10/08/08

就職氷河期について思うこと

今年の春に卒業した大学生の就職率が60.8%にまで下がったらしい。なんと、10人に4人は大学を卒業しても職がないということだ。これは、かなり危機的な状況だと思う。たしかに世の中は不景気で、なかなか就職口がないのかもしれないが、それにしてもここまで仕事がないものだろうか。

ニュースなどを見ていると、「もう100社も受けたのに、まだ1社も内定をもらえないんです」と悲痛な表情で話す大学生が出てくる。この学生の大学はそれほど悪いところではないし、受け答えもしっかりしていて優秀そうに見えるのに、それでも就職できていないのだ。いまはここまで深刻なのかと驚いてしまう。

不景気のせいで企業側が新卒の採用を控えているということが一番の原因だろうが、日本の学生ではなく海外の人材を積極的に採用する企業が増えているのも一つの理由だと思う。海外に進出している企業は、即戦力を求めて外国人の採用を増やしているらしい。

企業としても利益を上げなければ生きていけないから、目先の都合だけを追い求めるのはよくわかるが、日本の企業として日本の学生を採用しなくてどうするつもりだろうか。日本の企業には、日本の若い人材を育てる義務があるのではないか。目先の利益ばかり追い求めていたら、ものすごい勢いで日本の国力は落ちていくと思う。

こういう短絡的な思考というのは現在の民主党政権にも共通することで、やたらとムダの削減ばかりに力を入れて、日本の成長戦略については一向に具体的な案が出てこない。これも、目先の予算編成にだけ追われている証拠だ。もっと長期的な成長戦略を立てないと、この先の日本はどうしようもなくなる。

とにかく、この不景気にムダの削減なんてやっていたら景気がよくなるはずがない。切り詰めれば切り詰めるほど、人は金を使わなくなる。世の中に金が循環しなければ経済だって動かないし、ますます不景気になるのは当たり前の話だ。不景気のときこそ、金が循環するような対策を打つべきだと思う。

なんだか話が逸れたが、本当にいまの学生は大変だと思う。卒業後1〜2年で就職できればまだいいが、就職浪人の期間が3年以上になると、相当に厳しくなるだろう。どこにも就職できない若者はバイトで食いつなぐしかない。こうして、大量のフリーターやニートが毎年増えていくわけだ。

それに比べれば、自分の場合はラッキーだったと思う。なにしろ、自分が就職活動に励んでいたのはバブル真っ盛りの頃だ。会社に資料請求のハガキを出して説明会に出席しさえすれば、後は一次面接から二次面接へとトントン拍子に進み、よほどの一流企業でもない限りあっさりと内定がもらえる時代だった。

そんな感じだから、自分もついつい調子に乗る。役員面接で「どんな新聞を読んでいますか」と訊かれて、「はい、東スポを読んでいます!」なんて答えたり、「この会社を志望した動機は?」と訊かれて、「はい、きれいな女性が多いからです!」なんて答えたりしていた。

もちろん自分もそれほどバカではないから、最初は真面目に質問に答えておいて、そろそろ大丈夫かなと判断してからこうしたギャグを言っていた。最初からこんなふざけた受け答えをしていたら、いくらバブルの頃だってどこの会社も相手にしてくれない。いずれにしろ、学生にとってはラッキーな時代だった。

そんな話はともかく、日本の将来を真剣に考えるのであれば、日本の企業は多少無理をしてでも積極的に若い衆を雇用すべきだと思う。ただ、企業としてもまずは自分たちが利益をあげないと生きていけないから、企業の自主性にだけ任せていたのではいまの事態は何も解決しないだろう。

そうなると、やっぱり国が主体となって動いていかないと埒が明かない。たとえば、一定の規模以上の企業に対しては学生の最低採用枠を課し、その見返りとして助成金を支給するなり税制面で優遇するといった政策はどうだろう。いま思いついただけのアイデアなので、深く考えてはいないのだけれど。

とりあえず、子ども手当といったバラまきや、朝鮮学校の授業料無償化などの愚にもつかない政策を実行するヒマがあったら、このあたりのことについてもっと真剣に考えてほしい。多少無理矢理でもいいから、なんとかして若い衆の雇用を確保しないことには、日本の未来はないと思う。



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