11/10/02

新しいママチャリを買った

先週の覚書の最後でも書いた通り、新しいママチャリを買ってしまった。夏に新しいパソコンを買い、それからほどなくして新しいテレビとレコーダーを買い、そして今回新しいママチャリを買ったというわけだ。まるで、ホップ・ステップ・ジャンプみたいな買いっぷりだ。最後のジャンプがママチャリというのが、着地に失敗したみたいで貧乏臭いが。

実は、ママチャリを新しく買ったのは、これまでの44年間におよぶ人生において初めての経験だったりする。そうなのだ、よく考えてみると、これまでにマウンテンバイクやクロスバイクを買ったことはあるけれど、ママチャリを買った経験はないのだ。自転車の基本ともいうべきママチャリを買わずして、ロードバイクなどにうつつを抜かしているヒマはない。

ママチャリが必要だということは、以前から相方と話していた。結婚当初は相方が連れてきたママチャリがあったのだが、老朽化に伴って手放してしまったので、ここ最近はママチャリのない生活を送っていた。ママチャリなど、なければないでなんとかなるものだが、やっぱりちょっとしたことで不便を感じることはよくあった。

たとえば、近所のホームセンターに買い物に行きたいと思っても、歩くには少し遠いし、かといってわざわざ電車で行くほどのものでもないし、という場合だ。こういう場合に、ロードバイクで買い物に行くわけにはいかない。片手に重い買い物袋を下げながら片手ハンドルでロードバイクに乗るなんて、危なくてしかたない。

それから、ちょっと時間が空いたときに、買い物ついでに自転車で近所をポタリングしようか、といった使い方ができないのも困る。ロードバイクで軽くポタリングしてもいいのだが、そうなると、まずはビンディングシューズを履かなくてはならない。これはロードバイク専用のシューズで、金具でペダルとシューズが固定される仕組みになっている。

ビンディングシューズを履くとなると、ジーンズで乗るというわけにはいかない。やっぱり、バイク用のジャージに着替えなければという気分になってしまう。ジャージを着てしまえば、ほぼオートマチックにヘルメットをかぶってサングラスをかけてしまうことになる。そんなこんなで、軽くポタリングのつもりが、気づいてみれば距離表示が100キロを超えていたりする。

そんなわけで、気軽に乗れるママチャリが必要だろうという結論に達し、近所の自転車屋さんに相方と一緒に出掛けた。ホームセンターで売られているような激安のママチャリもあるが、やっぱりちゃんとしたメーカー品のものがいいだろう。ロードバイク乗りのはしくれとしては、ママチャリといえど、自転車はしっかりしたものを買いたい。

自分としては、ハンドルがストレート形状になっている、いわゆるシティサイクル系の自転車が欲しかった。このタイプならば、車体もそこそこ軽いものがあるし、それなりにスピードも出そうだ。さすがに房総半島一周は無理だろうが、100キロくらいのサイクリングになら耐えられるのではないか。

しかし、相方の希望は、「前後に買い物かごを付けられるタイプ」だった。このタイプだと、ハンドルが湾曲した、どこからどう見てもママチャリにしか見えないフォルムの自転車しかない。ということで、自分の希望はあえなく却下となった。そもそも、シティサイクルごときで100キロ走ろうともくろむ時点で、明らかに考え方がおかしい。

お店の人の話を聞きながら、二人であれこれと悩んだ末、丸石サイクルの素敵な自転車を買った。丸石というメーカーは、最近ではずいぶんと影が薄くなってしまったが、自分が子供の頃は、自転車といえばブリジストンと並ぶくらいに有名なメーカーだった。老舗メーカーだから、品質の点では安心できるだろう。

後ろのキャリアにかごを取り付けてもらい、早速近所のホームセンターまで試し乗りをしてみた。ロードバイクのような軽快さはないが、これはこれで非常に楽しい。別に急ぐ必要もないから、本当にゆっくりとしたペースで走ることができる。ロードバイクだとついつい頑張ってしまうが、ママチャリならそんな無理をする必要もないし、そんな気にもならない。

ホームセンターまでの短い距離を乗るうちに、すっかりこの自転車のことが気に入ってしまった。いいじゃないか、ママチャリ。そんな感じでテンションが上がったまま買い物をしたら、前後のカゴがいっぱいになるくらいに買ってしまった。なるほど、これがいま巷で噂の、「ランナーズハイ」ならぬ「ママチャリハイ」という状態なわけだ。

そのほかにも、ライトが自動的に点灯するということにも驚いた。ダイナモをタイヤに接触させるタイプのライトしか知らなかったから、自動的に点灯するというこのライトは衝撃的だった。こんなに素敵な自転車に自分ごときが乗ってもいいものだろうか。田園調布あたりに住む上流階級の人たちの乗り物なんじゃないだろうか。

どうやら、周囲の明るさをセンサーで感知して、自動的にライトが点く仕組みになっているらしい。自転車でセンサーなんて、ものすごくカッコいいではないか。英語で書くと「sensor」だ。なんてカッコいいんだろう。しかも自動だ。自動を英語で書くと「jidou」だ。もう、カッコよすぎて鼻血が出そうだ。

これほど素敵な自転車だから、名前も素敵なものを考えてあげなければいけない。いろいろと考えた結果、丸石サイクルということで「丸ちゃん号」と名付けた。うん、いいんじゃないだろうか。すかした横文字の名前よりも、こういう名前の方がママチャリらしくていい。我ながら、ナイスなネーミングだと思う。

パソコン、テレビ、レコーダーと、怒涛の勢いで買い物をしてきたが、自分としては、この丸ちゃん号が一番いい買い物だったと思う。相方に訊いたところ、やっぱり丸ちゃん号が一番のお気に入りらしい。あまりにも素敵すぎて、ビアンキ君の登板機会が減りそうな気さえする。丸ちゃん号のおかげで、楽しい秋になりそうだ。



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