12/05/27

自転車のヘルメットの効果について考えてみる

いやあ、なんともいい季節だね。毎年この季節になると、時間が止まればいいのにといつも思う。いつまでも、この光あふれる季節が続けばいいのにと思う。毎日の通勤路で、きれいに咲いたツツジが次第にしおれていく姿を見るには、なんだか切ない。花の命は短いとはいうけれど、きれいに咲けば咲くほど、その後が切なくなる。

そんな感じだから、「天国に一番近い季節」であるこの時季を精一杯楽しもうと、今日も愛車のビアンキ君に乗って出かけるわけだ。この時季のロングライドは本当に楽しくて、ビアンキ君のペダルをクルクルと回しながら、「ああ、このまま死んでもいいなあ」と思うことがよくある。しかし、昨日は本当に危うく死にそうになった。ヘルメットを被っていてよかったとつくづく思った。

危うく死にそうになった話はおいおいするとして、今日は自転車のヘルメットについて考えてみたい。機会があればぜひ手に取って試してもらいたいのだが、自転車(特にロードバイク)のヘルメットというのは本当に軽くて、「え、ヘルメットってこんなに軽いの?」と驚くこと請け合いだ。自分も、初めてロードバイク用のヘルメットを手にしたときには、そのあまりの軽さに驚いた。

それと同時に、「こんなに軽いヘルメットで、本当に効果なんてあるのだろうか」と疑問に思った。ヘルメットといってまず連想するのが、バイクのヘルメットだ。あのいかにも頑丈そうなフルフェイスのヘルメットなら、たとえどんなに猛スピードで突っ込んで転倒して骨を何本か折ったとしても、頭だけはしっかりと守ってくれそうだ。

それに比べて、自転車のヘルメットはいかにも頼りない。ただでさえ軽くて頼りないのに、空気抵抗を減らすという理由でいたるところに穴が開いていてスカスカになっているから、余計に頼りない。それに、あの奇抜なデザインはいったいなんだろう。あんなエイリアンみたいなヘルメットを被らなければいけないなんて、何かの罰ゲームだろうか。

自分も、ロードバイクに乗り始めの頃は、あんな恥ずかしいヘルメットなんて被ってはいなかった。いや、被りたいとすら思わなかった。ピチピチジャージもかなりハードルが高いが、あのエイリアンみたいな独特なヘルメットも、ロードバイク初心者にとっては相当な抵抗がある。そんな理由で、最初のl頃はノーヘルでロードバイクに乗っていた。

そんな自分がなぜヘルメットを被るようになったのかと言えば、「周りの目が気になるから」という消極的な理由だった。自分としては、特にノーヘルでも不都合は感じていなかったし、あんなカッコ悪い(と、当時は思っていた)ヘルメットを被るくらいならローバイクなんて乗らなくてもいいや、くらいに思っていた。

しかし、ネットを見ると、「ノーヘルでロードバイクに乗ってるヤツはバカ」とか、「ノーヘルでロードバイクに乗ってるヤツは、絶対にローディーとしては認めない」とか、それはもうひどい言われようなのだ。それまでは、「ノーヘルで自分が事故に遭って死んだところで、他人に迷惑をかけるわけでもないし」と思っていたのだが、世の中のローディーにしてみれば、「ノーヘルで走るヤツは迷惑」ということになるらしい。

とにかく、ロードバイクのようにスピードの出る乗り物にノーヘルで乗るというのは、一般的なローディーにとっては非常識きわまりない行為らしい。それを知って、ようやくヘルメットを被ろうと思い立ったというわけだ。だから、決してヘルメットの必然性を感じて被ったというわけではなく、他人の目を気にして被ったという、なんともカッコ悪い理由だったのだ。

被り始めの頃は、なんだか慣れなくて、いつも頭を気にしながら走っていたのだが、慣れてくるに従って、気にならなくなってきた。なにしろ軽いから、走っているときは、ヘルメットを被っていることを意識することはほとんどない。でも、走り始めるときにヘルメットを被らないと、なんだか落ち着かない。どうやら、ヘルメットにすっかり慣れてしまったようだ。

しかし、自転車のヘルメットの効果については、肯定的な意見ばかりではなく、「自転車のヘルメットなんて役に立たない」とか、「被るとかえって危険だ」という意見もあって、その効果についてはかなり疑問視されているらしい。そんな意見もあるから、自分としても必要に迫られて被っているという感じではなく、ほとんど習慣で被っている感じなのだが、昨日は初めてヘルメットのありがたみを実感した。

その接触事故が起きたのは、交通量の割に道幅の狭い交差点だった。二段階右折をしようと、最初に横断歩道を直進して渡り、次に右方向に横断歩道を渡ろうとしたときに、いきなり左方向からクルマが来た。とっさのことだったのでよけきれず、クルマの後ろの部分に当たって派手に転んだ。

何がなんだかよくわからないまま立ち上がったところに、クルマの運転手がやってきたので、「何をやってるんだ!」と怒ったのだが、話を聞いてみると、信号無視をしたのはどうやら自分の方らしい。あらら、そうだったんですか、それはどうもごめんなさいと、クルマにはねられた自分の方が頭を下げる始末だ。あまりのマヌケぶりに、苦笑いするしかなかった。

転倒の瞬間はけっこう鮮明に覚えていて、左方向にあおむけに倒れたのだが、かなりの勢いで頭がアスファルトに叩きつけられた。ヘルメットがアスファルトに叩きつけられたときの「ゴツン」という音を聞きながら、ああ、ヘルメットを被っていてよかったと瞬間的に思った。ノーヘルだったら死んでいたということはさすがにないだろうが、少なくともコブのひとつくらいはできていただろう。

お互いのスピードが出ていなかったこともあって、転び方が派手だった割には、左ひじをすりむいたくらいの軽いケガで済んだ。その後も、何事もなかったようにロングライドを続けたのだが、信号を見落とすという初歩的なミスを犯してしまったことがかなりショックだった。自分の身は自分で守るしかないのに、こんな調子でロードバイクに乗っていたら、いつかは間違いなく事故に遭ってしまうだろう。

そんなわけで、今回の事故のおかげで、ヘルメットのありがたさを身をもって実感することができた。いままでは、ヘルメットの効果については半信半疑なまま、とりあえずみんなが被っているから自分も被っておこうというくらいの気持ちでしかなかったが、これからは違う。なにがあっても、ヘルメットだけは被ろうと心に誓った。それにしても、ビアンキ君のフレームにキズがついたのが悲しい。




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