10/05/23

青春の大学生活 - 怠惰なチャレンジ

最近は週末になると晴天に恵まれることが多く、休みの日は気が付くと流星号にまたがっている。いまは一年で最も気持ちのいい季節だから、梅雨入りしてサイクリングができなくなる前にせいぜい乗りだめしておこうと思う。そんなサイクリングモードの気分で、今回は青春の大学生活の続きを書いてみたい。

入学直後から続けていた大学近くの雀荘でのバイトは2年生に進級したときにやめて、それからは工場を中心とした短期のバイトで食いつないでいた。当時はバブルの真っ只中で景気がよかったから、都内にも大企業が操業する工場がたくさんあって、短期のバイトには困らなかった。

当時は24時間操業の工場が多かったから、時給のいい深夜の時間帯を選んで仕事をしていた。それも、夜の8時から翌朝の8時までという過酷なシフトをわざわざ選んでいた。このシフトだと、1日働いて約1万円の収入になる。こうしたバイトは大抵が2週間くらいの期間で募集していたから、この期間を無休で勤務すると14〜15万円くらいの稼ぎになった。

時間的にもかなりキツいバイトだったから、その後は反動でダラダラと過ごすことが多くなった。1年生のときには1ヶ月で4〜5万円くらいをバイトで稼いでいたから、この工場バイト1回でそれまでの3ヶ月分くらいを一気に稼ぐことになるため、当分はバイトをしなくても生きていくのには困らなかった。

しかし、当時は麻雀のほかにはこれといった趣味もなかったため、別に何をするわけでもなく、ただひたすらに部屋でゴロゴロするだけのことだ。人間の生活リズムというのは面白いもので、欲望のままにダラダラと過ごしていると、次第に夜型の生活パターンになっていく。

最初のうちは夜の11時くらいに寝ていたのに、毎日1時間くらいずつ就寝時間が遅くなっていき、最終的には昼夜がすっかり逆転した生活パターンになってしまった。人間の体内時計は25時間にセットされているという話はよく聞くが、実際にこうした体験がある自分としては激しく納得できる。

しかし、夜中の間ずっと起きているからといって、特に生産的な活動をするというわけではない。これといって面白くもないテレビをずっと眺めて、眠気が襲ってくるのをじっと待っているだけのことだ。深夜の1時から2時くらいまではまだそれなりに面白い番組も流れているが、3時くらいになると激しくつまらなくなる。

やけに古臭い映画などがこの時間帯の定番の番組で、こうしたつまらない映画を見ながら、これでやっと寝られるかもしれないと期待するのだが、いつの間にかストーリーに入り込んでいたりするから困る。まったく面白くない映画でも、ちょっとエッチなシーンが出てきたりするだけで途端に目が冴えてしまうのも凄く困る。

この深夜映画の時間が過ぎると、本格的につまらない番組の時間帯になる。眠気を催すような音楽に乗せて、ローカル線が走る沿線の風景を延々と流したりするような番組が記憶に残っている。いったい誰がこんなつまらない番組を見るんだよと思いながら、そういうお前が見てるじゃんと自分に突っ込んでいたことを思い出す。

しかし、こうした退屈な番組を見ても一向に眠気が襲ってこないのだから困る。外では新聞配達の音などが聞こえてきて1日の活動がそろそろ始まろうとしているのに、自分の一日はまだ終わろうともしていないのだ。結局はそのまま起き続けて、教育テレビの「高校2年 物理」みたいな番組まで見てしまう始末だ。

しかし、ここで突然ひらめいた。このまま順調に就寝時間をずらしていけば、最終的にはまた元の昼型の生活パターンに戻るんじゃね? という安易な考えだ。この素晴らしいアイデアを早速実行に移そうと、次の日から「高校2年 物理」だけでなく「高校 英文法」も見ようと頑張るのだが、どうしても「高校 英文法」の壁は越えられなかった。

不思議なことに、朝6時〜7時くらいになると、どうしても眠くなってしまうのだ。つまらない講義を頑張って聞いているのだが、自分でも知らないうちにスヤスヤと眠っていた。ある一定の時間までくると、それ以上は就寝時間はずれないものらしい。少なくとも、自分の場合はそうだった。

結局、この怠惰なチャレンジは失敗に終わった。しかし、このまま昼夜逆転の生活を続けていくのもさすがに人間としてどうかと思ったので、最後は酒の力を借りて強引に体内時計をリセットした。昼過ぎに起きているから夜を迎えてもまったく眠くないのだが、その身体にアルコールを流し込んで強引に意識を断っていたのだ。

いまから考えると、ものすごく無駄な時間を過ごしていたものだと思う。というか、いまの自分からは考えられない生活パターンだ。いまは窓の外が明るいというだけで部屋の中でじっとしていられないのに、昼間に寝ているなんてとんでもない。人間、変われば変わるものだが、昔はこんな自分もいたということだ。



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