JOHN GRISHAM 




 言わずと知れた、法律ミステリーの第一人者であるアメリカの作家。
 1955年にアーカンソー州で生まれた作者は、ミシシッピーのロースクールを卒業後、個人事務所を設立し、民事・刑事事件の弁護士として活動を始める。その後、弁護士としての経験を基に小説を書き始める。デビュー作の "A Time to Kill" はまったく売れなかったものの、第二作目の "The Firm" がベストセラーとなり、その後もヒット作を連発し、法律ミステリーの第一人者としての地位を不動のものにする。
 特別にアメリカの法律に関する知識がなくても、作者の作品を読むのに支障はないが、最低限の用語は押さえておくとなにかと便利。deposition, affidavit, bailiff, plaintiff, defendant 等の単語さえ押さえておけば、ペーパーバック初心者でも楽しく読むことができるはず。




THE KING OF TORTS   13/02/16更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のクレイ・カーターは、ワシントンで国選弁護士として仕事をする31歳の青年。黒人同士の殺人事件の弁護を担当することになったクレイは、犯人に接見するが、なぜ事件を起こしたのかわからないと話す犯人の言葉に当惑する。そんなとき、マックス・ペイスと名乗る男が現れ、クレイと接触する。マックスは、今回の事件は巨大製薬会社の薬が原因で起こったということを話し、この事件が明るみに出ないように、被害者遺族との示談をまとめてほしいとクレイに依頼する。巨額の報酬を約束されたクレイは、国選弁護士を辞めて自分の事務所を立ち上げ、無事に示談を成功させる。次に、莫大な賠償金を伴う集団訴訟をマックスから依頼されたクレイは、この仕事にも成功し、一躍「The King of Torts」として有名になる。

 久しぶりに面白いと思えるグリシャム作品に出会えた。ストーリーの展開としては、彼女に逃げられた貧乏な若い弁護士が、思いがけないチャンスをつかんで一気にのし上がり、そのまま調子に乗っていたら最後には痛い目に遭うという、なんとも陳腐なものだが、陳腐な展開だからこそ、安心して読むことができた。
 集団訴訟を起こして巨額の報酬を手にする弁護士たちを痛烈に批判する内容で、たしかにこれはひどいなあと感じるようなやり方が詳細に描かれているのも面白い。しかし、自分がクレイの立場でも、やっぱり金に目がくらんで同じように痛い目に遭うだろうと思う。何十億という報酬が目の前にぶら下がっていたら、道徳心やモラルだけでその報酬を拒否できる人なんていないような気がする。



BLEACHERS   08/02/23更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の舞台は、アメフト熱の高いアメリカの小さな街。この街の高校で長年にわたってアメフト部のコーチを務めてきたレイクが危篤になり、かつての教え子たちが故郷に戻ってくる。その中の一人が、15年前に天才クオーターバックとして地元のスターになったニーリー・クレンショウだった。オール・アメリカンにも選出されたニーリーは大学に進学してアメフトを続けるが、試合中の事故により膝を傷めてしまい、選手生命を絶たれてしまう。苦い思いを抱えながら故郷に帰ったニーリーをチームメイトたちが出迎え、スタジアムの観客席で旧交を温める。彼らの間には、コーチのレイクとの間に起きたある事件に関する秘密があった。

 かつてのヒーローが落ちぶれて故郷に戻り、大した盛り上がりもなく静かにストーリーが流れていくだけの作品で、さっぱり面白くない。読んでいる途中で何度も眠くなった。きっとグリシャム氏も適当に力を抜いて書いたのだろう。唯一面白かったのは、鬼コーチであるレイクのキャラクターのみ。あとは特に書くこともない。
 途中でアメフトの実況中継の描写が入るが、このあたりはアメフトのルールを知らないと理解できないかもしれない。眠れないときに読む場合に限りお勧め。



THE BROKER   07/10/13更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の主人公は、アメリカの政界に大きな影響力を持つ辣腕弁護士のジョエル・バックマン。パキスタンの学生が開発した衛星システムのハッキング・ソフトウェアを入手したバックマンは、これを莫大な金額で売ろうと画策するが、パートナーが何者かに殺害されたことに恐怖し、自ら刑務所に入る。6年後、CIAの圧力により恩赦が出され、バックマンは出獄する。CIAの手配により、イタリアでマルコという名前で暮らすことになったバックマンに課せられたのは、一日も早いイタリア語の習得だった。自分の身が決して安全ではないことを知るバックマンは、イタリアからの脱出方法を模索する。はたしてバックマンは無事に脱出することができるのか、そしてバックマンを出獄させたCIAの本当の意図とは?

