L. M. MONTGOMERY 



 「赤毛のアン」で有名な、カナダの女性作家。
 1874年にカナダのプリンス・エドワード島に生まれた作者は、幼くして母親を亡くし、祖父母に引き取られる。やがて教師となるが、またしてもこの時期に父親と祖父を亡くしてしまう。一人残された祖母の世話をしながら、作者は「赤毛のアン」の執筆を始める。自身の少女時代の経験を基に書いた、1905年に出版されたこの作品が思いがけずベストセラーとなり、人気作家としての地位を不動のものにする。
 アンシリーズは、ストーリーの単純さの割には文章は決してやさしくはない。どうせ子供の読む作品だから、英文もやさしいんだろ、といった油断は禁物。今からおよそ100年前に書かれたシリーズだから、当然古臭い表現もある。若干の読み辛さは覚悟して臨むべし。




ANNE OF WINDY WILLOWS  04/09/29 更新

 読み易さ 
 面白さ   

アンのハイスクールでの校長先生時代を描いた「アンの幸福」。

 明るく優しく、周りの人たちを次々に幸せにしていくアンが帰ってきた。登場人物はとことん明るく、周囲の景色は純粋に美しく、ところどころにユーモアを散りばめ、ラストは絶対にハッピーエンド。自分がアンシリーズに求めるのは、まさにこういう陳腐なストーリー展開。そういう意味では、この作品はよかった。久しぶりにアンらしいアンに出会えて嬉しい。
 それにしても、二十歳そこそこのアンがいきなりハイスクールの校長を務めるというのはどうなんだろうか。この頃のカナダの教育制度にはかなり無理があるような気がする。とは言っても、こういう校長先生がいたら純粋に嬉しい。



ANNE'S HOUSE OF DREAMS  04/08/25 更新

 読み易さ 
 面白さ   

アンの新婚生活を描いた「アンの夢の家」。

 なんとも退屈だ。読んでいる途中で何度も睡魔に襲われた。大したエピソードもなく、近所の人たちとの噂話でダラダラとストーリーが展開していくのはいかがなものか。この作品に関しては他に言うことはなし。とにかくつまらなかった。でもって、読んでいる途中で気づいたのは、シリーズ第四作の「Anne of Windy Willows (邦題:アンの幸福)」を、うっかり読み飛ばしてしまったということだ。こういうシリーズ物は、最初から順番に読まないと意味がない。



ANNE OF THE ISLAND  04/04/12 更新

 読み易さ 
 面白さ   

アンの大学生活を描いた「アンの愛情」。

 「アンの愛情」の邦題通り、恋愛をテーマにした作品らしい。
 それにしても、なんとも純粋な恋愛物語だ。白馬に乗った王子様は、実は一番身近にいた幼なじみだったという陳腐なオチは予想通りで、もちろんそのオチを期待しながら読んだのだけれど、読後感はイマイチ。真剣にプロポーズをする純真な男子を振りまくるモテモテのアンがちょっとだけ鼻につく感じで、どうにもいただけない。計算高い美人という典型的な嫌われ者のキャラクター設定ではないが、悪気のない純真な美人というキャラクター設定というのも、読んでいてどうにも違和感がある。もう子供じゃないんだから、夢見る少女からは卒業したらいいのにと、読んでいて少しばかりイライラした。



ANNE OF AVONLEA  04/02/12 更新

 読み易さ 
 面白さ   

16歳から18歳までの、アンの新米教師時代を描いた「アンの青春」。

 前作が素晴らしかっただけにかなり期待して読んだが、どうにも中途半端な感じだ。前作と同様に、またアンはいくつもの失敗をしでかすのだが、成長した分だけ分別くささが加わって、前作のようにはじけるような無邪気さが感じられない。成長したアンに少しだけ期待を裏切られたような感じだ。しかたのないことだけれど、変に分別のついたアンを読むのは少し淋しい。



ANNE OF GREEN GABLES  03/12/11 更新

 読み易さ 
 面白さ    お勧め

説明不要の「赤毛のアン」。

 激しく面白かった。読む前は、「こんなの、女子供の読む本だろ」などと思い切りバカにしていたのだが、そんな自分が恥ずかしくなるくらいに素敵な作品だと思う。
 美しい景色に素直に感動するアン、自分の赤毛にコンプレックスを抱くアン、想像の世界に浸りきるアン。そのいずれもが、素直で心優しい少女の姿を生き生きと描き出していて、自分のようなひねくれた人間の心をも洗ってくれるような、新鮮な感動がある。特に、アンが話す大げさな表現がいい。これが中途半端に翻訳された日本語だったら、ここまで素直に感動できなかったかもしれない。原書を読む楽しさというのは、このあたりにもあるような気がする。自分と同じように、食わず嫌いのあなたに激しくお勧めしたい。



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