独習のTOEIC 




英語の資格試験と言われて真っ先に頭に浮かぶのは、英検、TOEFL、TOEIC のいずれかだと思います。

日本国内では、知名度・受験者数ともに頭抜けているのが英検です。英検の存在を知らない人はいないくらい有名な試験です。英検の最高峰は当然1級なわけですが、やはり難しいです。さらにやっかいなことに、1級の難易度は年々増している感じがします。たまに古本屋で15年くらい前の1級の問題集を手に取ることがありますが、レベル的には今の準1級と同じか、もしかしたらそれ以下といった印象を受けます。1級の合格率自体はほとんど変わっていませんから、英検側としては合格率を一定にすべく、試験の難易度を変えているのだと思います。

アメリカの大学に留学を希望している人にはTOEFLは避けて通れない試験です。いや、避けて通って留学した人もきっといるんでしょうね。自分は1回も受験したことがないのでよくわかりません。

TOEICに関しては、最近各企業が社員を採用する際の基準として考慮するケースが増えてきているという話をよく聞きます。つまり、我々ビジネスマンのコミュニケーション能力を計るための試験と言えます。外資系企業に就職あるいは転職を希望している人にとっては、まさに避けては通れない試験と言ってもいいでしょう。そういった意味で我々社会人にとっては「英検よりもTOEICと言えるかもしれません。点数で客観的に自分の実力を測ることができますから、定期的に受験して、自分の実力の伸びを点数として実感することをお勧めします。


 TOEIC受験体験記

自分はTOEICが結構好きで、これまでに何回か受験しています。やはり点数で自分の実力を知ることができるというのが、TOEICの最大の魅力です。点数が上がるとやる気もでてきます。TOEICの点数を上げるために英語を勉強する、というのでは本末転倒かもしれませんが、自分はそれもありだと思っています。英語学習を習慣付けすることができるのであれば、こういった試験を積極的に利用するのは正解だと思います。


 第1回目受験 ( 1998年5月 L:365 R:420 TOTAL:785)

初めての受験ということで、かなり気合を入れて臨みました。

一応事前に試験の形式は調べておいたので、「聞いてないよ!(by ダチョウ倶楽部)」なんてパニックに陥ることはありませんでしたが、リスニングの速さには正直まいりました。パート1はまだしも、パート2、パート3と進むにつれてもうお手上げ状態になりました。パート4に至っては自信を持ってマークできた問題は1問もなし、という悲惨な結果に終わりました。しっかりしろよ、自分。

リーディングの方はというと、とにかく問題の量が圧倒的に多いということは知っていましたので、飛ばせるだけ飛ばして解答しました。一通り解答して20分ほど余っていましたから、かなり飛ばしたと思います。

試験直後の感触としては、リスニング60%、リーディング75% という感じで、当初の目標である800点はかなり厳しいだろうと思っていましたが、実際に送られてきた785点というスコアを見ると、やはり多少ヘコみました。特にリスニングのひどさは、ある程度予想していたとは言え、改めて現実を思い知らされてかなりショックでした。

「何言ってんの、リスニング60% のできで365点なら上できじゃん、なんでヘコむ必要があんの?」なんて思う方もいらっしゃるでしょう。一度でもTOEICを受験したことのある方ならわかると思いますが、TOEICは自分の感触の1割〜2割増しのスコアが返ってきます。特にリスニングにその傾向が顕著です。その上、平均点を見てもわかる通り、リスニングはリーディングより約50点ほど上です。自分の場合、リーディングの点数を基準にして考えると、リスニングは470点くらい取れないといけないことになるわけです。なのに、470点どころか、100点以上も低い365点しか取れなかったわけですから、ショックを受ける気持ちもわかって頂けるでしょう。


 第2回目受験 ( 1998年11月 L:425 R:420 TOTAL:845)

前回の試験でリスニングの弱さをいやと言うほど実感したので、リスニング対策としてディクテーションをやってみましたが、3日と続きませんでした。いくら聴いたってわからないものはわからないし、テキストを見ても「本当にそんなこと言ってる?」って思うほどですから、続くわけがありません。この間やったことと言えば、相も変わらずペーパーバックを読み、TIMEを読み、CNN・BBCニュースを聴く、といった勉強とも言えないくらいのものです。

こんな感じで特に対策を立てて臨んだわけでもないのですが、どういうわけか、リスニングは前回よりかなりできた手応えがありました。解答している最中に、「あれ? もしかして結構わかるかも」と思ったのを覚えています。

