10/02/14

国母くんのウェア問題について

事前の盛り上がりをほとんど見せないまま、冬季オリンピックがこそっと開幕したらしい。自分はウインター・スポーツにはあまり興味がないので、今回のオリンピックが盛り上がらなくても一向にかまわないのだが、どうやら別のところで盛り上がっているらしい。それは、スノーボードの国母くんの問題だ。

ユニフォームを崩して着たことで批判の声が上がり、その後の会見でもまったく反省していない態度だったため、さらに批判が集中しているらしい。国母くんが通っている東海大学にまで苦情の電話やメールが入っているようだが、そこまで熱くなるのもどうかと思う。どう考えても、大学側に管理責任はないだろう。

前回のトリノ大会でも、成田童夢くんの素敵すぎる言動に批判が集まったが、今回もやっぱりスノーボーの選手が問題を起こした。正直なところ、スノーボーダーはみんなバカなんじゃないかと思う。バカしかいないのなら、今後はスノーボード競技には選手を派遣しないでほしい。

そうは言っても、国母くんの気持ちもわからないでもない。若い頃はだれでも、とかく人とは違うことをしてみたくなるものだ。みんなと同じ服装をしてかしこまるなんて、ちょっとした屈辱感すら覚えるものなのかもしれない。まだ21歳という若さなのだから、そうしたやんちゃさが残っていたとしても無理はない。

ただ、やっぱりもう少し賢くなったほうがいいと思う。前回のオリンピックで童夢くんやメロちゃんが叩かれたのは、その天然さにも原因があるが、結局は「頭が悪そうだ」と思われたからだ。頭が悪いくせに大口をたたく人間は、間違いなく嫌われる。国母くんと童夢くんとではタイプが違うが、同じくらいに頭が悪そうだという印象はある。

それはともかく、ちょっと国母くんのことを調べて驚いたのが、彼はすでに結婚しているということだ。学生の身分でどうやって生活しているのだろうか。プロのスノーボーダーとはいえ、スノーボード自体がマイナーなスポーツだからそれほど稼げないだろう。とはいえ、この若さで結婚しているというのはなかなか立派だ。

しかし、プロのスノーボーダーというのも微妙だ。おそらく、選手生命はそれほど長くはないだろう。現役バリバリでいけるのは20代までで、30歳を超えると体力的にも厳しくなるのではないか。少なくとも、加齢臭が気になるお年頃まで現役を続けられるとは思えない。

こういう人たちは、引退後はどうするのだろうか。30歳で引退するとしても、その後の人生はまだ50年も残っていることになる。この50年間を生きていくためには何かしらの仕事をする必要があるが、それまでにプロボーダー以外の職歴がない人間は、何をして生きていけばいいのだろう。

プロゴルファーなら、どこかのゴルフ場でレッスンプロとして生きていく方法があるし、プロ野球選手なら職員やコーチとして球団に残るという選択肢がある(それにしたって、難しいだろうが)。しかし、ゴルフや野球と比べた場合、スノーボードというスポーツはまだまだ経済的に成熟していない分野だ。

おそらく、プロボーダーの引退後の生活は厳しいと思う。もしかしたら、コネを頼って仕事を紹介してもらうことになるかもしれない。そうした場合に重要になるのが、それまでの周囲からの評価だ。真面目、誠実、努力家、明るいなどの評価があれば、仕事をお願いしたいと考える人間は必ず出てくる。

しかし、舌打ちをしながら「反省してまーす」などとふざけた態度で会見するバカを使おうと考える人間は、おそらくそれほど多くはない。こうした悪印象というのは意外なほど長く尾を引く。第一印象で「コイツは頭が悪い」と思われると、その印象を覆すのは容易ではない。

プロボーダーという不安定な立場を考えれば、国母くんは自分の言動にもっと慎重になるべきだったと思う。しかし、若いうちはこうしたことがわからない。まるで自分ひとりで生きているような気になって、周囲の忠告などまるで耳に入らない。実は周囲の人たちに支えられて生きているなんてことには思いが至らない。

おそらく、何年後か何十年後かに、今回のことを深く反省する日がきっとくると思う。「後悔先に立たず」とはよく言ったもので、そのときになって後悔しても遅いのだが、悲しいかな、それが若さというものなのだ。結論としては、今回のオリンピックは真央ちゃんとミキティーにだけ頑張ってもらいたいということだ。



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