10/08/01

青春の大学生活 - 夏休みのリゾート地バイト

気付けば今年ももう8月だ。明けましておめでとうございます、なんて挨拶をしていたのはつい昨日のことのように感じるのに、いつの間にかセミがうるさいくらいに鳴いている季節になった。これからものすごい勢いで寒くなって、さらにものすごい勢いで暑くなって、気付いたらまたうるさいくらいにセミが鳴いている季節になっているのだろう。

ということで、今回は青春の大学生活の続きを書いてみたい。あれからもう四半世紀近く経っているのに、感覚的にはあっという間だ。大学生のときから人間的には少しも成長していないのに、年齢だけは確実に重なっていくというのは、よく考えるとなんだか恐ろしい。

そんなことはともかく、時計の針を大学2年の夏に戻してみよう。大学1年のときは長野県のホテルで1ヶ月ばかり住み込みのバイトをして楽しかったので、今年もどこかのリゾート地で住み込みのバイトをしようと考えていた。場所はどこでもよかったので、本当になんとなく山梨県を選んだ。

バイト先は河口湖畔の喫茶店で、この店でウェイターとして働くことになった。この喫茶店のほかにも旅館やレストランなどを手広く経営しているところで、自分たちバイト連中はその旅館の大部屋をあてがわれて寝泊りすることになっていた。去年はプレハブ小屋のような宿舎だったから、それに比べれば随分マシだ。

相変わらず友達のいない自分は去年に引き続き一人で来たのだが、先客として九州からはるばる来ている4人組のバイトがいた。彼らは去年も来ているらしく、もはやすっかりベテランといった感じだ。仕事が終わると彼らだけでつるんでいたため、自分はほとんど相手にされなかった。

こういった群れたがる連中は嫌いだから、特にどうとも思わなかったが、やっぱり一人で行動するのは寂しい。そんなところに、いかにもやんちゃそうな男子が一人でやって来たものだから、たちまち意気投合した。彼は自分より一つ年下だったが、いかにも不良っぽい面構えで、一緒にいて頼もしかった。

なにしろ、年上の人間にもすべてタメ口で話しかけ、同い年のバイト仲間からは敬語で話しかけられるという貫禄だ。自分も例外ではなく、最初から普通にタメ口で話しかけられた。最初はカチンと来ないこともなかったが、すぐに仲良くなり、2人でコンビを組んでいろいろとバカなことをして楽しんだ。

それからも何人かバイト連中が増えて仲良くなっていき、気付いたら九州から来た四人組はすっかり少数勢力となって浮いた存在になっていた。友達連れで来るのならせいぜい3人連れまでが限界で、それ以上の人数になると融通が利かなくなり、集団の中で浮いてしまう可能性が高い。結局は、一人が一番身軽でいいということだ。

バイトのシフトは3交代制で、自分は朝番と夜番を担当していた。朝は7時くらいから店を開けて、夜は22時くらいに店を閉める。仕事のない昼は旅館の部屋に戻って仮眠をとり、夜は麻雀をしたり、クルマで来ているバイト君にお願いして富士五湖周辺をドライブしたりと、それなりに青春っぽく楽しんでいた。

そんなある日のこと、夜番のバイトでレジを打っていると、若い女子の二人連れが「写真を撮ってもいいですか」と声をかけてきた。自分はてっきり、「店の中で写真を撮りたいのだけれど問題ないですか」という意味で話しかけてきたのだと思ったので、かまわないですよと答えた。

ところが、一方の女子がもう一方の女子に「よかったね。さあ、並んで」などと言っているではないか。この時点でようやく、この女子は自分と並んで写真を撮りたいのだということに気付いた。おいおい、オレ様があまりにも素敵だからって、惚れたらヤケドするぜ、ハニー、などと心の中で鼻の下を伸ばしながら写真に収まった。

これ以外にも、バイト中に女子から写真をお願いされたことが1〜2回あったと思う。1ヶ月の間に2〜3回も女子のほうから声をかけられるなんて、なかなかのものではないだろうか。いまから思えば、このときが自分の人生における最高のモテ期だったような気がする。

それ以降は、これほどの大波は経験することなく、ベタなぎの日々を過ごすことになる。ほんの2〜3回女子から声をかけられただけのことが人生における最大のビッグウェーブというのも悲しい気がするが、まったく何もないよりはずっとマシだと思う。自分にとっての一番の自慢として、忘れないようにここに記しておこう。



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