CHARLES DICKENS 




 19世紀のイギリス文学を代表する文豪。
 1812年にイギリスのポーツマスに生まれた作者は、貧しい少年時代をすごし、12歳のときに工場で働き始める。このときの辛い経験が、その後の作品に影響を与えたと言われている。その後、法律事務所の事務員や新聞記者などの職を経て創作活動に入る。1836年に出版されたデビュー作が人気を博し、流行作家としての地位を築く。「クリスマス・キャロル」、「大いなる遺産」、「デビッド・コパフィールド」などの代表作を遺し、1870年に病死する。
 19世紀のイギリス文学ということで、当然ながら作者の書く文章は難解。ペーパーバック初心者はもちろんのこと、ベテランにとってもかなり厳しいはず。軽い気持ちで読んだら泣きを見ること必至。




GREAT EXPECTATIONS   10/10/23 更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のピップ少年は、幼い頃に両親を亡くし、年の離れた姉に育てられた。気性の荒い姉に叱られてばかりいるピップを優しくかばうのは、朴訥とした義兄のジョーだった。そんなある日のこと、近所に住む裕福なハビシャム婦人の邸に呼ばれ、婦人の相手をすることになる。その邸で婦人の養女である美少女のエステラに出会うが、冷たくあしらわれてしまう。その後、正体を明かさない人物から、ピップを上流階級の紳士として育てるために援助したいという申し出があり、ピップはロンドンに出て生活を始める。ハーバートという親友を得たピップは、ロンドンでの生活を楽しうちに、次第に故郷のことを忘れていく。自分を援助してくれている人物はハビシャム婦人だと信じるピップは、いつの日かエステラと結婚できることを夢見るが、そんなピップの前に現れた本当の援助者は驚くべき人物だった。

  あまりにも文章が難しくて、読んでいる途中で何度も嫌になった。なにしろ、ストーリーが動き出すのが最後の3分の1を過ぎてからで、それまでは長い長い前フリを読まされるのだから飽きる。肝心のラストにしても、ディケンズ氏が得意とするあまりにも強引な力技でまとめているため、さすがにそれはないだろうという気になる。
 しかし、紳士として生活してきたピップが、最後には人間の情というものの大切さを改めて認識するというラストは、思い切りありがちな展開だけれどやっぱりいい。こうした安心できるオチを持ってくるところが、ディケンズ氏の作品が長く読まれている理由の一つなんだろう。それにしても、そのオチまで異様に長いのが少しばかり困る。



OLIVER TWIST   07/02/24 更新

 読み易さ 
 面白さ   

誕生と同時に母親を失った主人公のオリバー少年は、幼少期を孤児として施設で過ごす。葬儀屋に見習いとして引き取られるが、オリバーは葬儀屋を飛び出してロンドンを目指す。その途中で知り合った少年のおかげでその日の宿を得るが、そこはユダヤ人のフェイギンが率いる窃盗団の隠れ家だった。何も知らないオリバーはスリの手先にさせられそうになるが、心優しい老紳士のブラウンロウに助けられ、つかの間の幸せな日々を送る。しかし、自分たちの身許がオリバーによって暴露されることを恐れたフェイギンはオリバーを連れ戻し、再び窃盗団の手先として使おうとする。窃盗に入った家で銃に撃たれたオリバーを救ったのは、その家の養女のローズだった。

 最初から最後までイベントが次々に発生する展開で、読んでいて飽きなかった。これくらい面白いストーリー展開ならば、文章の難しさもそれほど気にならない。最後には善人が幸せになり、悪人がきっちりと裁かれるというわかりやすいハッピーエンドもよかった。これくらいわかりやすければ、大人が読むよりも子供が読んだほうが楽しめるのではないかと思った。教育テレビのドラマ素材になりそうなわかりやすさだ。
 ただし、ラストのオチはかなり強引。ここまで都合のいいオチだと、フィクションの世界とわかっていながらもちょっとだけ興ざめ。このラストの力技とも言うべき強引さにさえ目をつぶれば、充分に楽しめる娯楽小説だと思う。



A TALE OF TWO CITIES   06/04/15 更新

 読み易さ 
 面白さ   

18世紀後半のイギリスとフランスを舞台に、物語は展開する。パリからロンドンに渡ってきたダーニー青年がスパイの容疑で裁判にかけられるが、弁護士のシドニーの機転で無罪になる。ダーニーとシドニーは、法廷に証人として立ったルーシーを愛するようになるが、彼女にふさわしくない人間だと悟るシドニーは自ら身を引く。結婚したダーニーとルーシーはロンドンで幸せな生活を送るが、ある日パリで革命が勃発する。元はフランス貴族であるダーニーは危険を顧みず故郷に帰るが、革命政府に逮捕され投獄される。ルーシーの父親であるアレクサンドル医師の働きかけで、一度は放免されたダーニーだったが、再び投獄され死刑判決を受けてしまう。ダーニーを救うべく革命の嵐が吹き荒れるパリに現れたのは、弁護士のシドニーだった。

 あまりにも難しくて、読んでいる途中で嫌になった。恥ずかしながらストーリーを追うのがやっとで、細かい部分はあまり理解できなかった。
 なので特に書くべきこともないが、このストーリー展開はいただけない。まず、前半部分の展開が遅すぎる。ストーリーがどこに向かっていくのかわからないままダラダラと引っ張りすぎだ。また、場面がコロコロと変わって、誰が主人公なのかよくわからないのも読んでいて落ち着かない。さらに、物語のラストでシドニーが取った行動にまったく説得力がないというのが一番いただけない。こういうドラマチックなラストにするのであれば、物語全体を通してもっと盛り上げていく必要があると思う。ということで、読書で思う存分苦痛を味わってみたいという奇特な人に限りお勧め。



A CHRISTMAS CAROL  03/11/21 更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のスクルージは、冷徹で強欲な老人。クリスマスイブの深夜に、7年前に亡くなった友人マーレーの亡霊がスクルージのもとを訪れる。いまだに成仏できないマーレーは、スクルージにこう告げる。「お前も死んだら私みたいになってしまうだろう。しかしそれを避ける方法がある。明日の晩から3日続けて精霊が訪ねてくる。そこでお前が何を感じてどうするかによって、運命が決まる」 マーレーの言葉通りに訪れた精霊たちに連れられて、過去・現在・未来のクリスマスの世界を覗き見るスクルージ。そこでスクルージの見たものとは?

 子供向けの作品だと思って油断して読んだら、いきなり難しい。情景描写の部分はほとんど理解できなかった。
 肝心のストーリーについても、あまり面白くない。ストーリーの最初の部分で、主人公をもっと嫌な人間として描いておけば、もう少しストーリーに入り込めたかもしれない。物語のラストで、改心したスクルージがはしゃぎまわる部分の描写があまりにもわざとらしくて、読んでいて恥ずかしかった。



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