10/04/04

青春の大学生活 - 使えない麻雀イカサマ修行(元禄積みと爆弾積み)

桜が開花しても寒い日が続いて、桜の花も寒さに震えていたのに、気付いてみればいつの間にやら満開になっている。結局のところ、今年の冬は寒かったのか暖かったのかよくわからないおかしな気候だった。春の陽気に誘われて咲いた桜たちも、その後の寒の戻りには少しばかり驚いたことだろう。

そんな感じで、ようやく満開になった桜の花を愛でながら、「青春の大学生活」の続きを書いてみたい。前回に引き続き、今回もまた麻雀ネタになることを最初にお断りしておきます。そろそろ麻雀ネタも終わりにしようと思っているので、もう少しだけお付き合いください。

さて、これまではフリー雀荘に通って麻雀修行をしていたのだが、イカサマについても修行をしたいと思うようになってきた。これは、高校生のときに愛読していた、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」の影響だ。この小説の中ではいろんなイカサマ技が描かれているのだが、本当にそんなことができるのか、自分でも試してみたくなった。

当時の自分の部屋には、冷暖房器具や冷蔵庫などの家電はおろか、カーテンすらもないような悲惨な状態だったが、なぜか麻雀牌と卓だけはあった。麻雀卓とはいっても、小さな安物のテーブルの上に麻雀用の緑色のシートを敷いただけのお粗末なものだったが、ヒマがあればこのお手製の麻雀卓で牌をいじっていた。

まず最初に練習したのが、「元禄積み」と呼ばれる技だ。これは、自分のツモ筋に合わせてあらかじめ自分の山に必要な牌を仕込んでおく技だ。ツモ筋には上山/下山と外筋/内筋があって、上山の外筋に積み込む場合は、以下のような山を作ることになる。

 上山
 下山

こうしておけば、自分の山から牌をツモるたびに、マンズが1枚づつ入ってくることになる。この積み込みはそれほど難しくはなく、ちょっと練習すれば誰でもできるようになる。コツは、5+3+3という牌の枚数だ。この例の場合、最初にで芯を作り、その両脇に任意の牌をくつっけ、その両脇にを付けてというセットを作る。

こうして最初の5枚セットを積んだら、次は右手と左手でそれぞれの3枚セットを作り、最後にの3枚セットを作れば、見事に一色元禄の完成だ。しかし、この技の欠点は(というか、積み込み系の技に共通する欠点だが)、最初に振るサイコロの目がうまく出ないと、せっかく積み込んだ牌が他家に流れてしまうということだ。

また、途中で他家から鳴きが入ると、ツモ筋がずれてしまうという弱点もある。要は、サイコロの目がうまく出て、なおかつ他家からポンもチーも入らなかったときに限って成功する技で、実際に使うには不確定要素が多すぎてなかなか難しい。

自分も実戦で国士元禄を積んだことがあるが、サイコロの目がうまく出て、かつ途中まで他家から鳴きも入らず順調に聴牌まで来たのだが、あと一牌というところで横から鳴きが入って国士はあがれなかった。結局、実戦でこの元禄積みが成功したことは一度もなかった。

次に練習したのが「爆弾積み」という技だ。元禄積みがツモ順に合わせた技なのに対して、この爆弾積みというのは仕込んだ牌を配牌のときにごっそり持ってくるという技だ。サイコロの目によって積み込む位置は変わってくるが、5の目を出すと想定した場合の積み込み例を以下に示してみる。

 上山
 下山

これでサイコロの目がうまく5と出てくれれば、配牌を開けただけでいきなり役満チャンスが訪れるというわけだ。しかし、この技もサイコロの目に左右されるという欠点がある。ひとつ間違えば、他家にこの仕込みがごっそり入ることになって非常にリスキーだ。また、上下の山に仕込むことになるため、元禄積みに比べて格段に難しくなる。

しかし、もっと簡単に仕込むことができてしかも効果的な爆弾積みがある。それが「ドラ爆弾」という技だ。これは基本的には爆弾積みだが、上のような三元牌を積み込むという派手なものではなく、自分の手にドラを仕込むという地味なものだ。サイコロで9の目を出すと想定した場合の積み込み例は以下のようになる。

 上山
 下山

これでサイコロの目がうまく9と出てくれれば、配牌を開けただけでいきなりドラ4内蔵の大物手になる。このドラをカンするとカンドラも4枚増え、さらにリーチをかけてあがれば裏ドラも4枚増えて合計ドラ12となり、これだけで数え役満になる。ただ、さすがにここまではやりすぎだし、上下の山に仕込むというのも難しい。

そこで自分が考えたのが、「ドラ対子爆弾」というしょぼい技だ。上記の例と同じくサイコロで9の目を出すとすると、以下のように仕込む。

 上山
 下山

このように、上山にたった3枚仕込むだけだ。これならば、左手での3枚セットを作りながら右手でのセットを作るだけで仕込みは完了する。後は、その両脇に任意の3枚セットをくっつけ、最後に左手で2枚セット、右手で3枚セットを付けるだけだ。

つまり、たったのワンモーションでを仕込むことができるというわけだ。これでサイコロの目がうまく出ればいきなりドラドラの手になるし、うまく目が出なくても、他家にが対子で入るだけだから何の支障もない。相手の手の内を読む材料になるから、かえって有利になるくらいだ。

かなりしょぼい技だが、実戦ではけっこう使える。サイコロの目がうまく出なくとも他家に仕込みがバレることはまずないから、何度でも仕込むことができるというのもメリットだ。サイコロの目によっていくつかの積み込みパターンを練習しておき、親のときだけでなく子のときもこの対子爆弾を仕込むようにすれば、間違いなく勝率はアップする。

ということで、いくつかイカサマ技を修行したのだが、この当時のフリー雀荘はすでに自動卓が普及していたため、こうした技を使うチャンスはなかった。もしチャンスがあったとしても、フリー雀荘でこうした拙い技を使う度胸はなかっただろう。仲間内で打つときにこっそりと試しては喜んでいたというのが正直なところだ。



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