CHRISTINE FEEHAN 




 オカルトの要素を盛り込んだロマンス小説を得意とするアメリカの女性作家。
 作者の経歴をネットで調べたところ、あまり詳しい経歴は公開されておらず、カリフォルニア州で生まれて11人もの子供がいるというくらいしかわからなかった。どうやら、生年月日も非公開にしているらしい。創作活動に関しては、1999年に出版した「Dark Prince」で作家デビューして以来、数多くのベストセラー作品を発表し、現在は4つのシリーズ作品を中心に精力的な創作活動を行っているようだ。
 ロマンス小説ということで、文章は比較的易しい。出版されている作品のほとんどがシリーズ作品なので、まずは興味のあるシリーズの1作目から読んでみたい。




TURBULENT SEA  09/03/07更新

 読み易さ 
 面白さ   

歌手として絶大な人気を誇るドレイク姉妹の六女ジョリーは、バンドメンバーとともにコンサートツアーで全米を巡っていた。そんなある日のこと、コンサートに出かけた娘が帰ってこないと訴える母親がジョリーのもとを訪ねる。コンサート後のパーティーでその少女がバンドのメンバーと一緒にいたところを見かけたジョリーは、マネージャーに調査を指示する。その直後、バンドメンバーの一人が何者かに殺害される事件が発生し、ロシア人のイリヤ・プラケンスキーがジョリーのボディーガードとして雇われる。以前からお互いを意識しあっていた二人は、複雑な思いを抱えながらも激しく惹かれあっていく。しかし、ジョリーの周辺で不穏な事件が次々に発生し、正体不明の敵から命を狙われてしまう。一流のスナイパーであり、ドレイク姉妹と同じ超能力を持つイリヤは、愛するジョリーのために命を賭けて敵に立ち向かっていく。

 ドレイク姉妹シリーズの第6作目となるこの作品では、スーパースターである六女のジョリーが主人公として活躍し、第3作目で登場したロシア人スナイパーのイリヤがジョリーの恋人役として描かれている。
 さすがに、シリーズ6作目となると飽きてくる。美男美女の二人がなんだかんだ言いながらエッチして、その合間にちょっとしたアクションやミステリーが展開されるといった内容で、そろそろお腹いっぱいだ。見つめられたり、ちょっと触られたりしただけで、乳首が立ったり、股間が濡れたり、子宮が疼いたりとか、そんなのばっかり。男のほうも、なにかあるとすぐに痛いくらいに勃起したり、何回も続けてエッチしたりと、とにかくものすごいアニマルぶりだ。
 次の作品では、末っ子のエルがジョナスの相棒のジャクソンと結ばれてシリーズ完結ということになるのだろうが、とりあえずいまはお腹いっぱいで、これ以上読みたいとは思わない。もう少し間を空けてお腹が空いてから読むことにしよう。



SAFE HARBOR  09/02/21更新

 読み易さ 
 面白さ   

ドレイク姉妹と家族同然の付き合いをしている保安官のジョナスが、ロシアンマフィアに銃撃を受けて重傷を負ってしまう。ドレイク姉妹の五女ハンナの助けによって危うく現場を脱出したジョナスは、傷の快復を待ってハンナに会いに行く。それまで長年にわたっていがみあってきた二人だったが、心の底ではお互いのことを深く愛していた。お互いの気持ちを確認した二人はついに結ばれるが、スパーモデルとして活躍するハンナは、ニューヨークで開催されたファンションショーで暴漢に突然ナイフで切りつけられてしまう。生死の境をさまようハンナだったが、ドレイク姉妹が必死に力を合わせ、かろうじてハンナの一命をとりとめる。しかし、顔にまで深い傷を負ったハンナは、ジョナスに対して一度開いた心をまた閉ざしてしまう。ジョナスは身体だけでなく心までも傷ついたハンナを懸命に守ろうとするが、そんな二人をあざ笑うかのように正体不明の敵が襲いかかる。

