10/12/12

電車内でのトラブルについて思うこと

先週の火曜日に、いつも通勤で利用している総武線で乗客同士のトラブルがあり、上下線合わせて47本も運休して7万人の足に影響が出たらしい。ちょうど朝の通勤時間帯だったので、自分もこの7万人のうちの一人になってしまい、会社に着くのがいつもより30分も遅れて見事に遅刻した。

電車に乗っているときには何が原因で遅れているのかよくわからなかったのだが、会社に着いてネットでチェックしてみたところ、携帯電話を巡って乗客同士が激しい口論になったことが原因だとわかった。あまりにも激しい口論だったため、同じ車両内の別の乗客が非常ボタンを押したらしい。

2ちゃんねるを覗いてみると、この話題のスレッドがかなり盛り上がっていて、なかなか面白かった。満員電車の中で携帯電話を使っていた乗客が一番悪いことは間違いないが、たかが乗客同士の口論で非常ボタンを押した人もどうかと思う、という意見も少なからず目に付いた。

まあ、非常ボタンを押した人にしても、これほど多くの人たちに迷惑がかかると最初からわかっていたわけではないだろう。後になってからなら何とでも言えるが、その場では思わず慌ててしまうことだってあるだろうから、そのあたりの事情もわからずにあれこれ批難するのも可哀想な気がする。

恥ずかしながら、自分も以前に電車内で他の乗客と言い合いになったことが何度かある。とにかく、満員電車の中というのは、トラブルのネタに事欠かない。携帯電話もそうだし、音楽プレーヤーのイヤホンから漏れるシャシャカという音もそうだし、新聞をバサバサと広げる無神経なオヤジもそうだ。

電車の中だけでなく、電車から降りてもさらに危険は続く。エスカレーターに並んでいる列に横から割り込んでくる人、自動改札の列に横から割り込んでくる人、後ろの人のことをまったく考えずにスーツケースをダラダラと引いて歩く人など、通勤時間帯の駅はイライラの種が山盛りだ。

正確なところはもちろんわからないが、自分の印象としては、乗客同士のトラブルが発生するのは夕方の時間帯よりも朝の方が多いような気がする。おそらく、仕事を終えた帰宅時には少し心の余裕ができて、多少のことなら大目にみてあげてもよろしくってよ、みたいな寛容な気持ちになるからではないかと思う。

しかし、これから仕事に向かう朝の時間帯となると、話は違ってくる。これからの仕事のことを考えるだけで憂鬱になるのに、満員電車の中で隣の人が携帯電話で大声で話し始めたり、イヤホンから大音量でシャシャカという音が漏れてきたり、無神経にバサバサと新聞を広げられたりしたら、だれだって頭に来る。

だからといって、いきなりケンカ腰で注意をするのもよくない。ケンカ腰で注意をしたらケンカになるのは当然だ。今回の総武線のトラブルで携帯電話のことを注意した人にしても、きっと頭ごなしに注意したのだろう。そうなると、注意された方としてもカチンとくるから、そんな言い方はないだろうみたいな展開になるのは目に見えている。

だから、100パーセント相手が悪いと思って頭に来ているような場合でも、なるべくおだやかに注意するのがルールだと思う。それができなければ、最初から注意などしない方が身のためだ。今日はどうしてもケンカしたい気分だぜ、という場合に限り、思い切り高飛車に注意すればいい。

不幸にしてケンカになった場合でも、最低限守るべきルールというものが存在する。ケンカをしておきながらルールを守るというのもおかしな話だが、善良な社会人である以上はやはりケンカにもルールが必要だと思う。そのルールとは、ケンカとは関係のないことで相手を罵倒してはいけないということだ。

かなり昔の話になるが、やっぱり朝の満員電車の中で乗客同士がトラブルになったことがあった。何が原因だったのか、いまとなっては思い出せないが、二人ともかなりヒートアップしていたことだけは覚えている。一方は若い学生風の男子で、もう一方は普通のサラリーマンだった。

少し離れたところから二人のやり取りを聞いていると、若い男子の方にやや分があるような展開だった。どうもサラリーマンの理屈に無理があるような感じで、このままではサラリーマンの負けだなと思っていた。サラリーマン自身もそのことを感じていたのだろうか、若い男子に向かっていきなり、「しかし、君の口は臭い!」と大声で言い放ったのだ。

この一言で若い男子の方は黙ってしまい、結局そのままこのケンカは終わってしまった。このやり取りを聞きながら、「いやいや、それは反則だろう」と思った。ケンカに関係のないことで相手を侮辱するのは、どう考えても反則だと思う。これを認めてしまったら、それこそ何でもありになってしまう。

それまではものすごい勢いで反論していたのに、口が臭いと言われただけで黙ってしまったのだから、この若い男子が受けたショックは相当なものだったに違いない。これが例えば、「しかし、お前の頭はカツラだろう!」などと言われた場合はどうなるだろう。それこそ、二度と立ち直れないくらいのショックを受けると思う。

こんなことで相手を黙らせたとしても、それはケンカに勝ったことにはならない。やはり、最低限のルールだけは守るべきだと思う。結論としては、どんなに頭に来てもいきなり頭ごなしに注意しないこと、いかなる理由があろうともケンカに関係ないことで相手を罵倒しないこと、このルールを守れば少しは楽しくケンカできると思う。



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