リーディングの方は前回同様意識して飛ばして15分ほど余りましたが、前回より難しかったように感じました。

試験直後の感触としては、リスニングは間違いなく前回の得点を上回っていると確信できましたが、リーディングが難しかった分を考えると、800点は微妙だというのが正直なところでした。それだけに、845点というスコアを見た時には正直に嬉しかったです。

得点がアップした要因を考えると、まず試験慣れしたということが挙げられるでしょう。実際に、何も準備せずに初めて受験した場合と、2回目に受験した場合とでは50点くらいスコアが違うという話もあるようですから、自分の場合もこのパターンなのだと思います。ただ、リスニングの点数だけが上がったことを考えると、ある程度リスニング能力が上がったと考えるのが自然だと思います。これまでの地道なインプットが成果を見せ始めた、といったところでしょうか。

いずれにしろ、これまでの学習方法は効率の良し悪しは別として、大きく間違ってはいないと確信できました。


 第3回目受験 (1999年5月 L:425 R:425 TOTAL:850)

前回の得点アップに気を良くして、今回は30点アップの875点、あわよくば900点を目標にして臨みました。

勉強方法は以前とまったく変わらないものの、意識してリスニングの量を増やすようにしました。ところが、リスニングのわからないこと。初めて受験した時と同じような絶望感を味わいました。前回ほのかに見えた(と思った)希望の光は何だったのでしょうか。

逆にリーディングの方はかなりできた手応えがありました。時間的には10分ほど余りました。

直後の感触としては、リスニングのできが最悪だったため、下手したら800点を切るかもしれないと思いました。実際のスコアは850点だったので、ほっと一安心、と同時に、リーディングが思ったより悪かったのでがっかり、といった微妙な感じでした。

前回のようにリスニングが伸びることを期待していたため、実際のできは前回と同じなのに、過剰に期待した分、手応えがなかったということでしょう。


 第4回目受験 (1999年11月 L:445 R:445 TOTAL:890)

前回から今回の受験までの間、急に仕事が忙しくなり、残業や休日出勤が続いたため、満足な勉強ができませんでした。不本意な状態で受験して点数を落とすよりは、今回の受験は見送って納得できる状態で受験しようかと思ったくらいです。ただ、TOEIC本部から割引受験票が送られてきたので、貧乏性な自分はつい申し込んでしまいました。とにかく今回は10点でもアップすれば奇跡だと思って受験しました。

予想通り、試験は最悪のできでした。とにかく、リスニングがわからない。一つの問題にこだわってしまって、次の数問を聞き逃してしまうという、リスニングにおいては絶対に犯してはならないミスを連発してしまったのです。

リーディングはいつもの通りで可もなく不可もなく。時間としては8分ほど余りました。

これまでの3回の受験体験からして、最悪 L:400 R:420 最高 L:430 R:430 くらいだろうと思っていましたから、890というスコアを見た時には、正直なところ意外でした。いや、もちろん嬉しかったですが。

何より嬉しかったのは、リーディングのスコアがアップしたことです。アップしたとは言っても初受験からわずかに25点上がっただけですから、統計上の誤差の範囲内に収まってしまうのですが、やはり自分としては素直にリーディング能力がアップしたものと信じたいです。


 第5回目受験 (2000年11月 L:440 R:430 TOTAL:870)

1年ぶりの受験となった今回は、直前まであまり緊張感が湧いてこなかったのですが、こうしてHPを公開した以上、得点がダウンするという事態だけは避けなければ、という変なプレッシャーがありました。目標は30点アップの920点に設定して臨みました。

リスニングはパート1,2,3とも望外のできで、「残りのパート4さえクリアできれば、満点近い点数も夢じゃない」とつい色気を出してしまい、いつもの「半分捨てる」という作戦を捨て、全問取りに行ったのですが、やはりまだ自分の実力ではパート4に真正面から取り組むのは無理だったようで、かなり悲惨な結果に終わりました。

リーディングは必要以上に飛ばしてしまい、時間としては25分ほど余りました。その後の見直しで5問の誤答を発見したので、やはりもっと慎重に解答すべきだったと思います。

結果としては、リスニングのパート4と、リーディングのケアレスミスが心配でしたが、それ以外は今までで1番納得の行くできでした。前回の時と比較しても得点アップはまず間違いないと確信していました。L:470 R:450 くらいだろうと予想していましたから、この結果を見た時にはかなり落胆しました。この試験は偏差値方式で得点が決まりますから、自分の感触と多少ズレることがあることは理解できますが、これほど自分の感触があてにならない試験というのも珍しいと思います。

いずれにしろ、現在の自分の実力はまだまだなんだと改めて痛感しました。この悔しさは次回の試験で必ず晴らします。


 第6回目受験 (2001年11月 L:445 R:435 TOTAL:880)

