料理が下手な男子でもパパッと簡単に作れるところがいい。自分のようなピーマン好きにはもってこいの料理だ。

それから、ピーマンはカレーにもよく合う。独身の頃は、ピーマンをメインとしたカレーをよく作っていた。ジャガイモや人参を使ったカレーを作るのは面倒だけれど、レトルトのカレーもなんだか味気ない。そんなときに、冷蔵庫のピーマンやキャベツを使って、ものすごくインチキくさいカレーを作っていた。ジャガイモと違ってすぐに火が通るので、10分もあれば出来てしまうのがいい。

こんな調子で書いていくと終わらなくなりそうなので、このあたりでやめておこう。とにかく、自分は野菜の中ではピーマンがダントツで好きだということだ。自分の夏野菜ランキングとしては、ピーマン>>>>>ゴーヤ>トマト>キュウリ>ナス>>>>>カボチャ、といった感じだ。結論としては、三度の飯よりもピーマンが好きだということだ。




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