 ドレイク姉妹シリーズの第5作目となるこの作品では、抜群の容姿でスーパーモデルとして活躍しながら、実は対人恐怖症でパニック障害を持つ五女のハンナが主人公として活躍する。
 ハンナとジョナスがいがみあうシーンは、シリーズ1作目からたびたび描かれている。つまり、ハンナの恋人役はジョナスだということを最初から読者に対して予告していたわけで、このシリーズの中でも一つの核となる作品だと思う。物語の冒頭から、ジョナスが銃撃戦で重傷を負うシーやハンナがナイフでメッタ刺しにされるシーンが描かれていて、これまでの作品と比べてアクションがかなり派手な展開になっている。冒頭から散々盛り上げておきながら、ラストはいささかしょぼいような気がしないでもないが、これは純粋なミステリーではなく、思い切りスイートなロマンス小説なわけだから、これはこれでいいのだろう。肝心のロマンスはこれまで同様に激しく甘くて、なんだか胸焼けしそうな感じだ。



DANGEROUS TIDES  09/02/07更新

 読み易さ 
 面白さ   

ドレイク姉妹の四女リビーが医者として勤務する病院に、救助作業中の事故によって重体に陥ったレスキュー隊員が運び込まれる。このレスキュー隊員が、大学時代の友人であり密かに思いを寄せていたタイソン・デリックであることを知ったリビーは、自分の超能力を使ってタイソンの一命を取り留める。やがて快復して退院したタイソンは、自分も以前からリビーに思いを寄せていたことを告白し、二人は交際を始める。しかし、ノーベル賞を受賞するほどの天才科学者であるタイソンは、その優秀さゆえに周囲の人間とうまくいかずに孤立し、ドレイク姉妹に対しても超能力者ではなく単なる詐欺師だと非難する。そんなタイソンに優しく接するリビーだったが、ドレイク姉妹と家族同然の付き合いをしている警官のジョナスが何者かに拳銃で撃たれるという事件が発生し、リビーはほかの姉妹たちと力を合わせてジョナスを死の淵から呼び戻す。ジョナスを襲った犯人はやがてリビーとタイソンにも忍び寄り、二人の周囲で不穏な事件が連続して発生する。

 ドレイク姉妹シリーズの第4作目となるこの作品では、姉妹の中で一番の「良い子」である四女のアビゲイルが主人公として活躍する。
 この作品で一番注目すべき点は、リビーの彼氏役であるタイソンのキャラクター設定だろう。これまでの作品に登場したヒロインの相手役はみんなそれなりにナイスガイだったわけだが、今回のタイソンはかなりの変わり者といった設定で、なかなか面白かった。それにしても、天才科学者でありながら、休暇中にはレスキュー隊員としても活躍するというスーパーマンぶりは、こういったロマンス小説ならではのリアリティのなさで素敵だ。さらに、正確な年齢は書かれていないものの、おそらくは20代のときにノーベル賞を受賞したという設定だから、これもすごい。調べたところ、最年少のノーベル賞受賞者は25歳だからありえない話ではないが、いずれにしてもかなり素敵な設定であることには間違いない。いろんな意味で、ロマンス小説らしいロマンス小説だと思う。



OCEANS OF FIRE  09/01/17更新

 読み易さ 
 面白さ   

ドレイク姉妹の三女アビゲイルは、シー・ヘイブンの海でイルカたちとたわむれているときに、知人の男性が岸辺でロシアン・マフィアに襲われているところを目撃する。マフィアからの攻撃を受けてケガを負いながらも、なんとか男性を救出して陸に上がったアビゲイルは、偶然にも4年前に別れたインターポールのロシア人エージェントアレクサンドルと再会する。ロシアン・マフィアが美術品の密輸に関わっているという情報をつかんだアレクサンドルがシー・ヘイブンで調査を行っていることを知ったアビゲイルは、昔の恋人であるアレクサンドルに対して頑なに心を閉ざす。アビゲイルには、4年前にアレクサンドルに裏切られた辛い過去があった。そんな二人の周囲に、アレクサンドルのライバルであるプラケンスキーが出没する。超一流のスナイパーであるプラケンスキーには、ドレイク姉妹と同じ超能力が備わっていた。