今年は受験するつもりは無かったのですが、タイミング良く(悪く?)TOEIC本部から割引受験票が届いたので、つい受験してしまいました。今回こそは900点の大台を超えたいと思って試験に臨み、その目標はクリアできなかったものの、この結果には一応納得しています。と言うのも、リスニングパートで致命的なケアレスミスを犯してしまったにも関わらず、スコアは下がらなかったからです。

リスニングのパート3も残り5問というところで、解答用紙のマークが1問ずれていることに気付きました。良く見てみると、10問くらい前のところで、1問飛ばしてマークしています。この瞬間にパニックに陥ってしまいました。もう頭の中は真っ白で問題文など全く耳には入って来ません。「とりあえずこのままマークして、リスニングパートが終わったところでずれている部分を書き直そう」と一応の対策を決定した時には、すでにパート3は終わっていました。すっかりペースを乱してしまった結果、続くパート4も散々のできでした。

ずれた部分を修正してから臨んだリーディングパートでは、「いくら頑張ったところで、スコアアップは不可能だ」という思いが頭をよぎり、どうにも集中できませんでした。「このまま帰っちゃおうかな」なんて半分やけになって解答してしまいました。リスニングパートの修正に時間を取られたこともあり、時間的には5分くらいしか見直しをする余裕がありませんでした。

リスニングパートで間違いなく20点は取りこぼしてしまったという思いがあったので、このスコアには満足とまでは行かないものの、ダウンしなかっただけでも上できだというのが素直な感想です。PERCENTILE RANK も、890点をマークした時(96.9%)よりも何故か今回(97.3%)の方が良かったので、「まあ、今回はこんなところで勘弁しておいてやるか」みたいな感じです(笑)。それにしてもこんなイージーミスを犯してしまうなんて、本当に情けない(泣)。

今回は言い訳ばかりになってしまいましたが、次回こそは納得できる結果を残したいと思っています。


 第7回目受験 (2002年11月 L:465 R:455 TOTAL:920)

7回目の受験にしてようやく900点オーバー達成です。ここのところ900点を目前にして足踏み状態だったので、嬉しいというよりもむしろホッとしました。

リスニングはパート3の後半で何問かリズムを崩してしまいましたが、それ以外はまずまずのできでした。特にパート4は自分としては快心のできで、8割くらいは取れたのではないかと思います。先に設問に目を通しておき、解答を探しながら問題文を聴く、というリズムを最後まで崩すことなく乗り切ることができました。

パート1では、過去の試験で出題された問題が2問ほどありました。おそらく他のパートでも同じ様に過去の問題を使い回しているのだと思います。

リーディングはパート7の読解問題がかなり難しく感じました。2問ほど考え込んでしまう設問があり、一通り解答し終えた時には5分しか残っていませんでした。

直後の感触としては、「リスニングはスコアアップを期待できそうだ、リーディングは難しかった分、逆にアップするかも」といった感じでした。結果としてはリスニング・リーディングともに前回より20点アップということで、本当に珍しく自分の感触通りの結果になりました。

気が向いたらまた受験するかも知れませんが、ひとまずこれでTOEIC受験は終わりにします。次は英検にチャレンジしようかと思っています。英検は中学二年の時に取った4級きりなので、まずは3級から挑戦です。



 TOEIC受験対策

TOEICに限らず、試験と名のつくものはあるほど度対策を立てることが可能です。現在は各種試験の様々なハウツー本が市販されています。仕事上、短期間である程度の結果を出さなくてはならないという人は、こういったハウツー本を積極的に利用するのも一つの手でしょう。こういう人にとっては、英語なんて自分の目標を実現するための一つの手段に過ぎないわけですから、どんなに姑息な手段であろうとも、結果を出すことを最優先すべきです。結果が手段を浄化します。

純粋に自分の英語力を伸ばしたいという人は、こういったハウツー本に載っているようなある種その場しのぎのテクニックには興味がないでしょう。ですが、試験馴れするにつれて、自分なりのテクニックというものを身につけているものです。テクニックというよりはコツでしょうか。

 リスニング(パート4)対策

リスニングにおいて一番厄介なのが、パート4だと思います。

70words〜100wordsくらいの英文が読み上げられ、その英文に対する2〜3問の設問に答えるという形式です。読み上げるスピードは1分間につき150wordsくらいでしょうから、一つの問題は30秒〜40秒くらいで読まれる計算になります。30秒と聞くと、そんなに大した量ではないと感じるかもしれませんが、実際に聞いてみるとかなりタフです。その上更に、英文で書かれている質問と、それに対する4つの選択肢を読んで解答しなければいけないわけですから、リスニング力と同時に、ある程度の速読力も必要になってくるわけです。