 途中の展開が退屈だ。ストーリーが動き出すのはラスト100ページからで、それまではイタリア語のお勉強とイタリアの観光案内ばかり。衛星システムのハッキングに絡めて、CIAやらイスラエルのスパイやら中国の殺し屋やらが登場するあたりは、グリシャム氏の初期の作品に見られたような美味しいエッセンスが散りばめられているが、それがほとんどストーリーに活かされていない。
 最初の部分を読んだときには、ついに初期の作風が復活したかと期待したが、読み終わってみれば見事に期待外れだった。しかし、過剰に期待せずに読めば、それなりに楽しめるレベルではあると思う。イタリア好きのあなたにお勧め。



SKIPPING CHRISTMAS   07/03/10更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の舞台は、クリスマスを間近に控えたマイアミ。主人公のルーサーと妻のノラが、ボランティアとしてペルーへ旅立つ一人娘のブレアを見送るところからストーリーが始まる。日頃からクリスマスのバカ騒ぎに辟易していたルーサーは、今年のクリスマスは夫婦水入らずでカリブ海のクルーズへ出かけることに決める。クリスマスを祝おうとしないルーサーとノラは近所の人たちから白い目で見られるが、なんとかそれに耐えてクルーズ出発の前日であるクリスマス・イブを迎える。しかし、その日の朝にブレアからかかってきた電話によって、それまでの計画と努力がすべて水の泡になってしまうことに。リーガル・サスペンスの巨匠が新境地に挑んだ、ドタバタ・ハートフル・コメディ。

 コメディ作品ということで多少の誇張はあるのだろうが、それにしてもアメリカ人はクリスマスにお金をかけすぎだろう。クリスマスごときに何千ドルも使うなんて、アメリカ人自身はおかしいとは思わないのだろうか。もし盆と正月が一緒に来ても、普通の日本人は何十万円も使うことはないと思う。
 ストーリーに関しては、まずまず面白かった。ラストの50ページくらいは、きっとこうなるんだろうな、という予想通りの展開で、わかりやすくていい。思い切りベタなオチだが、こういうハートウォーミングなお話はこれくらいわかりやすいほうがいい。グリシャム氏も、この作品はかなり力を抜いて楽に書いたのだと思う。グリシャム氏のようなビッグネームだからこそできる余技、といったところか。



THE SUMMONS   05/01/20更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公は名門ロースクールで教鞭を執るレイ・アトリー。ある日、元判事で厳格な父親から呼び出しを受けたレイは、自宅のソファで冷たくなっている父親を発見する。しかも、家の中に隠されていた300万ドルを超える現金と一緒に。その大金の出所を突き止めようとするレイに、何者かが脅迫をかけてきた。アルコールとドラッグ依存症の弟フォレストに手を焼きながら、大金を抱えたレイは不安な日々を過ごすことに。

 これまでに読んだグリシャム氏の作品では一番つまらなかった。思わぬ大金を抱えて右往左往する男の様子をダラダラと書かれたところで、一体どこに面白さを見つければいいのか、さっぱりわからない。そもそも、登場するキャラクターが誰一人として好きになれない。魅力的なキャラクターが登場してこそ小説は面白くなると思うのだが、こうも感情移入できないキャラクターばかりが出てくるのでは、面白くなくて当然だろう。
 それにしても、こんな駄作でもそこそこ売れてしまうグリシャム氏は、過去の栄光だけで食べている大物演歌歌手の域にまで達した感がある。



