10/10/10

理系の人ってうらやましい

今年のノーベル賞は、日本人化学者2人が同時受賞したらしい。10年くらい前から日本人研究者の受賞ラッシュが続いていて、同じ日本人として誇りに思う。しかし、ダントツの受賞者数を誇るアメリカにはまったくかなわない。単純に人口比で考えたら、日本は70〜80人くらいは受賞していなければならない計算になる。

人口が日本の約半分のイギリスにさえ、受賞者数では大きく離されている。これは、英米人に比べて日本人の頭が悪いということだろうか。まさかそんなことはないだろう。考えられるのは、ノーベル賞が欧米寄りにバイアスのかかった賞だということだ。アジア諸国の受賞者数が極端に少ないことを考えると、あり得ないことでもないと思う。

しかし、一番の理由は、研究環境が充実しているかどうかということだと思う。思い切り具体的に言ってしまえば、優秀な研究者に対して政府がどれくらい金を出すかでその国の科学技術のレベルが決まるということだ。そういう意味では、日本はまだまだ研究者に対しては冷たい国なんだろうと思う。

今回受賞した鈴木氏が最近の若い人の理系離れを嘆いていたのが印象に残っているが、本当に若い人の理系離れが進んでいるのだろうか。だとしたら、少しばかり危機的な状況だと思う。結局のところ、現在の高度な文明を作り出したのは理系学問の発達によるところが大きいからだ。

こうしてくだらない文章をネットで公開できるのも、部屋にいながらにして世界中のニュースをテレビで見られるのも、すべては理系学問のおかげだ。世の中のほとんどは理系学問のおかげで成り立っていると言っても言い過ぎではないと思う。それに比べて、文系学問は影が薄い。

正直なところ、文学なんて「学」の字を付けるのがおこがましいくらいだ。文学の研究者という人種がこの世の中には存在するらしいが、こういう人たちはいったい何を研究しているのだろう。小難しい文学作品を小難しい理屈をこねて論じるのが研究なのだろうか。だとしたら、なんと不毛な学問だろうか。

小説なんてものは、自分が読んで面白ければそれでいい。小説の価値というものは読んで面白いかどうかだけで、それ以上でもそれ以下でもないと思う。それを、いろんな小難しい理屈をこねて論じるなんて、不毛もいいところだ。はっきり言って、文学研究者がこの世に存在しなくても、困る人は誰もいないと思う。

歴史学者というのも、かなり微妙な存在だと思う。過去のことをいくら研究したところで、現在や未来の生活には何の影響も及ぼさない。邪馬台国が九州にあったのか畿内にあったのかなんて、一部の歴史マニア以外には興味のないことだし、正確な場所がわかったところで、自分たちの生活は何も変わらない。

文系学問で人類の発展に貢献しているのは、経済学くらいのものだと思う。ただ、この経済学にしても、かなり理系的な色合いが濃い。なしにろ、数学がかなり重要になってくる学問だ。そういう意味では、この世の中を動かしているのは理系学問だと言ってもいいと思う。

などと書くと、文系の人たちは気を悪くするかもしれないが、自分も激しく文系人間なので安心してください。なんだか少しもフォローになっていない気がするが、きっと文系学問にも深い意義があるのだと思う。具体的に説明しろと言われると困るが、自分のような凡人には理解できないようなものすごく深い意義があると思う。

ということで、理系の人は素直にうらやましいと思う。自分は昔から数字が苦手で、小学4年生の算数の教科書で文章題というものに出会ってから、決定的に算数が嫌いになった。単純な計算くらいなら普通にできるのだが、応用問題になるととたんに頭が回らなくなる。

兄貴は自分とはまったく逆で、英語はからきしだったが、数学はよくできた。だから、数学の宿題はいつも兄貴に教わっていたのだが、教わってもよく理解できないものだから、いつも逆切れして怒っていた。人に教わっておきながら逆切れするなんて、人間としてどうかと思うが、数学に関してはそれくらい苦手だった。

しかし、中学や高校の定期テストでは、数学のテストも80〜90点くらいの点数は取っていた。だいたい2週間前から試験勉強を始めるのだが、最初の10日間はすべて数学の勉強だけに費やしていた。この期間は、わけもわからず黒板の内容を丸写しにしていたノートだけを頼りに、問題の解法パターンをすべて暗記していたのだ。

このやり方でも、定期テストくらいならなんとか乗り切れた。しかし、ただがむしゃらに暗記しているだけで、本当のところはまったく理解できていないわけだから、予備校が主催する模擬試験などではすぐに化けの皮がはがれてしまう。本当に数学をはじめとする理系教科には泣かされた。

そんなこんなで、理系科目にはいまだに強烈な苦手意識を持っている。それなら文系科目が得意かといえば、実はそんなこともない。英語は話せないし、日本史も幕末以外はまったくの無知だし、大学では何を学んだのかすら覚えていない。だから余計に、理系の人がうらやましく感じる。



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