WILLIAM FAULKNER 




  説明不要のアメリカ文学の巨匠。
 1897年にミシシッピー州に生まれた作者は、幼い頃から詩や絵画での才能を発揮する。第一次世界大戦のときにアメリカ空軍への入隊を希望するが、身長の関係で入隊できず、イギリス空軍に入隊する。除隊後はミシシッピー大学に入学するが、1年で中退し、書店で働きながら創作活動を始める。1926年に初の長編小説である「Soldiers' Pay」を出版し、その後もいくつかの作品を発表するが、商業的には成功せず、ハリウッド映画のシナリオライターとして仕事をした時期もあった。しかし、1940年に出版された「The Portable Faulkner」が話題を集め、これがきっかけとなって過去の作品が再評価され、1949年のノーベル文学賞の受賞につながる。受賞後も創作活動を続け、1962年に心臓麻痺により亡くなる。享年64歳。
 作者の書く文章には難しい単語が多く出てきて、さらに文章自体も難解なため、難易度は非常に高い。フォークナーが大好きという人以外は、読まないほうがいいと思う。




ABSALOM, ABSALOM!   12/08/19 更新

 読み易さ 評価不能の難しさ
 面白さ   

物語の主人公は、貧しい農村に生まれたトマス・サトペン。若くして家を出て広大な土地を手に入れたサトペンは、黒人の奴隷を使って大邸宅を作り上げる。やがてエレンと結婚したサトペンは、娘のジュディスと息子のヘンリーに恵まれて平穏な生活を送る。しかし、ヘンリーが大学で知り合った友人のチャールズ・ボンを自宅に連れてきたときから、サトペン一族の悲劇が始まる。実は、チャールズはサトペンが若い頃にできた息子で、黒人の血が混じっていた。そうとは知らないジュディスはチャールズと婚約してしまう。サトペンから秘密を打ち明けられたヘンリーは、どうすべきか思い悩むが、ついにはチャールズを銃で殺してしまう。なんとかして自分の跡継ぎをほしいと願うサトペンは、自分の孫ほどにも年の離れた少女に子供を産ませるが、その結果として待っていたのは悲劇でしかなかった。

 文章が難しすぎて、さっぱり理解できなかった。これまでに読んだ中で一番難しかった。シェークスピアの作品も難解だったが、これはシェークスピアの作品が易しく思えるほどの難解さだ。読み始めて3ページくらいで、「これは自分には無理だ」と感じたのだが、たった3ページで挫折してしまうのも悔しいので、意地だけで最後まで読みきった。しかし、それで得たものといえば、何の役にも立たない中途半端な達成感と、無駄な時間を過ごしてしまったという後悔だけだ。
 それにしても、こんなに難解な小説を理解できる人なんて本当にいるんだろうか。教養のあるネイティブでも、この小説を楽しむのはかなり難しいだろうと思う。それだけに、この作品を翻訳した人はすごいと思う。きっと、拷問のような作業だったことだろう。心の底から尊敬する。



AS I LAY DYING   12/07/15 更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の舞台は、アメリカ南部の農村地帯。この村に住むバンドレン家の母親が亡くなり、父親と5人の子供は、母親の遺言に従って母親の遺体を生まれ故郷に埋葬するため、遺体の入った棺を馬車に載せて出発する。大雨で橋が流されてしまうが、強引に川を渡ったために、長男が脚を骨折してしまう。早く医者に診せたほうがいいという周囲の説得にも耳を貸さず、一家は腐臭の漂う棺を載せて、ただひたすらに母親の生まれ故郷を目指す。

 文章が難しすぎて、さっぱり理解できなかった。また、この作品では章ごとに語り手がコロコロと変わるため、話の流れをつかむまでに余計なエネルギーを使ってしまい、なかなかストーリーに入り込むことができなかった。
 それにしても、父親の無茶さ加減には驚く。長男が脚を骨折したのに、医者に診せようとしないばかりか、その脚をセメントで固めてしまうのだからすごい。どうしたらそんな発想になるのか、少しだけ笑った。こうした父親の暴走を子供たちのだれも止めようとしないのだから、素直というか純粋というか、なんとも素敵な一家だと思う。感じたのはそれくらいで、あとはよくわからなかった。


ペーパーバック一覧へ

TOP