PATRICIA MACLACHLAN 




 児童文学で有名なアメリカの女性作家。
 1938年にワイオミング州で生まれた作者は、コネチカット大学を卒業して英語教師となる。その後結婚した作者は、養子縁組や里親に関する記事を執筆する。やがて児童文学の作家としてデビューするが、家族愛をテーマとする作風はこのときの経験が基になっているらしい。日本では、1986年に出版された "Sarah, Plain and Tall (邦題: のっぽのサラ)" が最も有名。
 児童文学ということで、当然ながら文章は読みやすい。これからペーパーバックに挑戦したいと思っているあなたにお勧め。




MORE PERFECT THAN THE MOON  07/10/20 更新

 読み易さ 
 面白さ   

長女のアンから弟のケイレブへと書き継がれてきた日記は末っ子のキャシーに渡され、想像力豊かなキャシーは自分の空想を日記に綴る毎日。そんなある日のこと、サラに赤ちゃんができたことを知ったキャシーは、これから生まれてくる赤ちゃんのために今の幸せな生活が壊されてしまうことを心配し、赤ちゃんのことは絶対に好きにならないと決心する。

 "Sarah, Plain and Tall" シリーズの第4作。前作は長男ケイレブの視点で物語が展開されたが、今回は末っ子キャシーの視点で展開される。相変わらずほのぼのとしていいお話だが、この作品に限ってはあまり面白くなかった。普通の子供というのは、赤ちゃんが生まれることを喜ばないのだろうか。自分の場合、妹が生まれたときには普通に嬉しかった覚えがある。このあたりのキャシーの気持ちが理解できないため、読んでいても面白くなかった。シリーズの中では第3作の "Caleb's Strory" が一番のお勧めだ。



CALEB'S STORY  07/09/15 更新

 読み易さ 
 面白さ   

末っ子のキャシーが生まれた一家は、幸せな日々を送っていた。そんなある冬の日、長男のケイレブは、納屋にうずくまる老人に出会う。寒さに震える老人を家の中に招き入れて話を聞くと、その老人はジェイコブの父親ジョンであることがわかる。新しい家族との出会いに子供たちは喜ぶが、幼い頃に一通の手紙も残さず家を出て行ったジョンを、ジェイコブは決して許そうとしない。そんな二人に心を痛めるケイレブは、ジョンが手紙を書くことができなかった本当の理由をふとしたことから知り、二人を仲直りさせようと心を砕く。凍てついた親子の間に、暖かい春は訪れるのか。

 "Sarah, Plain and Tall" シリーズの第3作。前作は長女アンの視点で物語が展開されたが、今回は弟ケイレブの視点で展開される。ありがちだけれど、いいお話だ。3作の中ではこの作品が一番よかった。父親と祖父の葛藤を見つめる息子ということで、今回は男子が物語の中心になっているところがいい。男同士の家族愛というのは、読むほうとしてもなんだか照れてしまうが、子供の視点から読ませることで素直に感動できるところがうまいと思う。



SKYLARK  07/08/25 更新

 読み易さ 
 面白さ   

サラを新しい家族として迎えた一家は、幸せな日々を送っていた。しかし、その年の夏は雨がまったく降らず、土地はどんどんと干上がっていく。干ばつに耐えかねた村の人たちが次々と村を離れていく中、一家はなんとか村に踏みとどまろうとする、しかし最後の水がなくなったとき、父親のジェイコブは、子供たちを連れてメイン州に帰るようにとサラに告げる。離れ離れに暮らす一家に、恵みの雨はいつ降るのか。

 この作品は、"Sarah, Plain and Tall" の続編らしい。長女アンの視点で語られるこの物語は、家族がお互いを思いやる愛に満ちていて美しい。ありがちではあるけれど、心暖まるお話だと思う。しかし、この父親もここまで過酷な条件の土地にしがみつくこともないだろう。家族を思う気持ちがあるなら、思い切って別の土地に移り住むという選択肢も考えないといけない。水すら飲めないのでは、家族愛もへったくれもない。愛を考える前に、まずは水を確保してください。



SARAH, PLAIN AND TALL  03/12/19 更新

 読み易さ 
 面白さ   

若い頃に妻を亡くし、娘のアンナと息子のケイレブと暮らすジェイコブが、新聞に「妻求む」という広告を載せるところから物語は始まる。メイン州からやってきたのはサラという背の高い女性。サラは、1ヶ月間一緒に家族と暮らして、それから結婚するかどうかを決めたいと言う。アンナとケイレブはすぐにサラと仲良くなるが、1ヶ月経ったら、故郷の海をしきりに懐かしがるサラが帰ってしまうのではないかと気が気ではない。はたしてサラはどちらの生活を選ぶのか。

 子供向けに思い切りやさしい文章で書かれているので、1時間もあれば楽に読める。しかし、ストーリーの組み立てはよくできていると思う。サラはアンナたちと一緒に暮らすのか、それとも故郷に帰ってしまうのか、ラストまで明らかにされない展開は読み手を引き込むものがある。すべての小説はミステリーの要素を持っている、ということだろう。



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