A PAINTED HOUSE   04/05/19更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の舞台は1952年のアメリカ南部。主人公は7歳の少年ルーク。家族で経営する綿花農場は秋の収穫時期を迎えると、"hill people" と呼ばれる出稼ぎの人々や、メキシコからの季節労働者を雇い入れ、一気に忙しくなる。貧しさに負けず、逞しく生きていくアメリカ南部の農民たちの日常が、ルーク少年の視点から生き生きと描かれていく作品。

 デビュー以来12作目にして、著者にとっては初めてとなるリーガルサスペンス以外の作品ということで、かなり話題になった作品らしい。
 賛否両論、真っ二つに分かれる本作だが、自分としてはかなり楽しめた。主人公であるルーク少年の大人びた語り口には、「お前、本当に7歳なのか?」と突っ込みを入れたくなったが、「いつまで続くんだろう、この作業は。早く雨が降らないかなあ」という気持ちは痛いほどよくわかる。自分も農家の息子として生まれたので、休みの日には農作業の手伝いによくかり出されたものだ。休日なのに、農作業の手伝いで友達と遊べないっていうのは、子供心にも本当に悲しかった。ということで、辛い農作業を経験したことがある人ならば、この作品をさらに楽しむことができると思う。



THE RAINMAKER   02/02/17更新

 読み易さ 
 面白さ    お勧め

法律学校の卒業を間近に控えた主人公のルディ・ベイラー。地元の中堅法律事務所への就職が内定していたルディだが、大手法律事務所との合併を理由に内定を取り消されてしまう。それと前後して彼女に振られ、アパートからの立ち退きを強制され、破産に追い込まれと、次々にルディを不幸が襲う。悪名高い弁護士の経営する事務所に何とか就職したのもつかの間、その雇い主も当局に追われて姿をくらまし、結局は自力で事務所を起こすことになってしまう。そんなルディの弁護士としての初仕事は、大手保険会社を相手取った巨額の賠償金を争う訴訟だった。莫大な資金力にものを言わせて一流弁護団を擁する相手に対して、丸腰のルディはどう立ち向かうのか?

 文句なく面白い! こういう法廷での原告と被告のやり取りを綿密に描写した作品は、まさに自分のツボ。主人公が貧しいルーキー弁護士なのに対し、相手が大企業と一流弁護士団という構図も、主人公に思いきり肩入れしながら読むことができていい。ルーキー弁護士の主人公が、百戦錬磨のベテラン弁護士を相手に、法廷でその高慢な鼻をへし折る場面などは、読んでいて本当に胸がすく思いがする。自分としては、文句なしに作者のベスト作品として推したい。
 ただ、ラストのエピソードに関しては、ちょっとだけ後味が悪い。このラストは必要なかったと思う。



THE BRETHEREN   01/09/27更新

 読み易さ 
 面白さ   

連邦刑務所で服役する"Brethren"と呼ばれる3人の元判事。有り余る時間と頭脳を武器に、刑務所内からゲイを相手に詐欺を働き大金を脅し取る Brethren。そんな Brethren の罠にひょんなことから陥ってしまったのは、予備選挙を圧倒的な資金力で勝ち続ける大統領候補のレイク。レイクを陰で操る CIA の大物テディがこの事実に気付き、スキャンダルを未然に防ぐべく調査を開始し、Brethren の存在に気づく。国家権力対 Brethren の勝負の行方は?

 本作の主人公は Brethren こと3人の元判事だが、悪知恵の働く小悪党という感じのキャラクターで、どうも好きになれない。作中のキャラクターに感情移入しながら読むことが多い自分としては、小悪党の Brethren はもちろん、金に物を言わせるフィクサーのテディにも感情移入できないため、読んでいて楽しくなかった。



THE STREET LAWYER   01/09/18更新

 読み易さ 
 面白さ   

大手法律事務所に勤務する主人公のマイケル。ある日銃を持ったホームレスの黒人男性が、マイケルと同僚の弁護士8人を人質に法律事務所の一室に立て篭もるという事件が起きる。犯人は射殺され、無事に救出されたマイケルは、その日を境にホームレスの世界に興味を持ち始める。自身の勤める法律事務所がホームレスの立ち退きを違法に執行したことを知ったマイケルは、それまでの華麗な経歴を捨て、ホームレスのために働く "Street Lawyer" になる決意をする。先輩の黒人弁護士とコンビを組み、自身が勤めていた巨大法律事務所に闘いを挑むマイケルの運命は?