実力のある人は何の苦も無く解答できるのでしょうが、一般の受験者は、全ての設問に対してきちんと解答しようとしてはいけません。そんなことをすれば下手をしたら1問も満足に解答できなかった、という最悪の事態にもなりかねません。初めて受験した時の自分がそうでした。

ここは思い切って半分捨てましょう。2〜3問ある設問の内(大半は2問です)最初の1問だけに集中するのです。

問題文が読まれるまでの間に設問に目を通しておけば、ある程度これから読まれる英文の内容を予測することができます。実際に英文が読まれたら、その設問に対する答えを探しながら聴くわけです。こうすれば、少なくとも1問は納得した形で解答できるはずです。2問目、3問目の設問に対しては勘でマークしましょう。でたらめにマークしても25%の確率で当たるはずですから、パート4全体としては50%前後は確保できる計算になります。このパートで5割正解できれば上できです。リスニングパート全体とすれば、間違いなく450点はマークできるでしょう。


 リーディング対策

リーディングは「語彙問題」のパート5、「間違い探し」のパート6、「読解問題」のパート7から構成されます。

TOEICは英検やTOEFLと違って、高度なボキャブラリーは必要有りません。英検準1級程度のボキャブラリー力があれば、まずTOEICの語彙としては問題ないでしょう。

そういう意味でパート5の「語彙問題」は比較的易しいと言えるでしょう。ただし、単純に単語の意味を知っているだけでは正解を導き出せないような設問が大半ですが、それも基本的な文法知識があれば容易に答えられる程度の問題です。例えば、
  I don't remember ever _____ him before, but he seems to know me well.
といった設問に対して、
  (A) have met (B) to meet (C) had met (D) meeting
とい
う選択肢が与えられているような場合です。"meet" の意味を知らない人はいないでしょうが、こういう形で出題されると多少迷うかも知れません。しかし、冷静に考えれば学校の授業で習っているはずの文法ですから、容易に正解を導き出せるでしょう。

英検1級に出題される「本当にこんな単語必要なの?」と言いたくなるような、いわゆる "BIG WORD" はまず出題されませんから、安心して臨みましょう。あまり安心し過ぎてもいけませんが。

リーディングの鬼門は間違いなくパート6でしょう。

このパートではもちろん基本的な文法知識も問われますが、かなり高度な知識も必要になります。
例えば、
  She told me it wasn't far, but it turned out to be a four hours drive.
         (A)                  (B)  (C)     (D)
この文の(A)〜(D)のうち、どれが間違いか一目で解ったあなた、ひょっとしてプロですか?

この問題は実際の試験に出題されたものではなく、手許にあった問題集から拝借したものですが、本番の試験においても、「えっ、全部正しいんじゃないの?どこが間違いなの?」と言いたくなるような問題が何問かありますから、きっとこの例題くらいのレベルの問題は出題されていると思います。根本的な対策としてはもちろん文法を徹底的に勉強することですが、実際の試験に際しての一番有効な対策は、「勘で解け!」ということに尽きるでしょう。こんなの、いくら考えたって解らないものは解りません。こんなところで時間を使うよりは、考えれば解るパート7に時間を使った方が断然賢い選択です。

最後のパート7は是非とも得点源としたいところです。

英文自体は非常に平易です。広告文やFAXでの文章といった、まさに日常生活でごく普通に目にするようなものばかりですから、特に高度な語彙は必要有りません。設問もほとんどが素直なものばかりですから、深読みし過ぎて失敗するということもまず有りません。ただ、英文の量はかなりのものがあります。速読に馴れていない場合、意識して飛ばさないと、全問解答することは難しいかも知れません。

対策としては、日頃から英文を読む習慣をつけておくことです。英字新聞、ペーパーバック、英語雑誌等、自分の好きなものでかまいません、とにかく日常生活に英文を読むという習慣を取り入れることです。

結局のところ、英語には即効性の有る特効薬はないということです。急がば回れの諺通り、遠回りに思えても地道にインプット重視の勉強を続けることが結局は実を結びます。

安易に高い教材や英会話教室に投資するのは危険です。まあ、金が余ってしょうがないという人は思いっきり投資して下さい。底無しの不景気の現在ですから、幾らかの経済効果はおそらくあるでしょう。




 TOEIC独習の心得

 TOEICは英語学習のペースメーカーとして利用すべし
 解らない問題に固執するべからず
 TOEICの最も有効な対策は日々の地道な学習にあると心得るべし


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