ANNE RICE 




 ホラー小説で有名なアメリカの女性作家。
 1941年にルイジアナ州のニューオーリンズで生まれた作者は、高校までカトリック系の学校に通うが、若い頃に無神論者になる。大学を卒業して結婚し、娘にも恵まれるが、1972年にその娘を病気で亡くしてしまう。その後、1976年に処女作となる「Interview with the Vampire」を出版し、息子にも恵まれ、意欲的に作品を発表してゆく。1994年に公開された映画「Interview with the Vampire」が大ヒットし、世界的に有名な作家となった。
作者の書く文章は、語彙のレベルが高く、一冊のボリュームも相当あるので、て、あまり読みやすいとは言えない。ペーパーバック初心者にはお勧めできないけれど、ホラー小説が好きな人ならばチャレンジしてみてもいいかも。




THE QUEEN OF THE DAMNED  12/11/11 更新

 読み易さ 
 面白さ   

長い眠りから目覚めたレスタットは、人間とバンドを結成してボーカルとしてデビューし、たちまちロックスターとなる。しかし、レスタットの歌声により、すべてのバンパイアの創造主であるアカシャが数千年の眠りから目を覚ます。アカシャはその強大な力で世界中のバンパイアを次々に焼き殺し、レスタットをさらって自分のパートナーにしてしまう。アカシャは、平和な世界を実現するために、世の中のほとんどの男性を殺害するという恐ろしい計画を実行に移す。残されたバンパイアたちが集合して打開策を話し合うが、創造主であるアカシャを滅ぼすことは、自分たちをも滅ぼしてしまうことを意味していた。

 バンパイアシリーズの3作目となるこの作品では、前作で登場した主なバンパイアたちのほかにも、何人かのバンパイアが新しく登場し、かなりにぎやかな構成になっている。しかし、いくら不死身のバンパイアだからといっても、空間を瞬間的に移動したり、念じたたけで敵を燃やしたり、遠くにいる相手の考えを読んだりできるなんて、設定があまりにも荒唐無稽すぎてついていけない。こういう「何でもあり」の設定にしてしまうと、いきなり出来の悪い三流ホラーになってしまって、読む気が失せる。
 このシリーズはこの後も続くらしいが、前作で張られた伏線はこの作品ですべて回収されているようなので、ここで読むのをやめて問題なさそうだ。というか、こんな荒唐無稽なストーリーにはもうついていけない。



THE VAMPIRE LESTAT  12/10/07 更新

 読み易さ 
 面白さ   

フランスの田舎に住むレスタットは、退屈な生活に辟易し、親友のニコラスとともにパリに出る。役者の才能を持つレスタットは、小さな劇団に入って俳優として活躍し、音楽の才能を持つニコラスは、その劇団でバイオリンを弾いて生計を立てる。そんなある日のこと、レスタットはバンパイアのマグナスに連れ去られ、バンパイアにされてしまう。バンパイアとして生まれ変わったレスタットは、危篤状態の母親ガブリエルをバンパイアにし、ニコラスをもバンパイアにしてしまう。やがて、何千年もバンパイアとして生きているマリウスに出会い、バンパイアの起源について知ることになる。

 バンパイアシリーズの2作目となるこの作品では、前作で脇役だったレスタットが主役となって一人称で語るという形式になっている。前作ではどうしようもない悪役として描かれていたのに、本作では繊細で思いやりのある「いい人」として描かれているので、少しばかり驚いた。きっと、最初からシリーズ化するつもりではなく、後から無理やりシリーズ化したのだろう。物語の最後のほうで、前作での非道な行為を自ら弁解する場面があるが、まさにとって付けたような言い訳だ。
 ストーリーについては、何千年も前のバンパイアの起源にまでさかのぼるという壮大な展開になっているが、どこに注目して読み進めていけばいいのかわからず、ダラダラとしたまま終わってしまった印象だ。ただ、次回作の盛り上がりが期待できそうな展開がラストで出てきたので、次作も読んでみようと思う。



INTERVIEW WITH THE VAMPIRE   12/06/03 更新

 読み易さ 
 面白さ   

バンパイアのルイスは、あるジャーナリストのインタビューに答える形で、200年にもおよぶ自分の人生を語り出す。18世紀末のニューオーリンズで農場を経営するルイスは、弟の死に責任を感じて悩んでいた。そんなとき、バンパイアのレスタットが現れ、ルイスをバンパイアにしてしまう。バンパイアになってからも、人間としての良心を捨てきれないルイスは、バンパイアとしての自分に思い悩む。しかし、幼い少女クラウディアの血を衝動的に吸ってしまい、それが原因でクラウディアもバンパイアになってしまう。バンパイア3人の生活が始まるが、レスタットとクラウディアの仲が次第に険悪になり、クラウディアはついにレスタットの殺害を決意する。

 映画化されて有名になった作品だが、なんだかいろいろと納得できない部分がある。まず、3人揃って毎晩のように人間を襲っていたわけだが、これでバレないわけがない。当時は疫病などが流行していたから、バンパイアによる吸血死はそれほど目立たなかった、みたいな説明がちらりと出てくるだけで、合理的に納得できるような説明はひとつもない。また、バンパイアは永遠の命を持つという設定になっているが、つまりバンパイアは増える一方で減りはしないということだ。増え続けるバンパイアが人間を襲ったら、不審な死に方をする人間も増え続けるわけで、これが騒ぎにならないはずがない。つまり、この設定では、バンパイアがそれと知られずに人間社会で生活するのは不可能だということだ。
 そんなことが気になってしまい、肝心のストーリーに入り込むことができなかったが、人間の良心を持ったバンパイアという設定だけは面白かった。



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