MICHAEL PALMER 




 医学スリラー作品を得意とするアメリカの作家。
 1943年にマサチューセッツ州に生まれた著者は、1980年から1991年まで救急病棟で医師を務めていた経験を持つ。大学では、医学スリラーのジャンルにおいては第一人者であるロビン・クックの2年後輩にあたるらしい。アルコールと薬物依存から立ち直った自らの経験を活かし、作家活動のかたわら、同じように薬物依存に苦しんでいる医師のために、ボランティアのカウンセラーとしても活動している。
 医学スリラーということで色々な医学用語が出てくるが、大筋を追うのにはあまり支障はない。細かい用語にあまり神経質にならずに、ストーリーを楽しむことを心がければ問題なく読めると思う。




MIRACLE CURE  04/06/01更新

 読み易さ 
 面白さ   

大病院に心臓外科医として勤務する主人公のブライアン。その病院では、心臓病に対して驚異的な治癒率を誇る「バスクリア」という新薬の臨床試験が行われていた。心臓病を患う父親のジャックを案じるブライアンは、臨床試験を担当する医師に頼み込んで、なんとかジャックをバスクリアの被験者として治療を受けさせることに成功する。しかし、治療を始めて間もなく、ジャックは心臓発作により死亡してしまう。バスクリアにかすかな疑問を抱いたブライアンは、密かに過去の被験者のデータを調べる。治癒率75%という驚異的な数字の裏に隠された秘密とは?

 きっちりとサスペンスの基本を押さえた作品。ラストでそこそこ盛り上がる構成自体は悪くないと思う。ただ、主人公は「薬物中毒を克服した医師」として設定されているのに、この設定がストーリーの中であまり活かされていないのが惜しい。たとえば、敵に捕らえられた主人公が過酷な拷問を受け、薬物の入った注射器を目の前に差し出されるが必死に抵抗する、みたいな展開にすればそれなりに面白くなると思う。作者自身も薬物中毒を経験しているわけだから、それを活かさない手はないと思う。



EXTREME MEASURES  02/05/19更新

 読み易さ 
 面白さ   

大病院の救急病棟に勤務する医師の主人公エリック。医局長への出世に野心を燃やすエリックのもとに、ある日「カデュシウス」と名乗る謎の組織から、出世と引き換えに組織への協力を要請する電話が入る。失踪した兄スコットの行方を追うローラと知り合ったエリックは、スコットの失踪の裏で「カデュシウス」が関与しているのではと疑いを持つ。調査を進めて行くエリックとローラに次々と襲いかかる危機。スコット失踪の裏に隠された「カデュシウス」の恐るべき計画とは?

 ストーリーの冒頭部では、一見何の関係もないと思われる出来事が次々に発生し、物語が進むにつれてその出来事が一点に集約され、ラストで見事に全ての出来事の謎が解き明かされる、と言う構成になっている。自分は、こういう展開の作品は苦手だ。冒頭部ではストーリーがどこに展開して行くのかまったく見えてこないので、何を焦点として読み進めて行けばいいのかわからず、どうも集中できない。ただ、その分ラストは盛り上がるので、それでよしとしておこう。



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