11/06/12

スカイツリーの展望台の料金設定について考えてみる

スカイツリーの開業日が来年の5月22日に決まったらしい。それに合わせて、展望台の利用料金も発表された。高さ350メートルの第1展望台が2,000円、高さ450メートルの第2展望台がプラス1,000円ということで、合計3,000円になるということだ。これまた随分強気な料金設定だと感じるのは自分だけだろうか。

東京タワーの場合、150メートルの大展望台が820円、250メートルの特別展望台がプラス600円だから、合計すると1,420円になり、スカイツリーの約半額ということになる。ただ、地上からの高さを考慮すると、スカイツリーが特別にボッタクリ料金だというわけでもなさそうだ。

しかし、展望台に登るだけで3,000円もかかるというのは、一般的な庶民の感覚からすればやっぱり高い。夫婦やカポーなら6,000円もかかるし、家族連れなら10,000円を超えてしまう。これだけ高いと、若いカポーがデートコースとして使うのは難しいだろう。登ったところで何があるわけでもないし、お腹だって膨らまない。

どんな物にもその人が感じる適正な値段というものがあって、その値段設定から大きく外れると、その人の興味の対象から外れてしまう。自分の場合、展望台に登るなら出せるのはギリギリ1,000円までといったところだろうか。だから、東京タワーの特別展望台にもいまだに登ったことがない。

これは人それぞれなのだろうけれど、高いところに登って何が面白いのだろうかという感覚が自分にはある。もちろん、高い場所から下を見下ろすのは面白いし、いま住んでいるマンションだって9階建の8階だから、高いところが嫌いなわけではない。しかし、高い金を払うだけの価値があるとは思えない。

さらに、物の値段には時間という要素もからんでくる。自分は貧乏性だから、値段に見合うだけの価値を時間的なものとして欲しいと思ってしまう。わかりやすく言うと、高いお金を払ってるんだから、それなりの時間をかけて楽しみたいということだ。どんなに楽しいことでも、あっという間に終わってしまうのでは物足りない。

たとえば、映画なら1,800円を払って2時間楽しめるから、コストパフォーマンス的には悪くないと思う。本ならば、もっとコストパフォーマンスは高い。分厚い文庫本でも1,000円も出せば買えるし、じっくりと読めば2時間どころか何日だって楽しめる。貧乏性な自分にとって、本は最高の娯楽だ。

それに比べると、展望台の3,000円というのはいかにも高い。映画と比較した場合、3〜4時間分を楽しまないといけない計算になるが、展望台でこんなに長時間粘れる人はいないだろう。わあ、すごいね、とか、向こうに富士山が見えるよ、などと楽しめるのもせいぜい2〜30分といったところだろう。

では、「わあ、すごいね」とか「向こうに富士山が見えるよ」といった感動に、はたして値段に見合うだけの価値があるだろうか。これも人それぞれだろうが、自分にはそれだけの価値があるとは思えない。高いところから見た景色なんて、どこから見ようがそれほど変わるものではない。

たとえば、東京タワーの展望台から見た景色と、都庁の展望台から見た景色の違いをはっきりと思い出せますか? ランドマークタワーの展望台から見た景色と、サンシャイン60の展望台から見た景色の違いをはっきりと思い出せますか? 結局のところ、展望台からの景色なんてそんなものだということだ。

まあ、物珍しさもあるから、最初のうちはスカイツリーの展望台には観光客が殺到するだろう。なしにろ、開業してからしばらくは予約制にするというくらいだ。しかし、よほどの展望台マニアでもない限り、リピーターはつかないと思う。それを見越した上での料金設定なのかもしれないが、いずれにしてもこの料金は高すぎる。

そもそも、スカイツリーは少しも美しくない。高いということだけが取り柄で、ただズドーンと立っているだけでは芸がない。それに比べて、本家の東京タワーは美しい。あのなだらかに広がる裾野が富士山を連想させて、日本人の心に訴えるものがある。そんなこともあって、きっとスカイツリーに登ることはないと思う。



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