12/04/01

祝・斎藤祐樹 開幕戦完投勝利

先週は覚書の更新を休んでしまい、どうもごめんなさい。なんだか忙しくて、悠長に覚書など書いているヒマがありませんでした。いつも大したことを書いているわけではないから、1時間もあれば覚書の一本くらいは簡単に書けてしまうのだけれど、先週はその1時間すら惜しい感じだったので、ついサボってしまいました。

いまではすっかり閑古鳥が鳴いているこのサイトだが、それでも覚書をアップする日曜日には、普段の日の倍くらいのアクセスがあるから、こんな駄文でも読んでくれている人がいるということだ。なんともありがたい。そんなあなたがいる限り、この覚書の更新だけは命ある限り続けていくつもりなので、よろしくお願いします。って、さすがにそれは大げさか。

さて、ようやく暖かくなってきたと思ったら、春の選抜が始まってプロ野球も開幕して、一気に世の中が動き出してきた感じだ。特別に野球が好きだというわけではないけれど、高校野球にしろプロ野球にしろ、野球が始まるとやっぱり春の訪れを感じて、なんだか心が浮き立ってくる。今年の冬は長くて寒かったから、余計に春の訪れが嬉しい。

この覚書のタイトルからもわかるとおり、自分は斎藤祐樹のファンだ。いや、正確には「大ファン」だ。きっかけは、2006年の夏の甲子園決勝戦をテレビ観戦したことだ。超高校級の田中君と真っ向から投げ合う斎藤君はとてもキュートでかわいらしくて、胸がキュンとしてしまった。自分が女子だったら、間違いなく恋に落ちていたと思う。

自分のようなオジさんが、男子高校生のことを「かわいらしい」だの「胸キュン」だのと書くと、ものすごく気持ち悪く感じるかもしれないが、それに近い感情を覚えたことは事実だ。ライバルである田中君との対比も、ヒール対ベビーフェースという構図を感じさせ、それも斎藤君に肩入れするひとつの理由になっているのだろう。いや、もちろん、田中君のことも好きだけどね。

これまでに自分が応援してきたプロ野球選手のことを思い出してみると、一番古い記憶が長嶋さんだ。あの引退セレモニーをテレビで見て感動したことはいまでも覚えている。長嶋さんの引退後は、王さんを応援していた。ホームランの世界記録にどんどんと近づいていくときなど、テレビの前で興奮しながら王さんの打席を見ていたことを思い出す。

王さんの引退後は、江川を応援するようになった(呼び捨てでごめんなさい)。ふてぶてしい感じなのに、実はお茶目な一面があったりすることろが好きだった。なにしろ、入団の記者会見で、興奮した記者に対して、「落ち着いてください」などと諭したりするのだからすごい。こうした態度で、世間からは生意気だという批判を受けてしまったが、自分は面白い人だと思った。

江川の引退後は、桑田を応援するようになった。桑田も江川と同じく、入団時の経緯からダーティーなイメージが付いてしまったが、そんなことには関係なく、ひたむきに投げる姿が好きだった。通算173勝という成績は十分にすごいとは思うが、あの肘のケガさえなければ200勝はできていたと思う。それだけがいまでも残念だ。

ということで、これまではすべてジャイアンツの選手を応援してきたということに改めて気づいた。まあ、テレビでの露出はジャイアンツの選手が圧倒的に多いわけだから、これはしかたない。それだけに、そんなジャイアンツファンの自分が、他球団の、しかもパリーグの選手を応援するというのは、とても画期的なことなのだ。

そんな感じだから、斎藤君の情報は大学野球の頃からずっとチェックしていて、ドラフト1位で日本ハムに入団した昨年は、ものすごい期待を持って応援した。そうは言っても、田中君のようにいきなり新人で二桁勝利を挙げるような活躍を期待していたわけではない。もちろん、ファンだから期待はするけれど、そこまでの実力はないだろうと冷静に分析したりもするわけだ。

当初の予想としては、1年間先発ローテーションで使ってもらえれば7〜8勝くらいはいくだろうと思っていた。実際には6勝だったが、ケガで2か月近く戦列から離れたことを考慮すれば、この予想はほぼ当たっていたと言ってもいいだろう。防御率も2点台だったし、ドラフト1位の新人投手として、そこそこの活躍はしたと思う。

しかし、ライバルの田中君の活躍と比べると、やっぱりかなり見劣りがする。なにしろ、そもそもの球威がまったく違う。素人の自分が見ても、田中君の剛球に比べて、斎藤君のボールには球威がない。なんだか、ストレートがキャッチャーミットに収まる手前でお辞儀しているように見えるのだ。

ストレートの球速は145キロくらいは出るから、そんなに遅いということはないのだが、それほどの球威を感じないというのも事実だ。高校野球を見ていても、球速は140キロに届かないのに、最後にグイっと伸びるストレートを投げるピッチャーがいるが、こういうボールは球速以上にキレて見える。斎藤君のボールにはこうしたキレがないのだ。

とにかく、このストレートの球威が気になってしかたがない。もちろん、ストレートが速くなくても、プロで活躍している投手はたくさんいるが、やっぱり球が遅いよりは速いほうが有利だろう。斎藤君と同期のジャイアンツの澤村君なんて、ものすごいストレートを投げるが、あれくらいの球威があれば斎藤君も楽だろうにと思う。

そうは言っても、斎藤君の体格でものすごい球威を期待するのは酷だろう。人にはそれぞれの持ち味があるわけで、それを活かしたピッチングをすればいいと思う。しかし、斎藤君の持ち味は何だろうと考えると、実は意外に難しい。特別にコントロールがいいわけでもないし、絶対的な決め球となる変化球を持っているわけでもない。

あれこれと考えてみたが、結局のところ、斎藤君の一番の持ち味は、「キュートさ」とか「かわいらしさ」ということなのだと思う。監督やチームメイトに「コイツを勝たせてやりたい」と思わせること、それこそが斎藤君の一番の武器なのではないだろうか。どんなにすごい投手でも、打線の援護がなければ勝てないのと同じように、そこそこの投手でも、打線の援護さえあれば勝てるのだ。

いや、決して斎藤君がそこそこの投手だと言っているわけではない。そこそこの投手が開幕戦という大舞台で完投して勝てるほど、プロの世界は甘くないだろう。間違いなく、実力はあると思う。その実力の一部が、「キュートさ」や「かわいらしさ」ということなのだと、自分は理解している。

つまり、マスコミがやたらと使いたがる「持っている」という言葉の本当の意味は、コイツのためなら頑張ろうと思わせる何かを「持っている」ということだと思う。

まあ、そんな無理矢理なこじつけはともかく、開幕戦のピッチングを見ると、今年の斎藤君に対する期待はいやでも高まってしまう。もちろん、20勝しろとか、防御率を1点台に収めろとか、沢村賞をとれとか、そんな夢みたいなことは言わない。とりあえず、今年は10勝してくれればオッケーだ。斎藤君の大ファンとしては、いや、大ファンだからこそ、それだけで十分にうれしい。




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