11/02/13

自分のペーパーバックの歴史を振り返ってみる

いつものようにペーパーバックのページを更新してアップロードしたら、紹介作品数がいつの間にか399冊になっていたことに気付いた。あと1冊読めば、400冊も読んだことになるわけだ。1冊あたり約300ページとすると、これまでに12万ページを読んだ計算になる。うーん、12万ページといっても、なんだかピンとこない。

それでは、縦に積んでみたらどうだろう。1冊あたりの厚さを約3センチとすると、400冊重ねた場合、その高さは12メートルになる。ビルにすると、4階建くらいのビルになる計算だ。おお、なかなかいい数字ではないか。これから街を歩いて4階建のビルを見るたびに、その高さをペーパーバックに置き換えてしまいそうだ。

ペーパーバックを読み始めたのは、英語の独習を始めた27〜28歳くらいの頃だったと思う。最初に買ったペーパーバックは、正月休みで実家に帰省する途中、新潟市の紀ノ国屋で買った「Master of the Game」だった。この本は邦訳で一度読んだことがあったため、挫折することなく読めるだろうと思って買ったのだ。

その思惑通り、最後まで挫折することなく読みきったときには、なんだか自分が偉くなったような気持ちになったことをいまでも覚えている。いくら簡単な英語だとはいっても、英語は英語だ。日本人向けに簡単に書かれた英語ではなく、ネイティブ向けに書かれた英語を読むことができたわけだから、やっぱり嬉しかった。

それからは、シドニー・シェルダンやダニエル・スティールなどの易しいペーパーバックを読むかたわら、突発的にトーマス・ハーディーなどの難しいペーパーバックにも手を出してあえなく挫折していた。当時は、簡単なペーパーバックを読めたというだけで有頂天になり、古典だってすぐにでも読めるものと勘違いしていたのだ。

しかし、英語の独習を始めたばかりの力では、一昔前の正しい英文学など読めるはずもない。頑張って読もうとしても、2〜3ページも進まないうちに睡魔が襲ってくる。つまり、自分にはまだまだ読解力がないのだ。そう悟ってからは、おとなしく分相応なペーパーバックを読んで満足することにした。

読解力のない自分にとってのオアシスは、ミステリー小説だった。いや、別にミステリーが好きだというわけではないのだけれど、図書館の洋書コーナーのほとんどはミステリー小説が占拠しているから、ほかに選択肢がないのだ。ミステリーの隣に古典なども並んでいるが、いまの自分に読める自信はない。

ペーパーバックを読み始めた頃は、ミステリー小説ばかり読んでいたような気がする。ただ、ミステリー小説はもともとそれほど好きではないから、何冊も読むうちに飽きてくる。正直なところ、誰がいつどこで誰をどんな方法で殺したことろで、そんなことはどうでもいい。他人を殺すよりも、自分が生きろと言いたい。

そんな感じで、ペーパーバックを読み始めてからしばらくは、不本意ながらミステリー小説を中心に読んでいた。ミステリーは、読んでいる最中は面白いのだが、読み終わったときに何も残らないのが少し寂しい。読書というのは、それなりの時間をかけてするものだから、やっぱりそれなりの読後感がほしい。

そう考え、ミステリー小説を読む一方で、純文学っぽい小説にも手を出してみた。何を読んだらいいのかよくわからないので、ヘミングウェイやモームなど、思い切り有名な作家の小説を手にとって読んでみた。正直なところ、よく理解できない作品も多かったけれど、面白い作品もいくつかあった。

それからは、スタインベック、フィッツジェラルド、フォースターなど、どこかで聞いたことのあるような作家の小説を読むようになった。別に純文学が好きだというわけではないが、ミステリーを読むよりは面白いだろうと思っただけのことだ。有名な作品だから話のネタに読んでおこう、という不純な動機で読んだ作品も多い。

恥ずかしながらよくわからない作品も多かったが、読んでいくうちに理解できるような部分もあったりして、それが読み続ける動機になった。読んでいる途中で、いまの自分の心境に妙にマッチするフレーズに出会ったりすると、それだけでその作品の著者と繋がっているような気になって、なんだか嬉しくなってしまう。

こうした純文学を読むかたわら、そろそろ読めるだろうと考えてディケンズ、シェイクスピア、ポーなどの古典にも手を出してみた。当然ながら読みにくくて難しいが、こうした作品も話のネタに読んでおかないといけないような気がして、無理をして読んでいるわけだ。面白くない作品の方が多いが、たまに面白い作品もある。

さらに最近では、ドストエフスキーやカフカなど、英米文学以外の古典にも手を出すようになった。同じ翻訳ならば和訳を読めばいいのだけれど、新訳ならばともかく、一昔前の翻訳はヒドイものが多いので、それならば英訳を読んだほうがまだマシだ。しかし、こうした本は図書館にはあまり置かれていないのが困る。

ということで、自分のペーパーバックの歴史は、ミステリーから始まって古典にまで行き着いたことになる。とりあえず、ほとんどのジャンルには手を出したことになるのだろうか。これからはどういう本を読んだらいいのか考えているが、古典を読むのはしんどいので、ときどきはミステリーを読みながら息抜きをしようかと考えている。



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