12/01/22

冬のロングライドは少しばかりキツイ

東京都心で初雪が降った。平年よりも17日遅い初雪らしい。今年の冬はやたらと寒いから、平年より17日も遅いと聞くと、意外な気がする。ということは、お正月あたりに降るのが平均的だということになるが、日記を見ると、去年の初雪は1月16日、その前の年は1月9日、その前の年は1月12日で、なるほど、ここ何年かでは比較的遅い初雪ということになる。

そんな寒い冬でも、晴れればやっぱりロードバイクで走りたくなる。寒いのは嫌いだけれど、乾燥した晴天が続く関東の冬は嫌いではない。なにしろ、日本海側の冬というのは、鉛色の空が毎日広がるから、どうしても気分が塞いでしまう。その点、太平洋側の冬は素晴らしい。上京したての頃は、東京の冬はなんて明るいんだろうと感動したものだ。

そんな感じだから、朝起きてきれいな青空が広がっていると、いくら寒くても、反射的にバイクジャージに着替えてしまう。真冬にロードバイクで走るためには、やっぱりそれなりの装備が必要になる。ロードバイクに乗り始めたばかりの頃は、思い切りなめた格好で走ってしまって、危なく凍死しそうになったことがある。

まず、足元は靴下の二枚重ねが基本だ。本当は、ロードバイク専用のシューズカバーという防寒具を装着したいところだが、これが結構高かったりする。もちろん、シューズそのものよりはずっと安いのだけれど、やっぱり夏目漱石が何枚かは必要だ。履いたら暖かいだろうなと思いながら、今日も靴下の二枚重ねでしのいでいる。

下半身は、裏起毛のロングタイツを穿いている。これは、風をシャットアウトしてくれるから暖かい。普通は、タイツの下はノーパンが基本なのだが、自分はパッド付きのアンダーウェアを穿いている。タイツにもパッドが付いているから、二重パッド仕様ということだ。とにかく、長い距離を走るとお尻が痛くなるから、お尻のパッドはできるだけ厚くしたい。

上半身は、ユニクロのヒートテックを一番下に着込み、その上に何枚かの薄手の木綿を重ねて、一番上に秋冬用のパーカーを着ている。本当は、ロードバイク専用のアンダーウェアと冬用ジャージを着たいところだが、これも予算の関係で、手持ちのウェアをやりくりして着ている。専用ウェアはたしかにいいけれど、かなり高いのだ。

こんな装備でサイクリングに出かけるのだが、やっぱり冬の朝は寒い。本当なら朝8時くらいには出発したいところだが、その時間はまだ寒いから、この時季の出発時刻はどうしても9時半〜10時くらいになる。それでも寒くて、最初はとにかくペダルを回して体を温めなければならない。少し息がはずむくらいにまでペダルを回し続けていると、ようやく体が温まってくる。

この前サイクリングに出かけたときも、最高気温が8度くらいの寒い日だった。空はきれいに晴れているが、とにかく空気が冷たい。なので、意識してペダルを強めに回して、体を温めることにつとめた。50キロほど走ったところで昼食のために止まったのだが、サイクルコンピュータを見ると、平均時速が27キロを表示している。

50キロ走ってこの平均時速というのは、まったく大したスピードではない。普通のローディーならば、それほど頑張らなくてもこのくらいのスピードで走っても全然平気だと思う。しかし、貧脚の自分にとって50キロの距離を27キロの平均時速で走るというのはかなりすごいことなのだ。この平均時速だと、平地での巡航速度は30キロくらいになる。

そんな感じで、温まった体を熱々のラーメンでさらに温めて、午後のライドに出発した。しかし、走り出してから1時間もしないうちに、左ひざのあたりが痛み出してきた。この痛みは、去年の11月くらいから出てきたもので、70〜80キロくらい走ると軽い痛みを感じるようになってきた。しかし、平地を走る分にはそれほど影響はないので、だましだまし走ってきた。

この日も、ああ、また来たか、と思っただけで、それほど気にせずに走り続けた。しかし、それから間もなく、右ひざの裏あたりにも痛みが出てきた。それほどひどい痛みではないのだが、さすがに両方のひざが痛いというのは、ペダリングにも大きく影響する。しかたがないので、予定を変更して引き返すことにした。

それからは、なるべくひざに負担がかからないように軽いギアでペダルを回していたのだが、時間が経つにつれて右ひざの痛みがひどくなってくる。左ひざも思うように動いてくれないから、まったくスピードが出ない。一生懸命にペダルを回しても20キロあたりがやっとで、油断するとすぐに15〜6キロにまで落ちてしまう。

上り坂はさらにキツくて、なだらかな上り坂ですら一番軽いギアに落としてそろりそろりと上っていく。家にたどり着くまでにはまだまだ距離があるのに、本当にこんなことで無事に帰ることができるのだろうかと、太陽の高度が次第に低くなっていくにつれて、不安も次第に大きくなっていく。ひざの痛みも次第にひどくなっていく。

上り坂よりも辛いのが、信号待ちでビンディングシューズをペダルから外すときだ。左のシューズをペダルから外すときには、まっすぐに伸ばした右脚に重心をかけて、左足のかかとを外側にひねって外すのだが、この右脚をまっすぐに伸ばすというのが辛い。右脚を伸ばすときに、ひざの裏にもろに負担がかかるからだ。

そうこうしているうちに、日がすっかり暮れて、一気に寒くなってきた。冬に走る場合、日没に合わせて帰宅時間を設定して走るのだが、この日はまったくスピードが上がらないため、設定時間よりも大幅に遅れてしまった。両ひざが利かないから、ペダルを思い切り回して体を温めるわけにもいかず、靴下を二枚重ねた足の指先が寒さでしびれてくる。

ようやく市街地までたどり着いてホッとしていると、突然右ひざの裏に鋭い痛みが走り、思わずハンドルがふらついてしまう。そのとき、自分の後ろを走っていたバスから大きなクラクションを鳴らされ、それに驚いてさらに車体がふらつくという大失態を演じてしまった。このときは、危なく転倒するところだった。いま思い出しても冷や汗が出る。

なんとか家にたどり着いたときには、体がすっかり冷え切っていた。サイクルコンピュータの平均時速は18キロにまで落ちていた。最後のあたりではママチャリくらいのスピードになっていたから、この数字になるのも当然だ。あのバスの運転手にしても、よほどイライラしていたに違いない。しかし、あんなに大きなクラクションを鳴らすことはないだろう。

それにしても、いままではひざが痛くなるなんてことはなかったのに、どうしたことだろうか。寒さで筋肉が固まっていたところを、準備運動もせずにいきなり全開でペダルを回したのがよくなかったのだろうか。この先も痛みが出ないかどうか心配だ。このままロードバイクに乗れない体になってしまうのは、死ぬほど悲しい。とりあえず、冬の間はおとなしくしていようと思う。



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