JAMES PATTERSON 




 スリラー小説を得意とするアメリカの作家。
 1947年生まれの著者は、大学卒業後広告代理店に就職し、現在はその会社のCEOを勤める。1976年にエドガー・アラン・ポー賞を受賞し、それ以降何作か発表したが、どの作品も大して売れなかったとのこと。著者がブレイクするのは、1993年に発表された "Along Came a Spider" (邦題:多重人格殺人者)から。これはアレックス・クロスという黒人刑事を主人公に据えたシリーズの第一作で、本国アメリカのみならず、日本でも人気シリーズになっている。
 著者の書く文章は非常に平易で読みやすい。2〜3頁単位で細かく章分けする独特のスタイルも、読みやすさに一役買っている。




WHEN THE WIND BLOWS  05/10/29 更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のフラニーは2年前に夫を亡くした女性獣医。ある日フラニーは、背中に羽の生えた少女に遭遇して驚く。自分の目が信じられないフラニーだったが、ひょんなことから親しくなった FBI エージェントのキットを連れて少女を探し出すことに成功する。しかし、マックスと名乗る少女がなにかの組織に追われておびえていることを知った二人は、危険をかえりみず調査を開始する。「学校」と呼ばれる施設で遺伝子操作の人体実験が行われていることを突き止めるが、実験に関わった人間も次々に殺害されていることを知る。空を飛ぶ少女マックスを作り出した組織の真の目的とは。

 空飛ぶ少女という設定がありえなさすぎて、少しだけ引く。しかし、相変わらず軽いタッチでさらりと読めるので、これはこれでいいのかもしれない。
 ただ、章が変わるたびに語り手もコロコロと変わるのはどうかと思う。主人公のフラニーの一人称の語りがあるかと思えば、次の章では別の人間による三人称の語りが入るといった感じで、どうにも落ち着かない。ひとつの章が長ければまだしも、2〜3ページごとに章が変わるので、落ち着かないことといったらない。読み手を混乱させてまで、わざわざフラニーの視点を混ぜる意図がよくわからなかった。



SUZANNE'S DIARY FOR NICHOLAS  04/12/17 更新

 読み易さ 
 面白さ   

ケイティが恋人のマットからある日突然に別れを告げられるところから物語りは始まる。傷心のケイティのもとにマットから小包が届くが、その中に入っていたのは、マットの前妻のスザンヌが息子のニコラスにあてて書いた日記だった。日記を読み進めるうちに、夫のマットと息子のニコラスを心から愛するスザンヌに共感していくケイティ。しかし、日記の結末はあまりにも悲しいものだった。

 パターソン氏がこういうラブストーリーも書くとは思わなかった。しかし、残念ながらまったく面白くない。大したドラマもないし、各キャラクターの書き込みも浅いしで、まったくと言っていいほど感情移入できなかった。特にマットのヘタレぶりが最悪だ。どんな理由があるにせよ、恋人を妊娠させておいて逃げたらダメだろう。世間ではそういうのを「やり逃げ」と言う。逃げるにしても、避妊くらいはしておけと言いたい。
 結論としては、こういう薄っぺらいラブストーリーは、ダニエル・スティールにでもまかせておけばいいということだ。



VIOLETS ARE BLUE  03/08/24 更新

 読み易さ 
 面白さ   

アメリカ各地で次々に発生する猟奇殺人事件。被害者はいずれも全身を噛まれて失血死するという残忍な手口。事件を追うアレックスは、吸血鬼を信じるカルト教団の存在を発見し、捜査を進める。その一方で、謎の凶悪犯 "Mastermind" から「次のターゲットはお前だ」と脅迫を受けるアレックス。本作でついに明かされる"Mastermind"の正体とは?

 前作 "ROSES ARE RED" の続編らしい。ジャンルとしてはサイコスリラーということになるのだろうが、読んでいてまったくと言っていいほどハラハラドキドキがない。おそらく、極端に短い章立てがその理由だと思う。スピード感はあるが、じっくり読ませるというスタイルではないから、それぞれの人物の書き込みがどうしても弱くなってしまのだろう。
 本作において前作からの宿題である"Mastermind"の正体がようやく明かされるのだが、これが最初からバレバレで、あまり面白くない。せっかく前作でギリギリまで引っ張ったのに、これでは意味がないと思う。



ROSES ARE RED  02/08/15 更新

 読み易さ 
 面白さ   

人質を取って銀行を襲い、現金を強奪するという事件が連続して発生する。現金の奪取に成功したにもかかわらず、何故か不必要に人質を惨殺する強盗団。この事件の捜査を指揮するのは、FBI 女性キャプテンのベッツイと、主人公であるワシントン市警察のアレックス。そんな当局の必死の捜査をあざ笑うかのように、バスジャックを敢行し、3千万ドルという莫大な身代金を手に入れる強盗団。"Mastermind" と名乗る首謀者を追いかけるアレックスとベッツイだが、まるでその行動を見透かされているかのように、ことごとく先手を打たれてしまう。はたして "Mastermind" の正体とは?

 アレックス・クロスシリーズの第7作らしい。
 よくも悪くもサラッと読めてしまう。ミステリー仕立ての割にはプロットが単純だし、各キャラクターの書き込みも浅い。などと思っいながら読んでいたのだが、この作品はシリーズ物のうちの1作だということに途中で気付いた。こういうシリーズ物は第1作から通して読んでこそ意味があるわけで、いきなりこの作品だけを読んでも面白くないのは当たり前かもしれない。
 しかし、このラストだけはどうかと思う。真犯人を明かさずにラストまで引っ張っておきながら、いきなり「次回に続く」という終わり方は反則だろう。



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