12/02/05

NHKの連続テレビ小説「カーネーション」について語る

相変わらず寒い日が続くが、気が付けばだいぶ日が伸びてきた。天気のいい日だと、午後5時半を過ぎても、まだうっすらと西の方角に明るさが残っている。どんなに寒くても、やっぱり季節は確実に春に向っているわけで、なんだか嬉しくなる。しかし、夕方の日は伸びても、まだまだ夜明けは遅い。

夜明けが一番遅いのは、実は冬至の頃ではなくて、1月10日前後なのだ。昼の時間が一番短い冬至の頃が、日の出も一番遅いのだろうと考えてしまいがちだが、日の出と日の入りの時刻が冬至と夏至に向って対称的にきれいな曲線を描くのではなく、微妙にいびつな曲線になっている。いまの時季の日の出の時刻は、冬至の頃と比べて数分しか違わない。

いまは毎朝5時48分に起きているので(微妙な時刻だが、特に深い意味はない)、まだ外は真っ暗なままだ。とにかく毎朝寒いので、布団から出るのはそれなりに気合いが必要だが、最近のマンションは気密性が高いから暖かい。一戸建てだったら、寒さはこんなものではないだろう。これは、集合住宅の大きなメリットだと思う。

そんな感じで、ようやく太陽が顔を出した頃に出かけるので、朝の連続テレビ小説をリアルタイムで見ることはできないけれど、毎日録画して、家に帰ってからゆっくりと見ている。それというのも、いま放送されている「カーネーション」が実に面白いのだ。「カーネーション」の前に放送されていた「おひさま」も面白かったが、「カーネーション」のほうが断然面白い。

そもそも、自分はドラマはほとんど見ない。一番最近に見た民放の連ドラは何だったか考えてみても、なかなか思い出せない。おそらく、福山雅治が主演したフジテレビの「ガリレオ」というドラマだったと思う。これも、自分が福山のファンだから見ただけのことで、積極的に見たいと思うドラマはほとんどない。

しかし、相方が面白いと言っていた「おひさま」を見てみたところ、たしかに面白かったので、その流れで「カーネーション」も見ているというわけだ。ドラマ嫌いの自分が朝ドラを見るようになるなんて、変われば変わるものだ。これは、15分間という短い時間で見られるということが大きいと思う。これが1時間のドラマだと、それなりに心構えが必要になるから、見る前から億劫になる。

ということで、「カーネーション」は、自分がこれまでに見た連続テレビ小説の中で一番面白いと思う。これまでにまともに見たのは「カーネーション」のほかには「おひさま」だけだが、この際そんなことはどうでもいい。めったにドラマを見ない自分が面白いと言っているわけだから、このドラマは相当に面白いと思って間違いない。

何がそんなに面白いのかというと、まずは主役の小原糸子を演じている尾野真千子が素晴らしい。喜怒哀楽をストレートに表現する演技は、本当に上手だと思う。これほど演技力のある女優さんがなぜこれまで埋もれていたのかが不思議なくらいだ。このドラマがきっかけになって、きっとブレイクすると思うし、ぜひブレイクしてもらいたい。

また、脇を固める役者も素晴らしい。役柄上はもう亡くなってしまったが、糸ちゃんの父親役を演じた小林薫もよかった。外ヅラはいいが、家の中ではわがままな頑固親父というキャラクターは、見事なハマリ役だった。最初の頃は、小林薫が演じる善ちゃんを目当てに見ていたようなものだった。

母親役の麻生祐未もいい味を出している。おっとりとして涙もろく、だれにでも優しい母親役は、ともすればヒートアップしがちな雰囲気をほんわかと包んでくれるような感じで、なんだかほっこりする。ついでに、木之元のおっちゃんを演じている甲本雅裕もいい。木之元のおっちゃんが画面に映るだけで笑える。

ということで、出演している役者さんたちが素晴らしいのはもちろんだが、ドラマの演出も素晴らしいと思う。NHKのドラマというと、まるで学芸会を思わせるようなわざとらしい演出が多いけれど(「おひさま」もかなり学芸会っぽかった)、「カーネーション」に限っては、そうしたわざとらしさはあまり感じさせない。

これは、役者さんたちが話す大阪弁が自然だということも大きいと思う。ドラマで話される方言というのは、とかくわざとらしいものが多く、その方言のネイティブではない人間が聞いても、「これは本当の方言とはかなり違うだろ」と直感的に感じてしまって、その分だけドラマを見る気持ちが冷めてしまうものだが、「カーネーション」の場合は十分に自然だ。

なので、今回のドラマをきっかけとして、もしかしたらNHKドラマの学芸会テイストが変わっていくのではないかと、少しばかり期待している部分がある。

そんな感じで、毎日楽しく見ているのだが、3人の子役が大人の役者に代わってからは、少しだけ面白さが減ってきてしまった。何と言っても一番面白かったのは、糸ちゃんと周防さんの恋愛を描いたパートだ。糸ちゃんが周防さんに告白する回は、5回くらい繰り返して見たくらいだ。そんな自分を見て相方はあきれていたが、いくつになっても、こういうラブシーンには胸がときめく。

だから、糸ちゃんと周防さんの仲を引き裂いた北村達雄役のほっしゃんだけは許せない。いくら自分が糸ちゃんに惚れているからといっても、ああいう方法で二人の仲を引き裂くというのは男らしくない。今度どこかでほっしゃんに会っても、絶対に口なんてきいてあげないんだからね。まあ、向こうはこちらの存在すら知らないわけだが。

ということで、「カーネーション」を見ていない人にとっては、まったくどうでもいいようなことをダラダラと書いてしまった。もし興味があれば、見てください。おそらく、ダイジェスト版などもBSで放送されていると思うので、いまからでも遅くありません。ぜひ、糸ちゃんと周防さんの恋愛について熱く語りましょう。




今週の覚書一覧へ

TOP