 自分はホームレス問題に関しては少なからず興味を持っているため、この作品はなかなか面白かった。
 ホームレスに対する世間の評価でよく耳にするのが、「労働の義務も果たしていないくせに自分の権利ばかり主張するんじゃない」という意見だ。たしかに、根っからの怠け者というホームレスも少なからずいるだろうが、さまざまな事情により、仕事をしたくてもできないホームレスだって大勢いるだろう。底なしの不景気の現在ではホワイトカラーのホームレスも増えているらしいし、明日は我が身、決して他人事じゃない。



THE TESTAMENT   01/08/15更新

 読み易さ 
 面白さ   

アメリカ屈指の大富豪トロイ・フェラン。110億ドルという莫大な遺産の行方を記した遺書にサインをしたトロイは、その直後に顧問弁護士達の目前で飛び降り自殺をする。遺書の内容は、人格破綻とも言える6人の子供たちには必要最低限の保障しかせず、その遺産のほとんどすべてを、それまでまったく存在を知られていなかった隠し子に与える、という驚くべきものだった。ブラジルの奥地で宣教師として活動しているその女性を探し出すべく命を受けたのは、アルコール依存症で矯正施設に入退院を繰り返す弁護士ネイト・オライリー。さまざまな危機に遭遇しながらも、女性宣教師のレイチェルを探し出したネイトだったが、彼女はその莫大な財産にはまったく興味を示さなかった。

 この作品は、これまでに読んだ作者の他の作品とはかなり違った雰囲気がある。一言で言うならば、「読みやすいが、その分軽い」ということだろう。アルコール依存症である主人公が、レイチェルとの出会いをきっかけに立ち直って行くというのがこの作品のテーマらしいが、これも「キリスト教万歳!」みたいな感じでかなり安直だ。
 ただ、グリシャムということを意識せずに読めば、それなりに楽しめる作品ではあると思う。



A TIME TO KILL

 読み易さ 
 面白さ    そこそこお勧め

いまだに人種差別が色濃く残るアメリカ南部の小さな街で、2人の白人男性が10才の黒人の少女をレイプするという事件が起こる。逆上した少女の父親は裁判所内で犯人の2人を銃殺してしまう。この父親から弁護を依頼されたのは白人弁護士のジェイク。黒人教会とKKKをも巻きこみ、裁判はどんどんと人々の関心を集め、やがて全米中の注目の的に。KKK はジェイク本人や周囲の人間にさまざまな脅迫行為を行い、やがてジェイク本人の命も狙われる。この異常とも言える裁判で、はたしてジェイクは無罪を勝ち取ることが出来るのか?

 著者の記念すべきデビュー作。主人公のジェイクは著者本人がモデルとなっているらしい。
 これまでに読んだ著者の作品の中では文句なしに一番面白い。まず冒頭のレイプシーンが強烈で一気に引きこまれる。対立軸が明確なため感情移入がしやすいところもいい。他の作品のようなハラハラドキドキのストーリー展開は若干影を潜めてるが、その分各キャラクターが丹念に描かれている。本作ではアメリカの裁判の流れが一通り書かれているため、これからグリシャム氏の作品を読むという場合は、まずこの作品から読むのがいいと思う。



THE RUNAWAY JURY

 読み易さ 
 面白さ   

喫煙による肺ガンで夫を亡くした女性が大手タバコ会社を相手取った裁判が始まった。どうしても負けられない被告側はその莫大な資金に物を言わせて、様々な裏工作を仕掛ける。一方裁判所内では、陪審員たちがストライキを起こしたり、様々な待遇改善を要求したりと、次々と意外な行動に出るが、それを扇動するのは元法律学校の学生という青年。そして外部から被告側に接触を図る若い女性も加わり、裁判は予測出来ない方向へと展開して行く。

 アメリカ国内で次々に大きなタバコ訴訟が争われてきた頃に発表されたもので、被告側が仕掛けるさまざまな裏工作がかなりあからさまに描かれている。実際のタバコ会社からクレームが来なかったのかと余計な心配をしてしまうくらいにリアルな描写だ。