  ドレイク姉妹シリーズの第3作目となるこの作品では、三女のアビゲイルが主人公として登場する。
これまでの2作では、ヒロインとその恋人がすぐにくっついてベッドでくんずほぐれつの痴態を展開するというお決まりのパターンだったが、今回はベッドにたどり着くまでの時間が若干長くなっているところが多少目新しい。それ以外は、なんだかんだ言っても結局最後はエッチするのね、という相変わらずの展開。
 こういうお決まりのパターンのシリーズ物を読む場合は、主人公のキャラクターが好きになれるかどうかで、読むときの楽しさが決まるといっても過言ではない。今回のヒロインのアビゲイルは、前作のケイトと同じようなおとなしめのキャラクターなので、ちょっとばかり物足りない。



THE TWILIGHT BEFORE CHRISTMAS  08/12/20更新

 読み易さ 
 面白さ   

ベストセラー作家として活躍するドレイク姉妹の次女ケイトが、クリスマスを前に華やぐシー・ヘイブンに戻ってくるところからストーリーが始まる。同じ頃、幼なじみのマシューも、レンジャー部隊を除隊して家業を継ぐためにシー・ヘイブンに戻ってくる。お互いに以前から思いを寄せていた二人は、再会を機に激しい恋に落ちる。しかし、濃い霧がシーヘイブンを覆い、その霧の中に邪悪な気配をケイトは感じ取る。やがてその霧がケイトたちに襲いかかり、さらにはシー・ヘイブンの住民にも被害が広がっていく。ケイトをはじめとするドレイク姉妹は、一丸となって邪悪な霧に立ち向かう。クリスマスを激しく憎む霧の正体とは?

 ドレイク姉妹のシリーズ2作目となるこの作品では、次女のケイトが主役として活躍する。
 ジャンルとしては、オカルトをテーマとしたロマンス小説ということらしいが、正直なところ、オカルトを言い訳にしたポルノ小説なんじゃないだろうかと思う。それほどセックスシーンの多い作品だ。1作目もかなり濃厚な描写があったが、この作品ではさらにその上をいく濃厚さだ。全体の3分の1くらいはセックスシーンの描写で占められているような気がする。
 肝心のストーリーはというと、なんだかしょぼい。謎の霧が出現するたびにドレイク姉妹がヘトヘトになりながら超能力で追い払うという繰り返しで、その間にケイトとマシューのベッドシーンが入るという感じだ。おそらくこの先のシリーズも、こういう構成で展開していくのだろう。なんだかなあという気もするが、とりあえず、もう少しだけ読んでみるか。



MAGIC IN THE WIND  08/12/13更新

 読み易さ 
 面白さ   

国家機密に関わるプロジェクトを担当したために命を狙われた科学者のデイモンは、遠く離れた海辺の街シー・ヘイブンに身を隠すが、そこでも追っ手の影が迫っていた。そんなデイモンを、サラという若くて美しい女性が警護することになる。お互いに強く惹かれあう二人はたちまちのうちに激しい恋に落ちるが、そんな二人を追っ手が執拗に付け狙う。7人姉妹の長女であるサラは他の姉妹たちと協力し、自分たちに備わっている不思議な能力を駆使してデイモンの命を守ろうとする。

 ドレイク姉妹の物語はシリーズになっていて、姉妹の長女サラが登場するこの作品は、どうやらシリーズ第1作となるらしい。ドレイク姉妹は全部で7人いるから、これ以降は7作目まで次女、三女、四女〜という順序で展開していくのだろう。
 オカルトをテーマとしたロマンス小説ということで、おそらく安直なお話なんだろうと予想して読んだところ、予想通りに安直な展開でなかなかよかった。こういう娯楽小説は、ある程度安直な展開でないとかえって面白くない。そういう意味では、主人公の二人が出会うとすぐに恋に落ちたり、敵に襲われそうになると超能力で撃退したりと、思い切り先が読めてしまう展開なので、安心してストーリーに入り込むことができる。とりあえず、この先のシリーズも読んでみようと思えるくらいには面白かった。




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