12/03/11

東京オリンピック開催について考えてみる

早いもので、あの大地震発生からもう1年が過ぎた。思い出してみると、スーパーから食料品がごっそりなくなったり、計画停電で駅前の交差点が真っ暗になったりと、自分が住む千葉市でも大変な騒ぎだった。外見上はすっかり平穏を取り戻したかのように見えるが、あの日を境に日本人のメンタリティに相当な変化があったのは間違いないだろう。

ということで、今回も、一部のマニアの間で大好評のなぞかけをしてみたい。えー、震災から1年とかけまして、前座の落語家と解きます。その心は、どちらもまだまだ支援(試演)が必要でしょう。

うーん、試演なんて言葉、普通はあまり聞かないからピンとこないよね。なんだかイマイチなのでもうひとつ。えー、震災から1年とかけまして、業績の悪い会社と解きます。その心は、どちらも余震(与信)が怖いでしょう。

今回は、そんな前フリと多少関係のある東京オリンピックの開催について考えてみたい。石原さんは、前回の落選に懲りず、またしても五輪招致に名乗りをあげたわけだが、前回同様に、今回もやっぱり国民の反応は冷ややかだ。前回は、東京開催に賛成する国民が50パーセントを少し超えたくらいで、他の候補地とは大きな差があった。

この数字の差が、落選の大きな要因になったらしい。このまま国内での盛り上がりに欠ける状況が続くとしたら、また今回の招致活動も厳しいものになるかもしれない。しかし、自分としては、前回の招致活動のときから一貫して東京オリンピック開催には賛成している。ぜひとも、2020年にはオリンピックを東京で開催してもらいたい。

そうは言っても、前回の招致のときには、勝ち目はほとんどないだろうと思っていた。2008年に北京で開催されたばかりなのに、1回おいてすぐに東京という流れになるわけがない。賛成はしながらも、莫大な招致活動資金がムダになるんだろうなと思っていた。まあ、ここで1回名乗りをあげておいて存在感を示しておくという意味では、それなりの効果はあったのかもしれない。

しかし、今回の招致についてはかなり有望ではないかと期待している。なしにろ、大震災からの復興という大義名分があるからだ。などと書くと、被災地の人たちをダシにしてオリンピックを招致するなんて、みたいに思うかもしれないが、実際にオリンピックが開催されれば、被災地にとっても悪い話ではないと思う。

いざ開催ということになれば、いろいろな仕事が新しく発生する。こうした仕事に、被災地の人たちを優先して採用するという話だから、一時的にしろ、雇用が増えることは間違いない。それに、被災地の実際の姿を海外メディアを通じて全世界にアピールできるというメリットもある。現状のままでいるより、いくらかでもメリットはあるだろう。

大震災からの復興を謳うのであれば、いっそのこと仙台あたりで開催したほうが話は早いのだが、こればかりはそうもいかないと思う。なにしろ莫大な開催費用がかかるから、復興事業にお金が必要な被災地としては、いくら100万都市の仙台とはいってもオリンピックに回すお金などないだろう。

まあ、札幌市や長野市でも冬季オリンピックを開催した実績があるけれど、夏のオリンピックと冬のオリンピックとでは規模がまったく違う。そうなると、やっぱり経済規模の大きな東京で開催ということになる。それに、前回の東京オリンピックで整備した競技場を改修して使えるというメリットもある。地方都市でオリンピック用に競技場を新しく整備するのは大変だ。

もちろん、オリンピック開催に反対する人たちの言い分も理解できる。招致活動に使うお金があるなら、それを被災地支援にあてるべきだとか、オリンピックで一時的に経済がうるおったとしても、その反動で必ず景気が悪くなるとか、新しく建設した設備はオリンピック後も有効活用できるのかとか、反対材料などいくらでも出てくる。

経済的な知識に乏しい自分としては、このあたりのことを突っ込まれると反論できないが、それでもやっぱり日本でオリンピックを開催してほしいと思ってしまう。経済うんぬんではなくて、純粋にお祭り気分を味わいたいという幼稚な理由にすぎないけれど、実はこうした感情が意外に大事なんじゃないかと思ったりもするのだ。

お祭りとか運動会とか遠足とか、そういうイベントの前はワクワクして、夜もなかなか寝付けなかったものだが、これは子供の頃だけの話ではなくて、いい歳になったいまでも、楽しいイベントの前はワクワクする。目の前に楽しいことが待っていると、心も明るくなるし、お金の使い方も少しだけ気前よくなったりする。

オリンピックが日本で開催されれば、こういうワクワクを感じる人たちが増えるから、日本全国が明るい雰囲気になるだろうし、お金のまわり方もきっとよくなると思う。たしかに、現実的なことを考えればオリンピック開催にはマイナス面も多いのかもしれないが、すべてを理屈で割り切ってしまうのもどうかと思う。というか、そんなのつまんないだろ?

こういう時代だから、少しくらいは明るい気分に浸ってみたい。敗戦から立ち直って高度成長期へと突入していったあの時代のオリンピックのような雰囲気を期待しているわけではないけれど、いまの閉塞感に満ちた重苦しい空気を少しでも軽くしてくれるようなオリンピックになればいいと思う。それくらいの夢は見たい。だから、自分は東京オリンピックの開催を熱く支持する。




今週の覚書一覧へ

TOP