THE PARTNER

 読み易さ 
 面白さ   

ある法律事務所に勤務する主人公パトリック。事務所内で極秘裏に進行する不正取引に気づいたパトリックは、その莫大な報酬を奇想天外な手段で自分のものとし、ブラジルへ逃亡する。一時も気の休まることない4年間の逃亡生活の末、主人公は追っ手によって捕らえられる。しかし、最悪の事態を予測して様々な手段を準備していたパトリックは、友人の弁護士と恋人の女性を使って無実を勝ち取るべく、反撃を開始する。

 著者一流のストーリー展開で一気に読ませる。ただ、都合がよすぎると思えるような設定もいくつかあった。特に、自分の身代わりとなる死体を調達する部分については、どうにも納得できない。ラストのオチについては、主人公が少しかわいそうな気がしないでもないが、悪銭身につかずということだろう。



THE CHAMBER

 読み易さ 
 面白さ   

KKKの活動家としてテロ行為を繰り返していたサム。その内の1件の爆破事件の実行犯として起訴され死刑判決を受けてしまいますが、実は本当の実行犯はサムではありません。その秘密を知って弁護を引き受けたのは、実の孫であるアダムでした。処刑までに残された時間は4週間。はたしてアダムはサムを救うことが出来るのか?

 この作品は他の作品に比べると、多少異質な感じがする。スピード感溢れる展開を得意とする作者らしからぬ重い展開で、少しだけ違和感を覚える。主人公の内面に深く迫る描写で、よく言えば重厚、悪く言えば退屈といった読後感だった。



THE PELICAN BRIEF

 読み易さ 
 面白さ   

最高裁判所の裁判官2人が相次いで殺害されるという事件が起きる。この事件に興味を持った法律学校の女子学生が、独自の推理で犯人を特定して文書にまとめるが、その文書がひょんなことからアメリカ大統領、FBI、CIA の手に渡り、犯罪組織もその事実に気づく。その文書の存在を知る周りの人間が次々に殺害され、逃亡生活を余儀なくされた主人公が頼ったのは FBI でも CIA でもなく、一人の敏腕新聞記者だった。

 スピード感あふれる展開で退屈はしなかったが、ストーリーの設定が "THE FIRM" とよく似ている。FBI を信用しないところや、一般人が尾行を巻くのにそこまで気が回るだろうか? といったところがそっくりそのまま同じように感じた。



THE FIRM

 読み易さ 
 面白さ   

名門法律学校を優秀な成績で卒業し、野心に燃える主人公ミッチ。いくつかの大手の法律事務所に就職活動中のミッチに、破格の条件を提示して来たある法律事務所。その法律事務所に就職したミッチは、やがて自分の勤める法律事務所が巨大な犯罪組織と深い関わりがあることに気づく。法律事務所から盗聴・監視されるミッチは、FBI には頼らず、巨大な犯罪組織に孤独な闘いを挑む。はたしてミッチの運命は?

 スピード感あふれる展開でまったく退屈することがなかった。ただ、主人公が尾行を巻くために様々な手段を企てる場面については、一般の人間がそこまで気が回るものだろうかと、少しだけ疑問に感じた。



THE CLIENT

 読み易さ 
 面白さ   

森の中で弟とタバコを吸っていた11才の少年が、車に排気ガスを引き込んで自殺を計ろうとする男をたまたま目撃する。この男に見つかってしまった少年は車の中に連れ込まれ、ある犯罪に関する聞いてはいけない恐ろしい秘密を聞かされてしまう。FBI はなんとかこの秘密を少年から聞き出そうとし、犯人グループは少年の口を割らせないように様々な脅しをかけてくる。そんな少年が頼ったのは、ひょんなことから知り合った一人の女性弁護士だった。

 初めて読んだ著者の作品だが、さすがに緻密な構成だと感じた。しかし、やたらと登場人物が多いのには閉口した。漢字と違い、アルファベットの人名は2〜3回目にしただけではなかなか頭には残らないし、ファーストネーム、ラストネーム、ニックネームと書き分けられると、まるで盆と正月が一緒に来たような忙しさになる。



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