BEVERLY CLEARY 




  児童文学で有名なアメリカの女性作家。
 1916年にオレゴン州で生まれた作者は幼い頃から書物に親しみ、大学卒業後は司書として図書館に勤務する。図書館で子供たちと接するうち、次第に子供向けの物語を書きたいと考えるようになった作者は、ヘンリーという少年を主人公にした「Henry Huggins」という作品を1950年に出版する。その後はヘンリー少年を中心として派生的にキャラクターを増やしていきながら、いくつかのシリーズ物として作品を出版する。
 すべてが子供向けに書かれた作品であるため、当然ながら文章は読みやすい。アトランダムに何冊か読んで自分のお気に入りのキャラクターを見つけたら、今度はそのキャラクターを中心に読んでいくという読み方も面白いかもしれない。




RALPH S. MOUSE  09/06/06 更新

 読み易さ 
 面白さ   

古いホテルに住むネズミのラルフは、キース少年からもらったバイクを今日も元気に乗り回す。しかし、そのせいでホテルのロビーを汚してしまい、使用人のマットがホテルの支配人から責められてしまう。いつも自分に優しくしてくれるマットのことを心配したラルフは、友達のライアン少年に頼んで小学校に引っ越すことに。授業中はライアンの胸ポケットに隠れておとなしくしていたラルフだったが、クラスの女の子に見つかってしまい、ひょんなことから皆の前で迷路に挑戦することになる。ラルフは無理矢理迷路を走らされることに抵抗するが、迷路抜けに成功したらバイクを返すというライアンの言葉を聞き、迷路への挑戦を決意する。

 ネズミのラルフを主人公にしたシリーズは全部で3作あって、この作品はシリーズ3作目にあたるらしい。
 シリーズ1作目は面白くもなんともなかったが、この作品はなかなか面白かった。主人公のラルフはネズミながらにプライドが高く、人間の子供に対しても嫌なことは嫌だとはっきり言える強さが素敵だ。人間とすれば優しくしているつもりでも、ネズミにとっては不快に感じるなど、お互いの立場が違えば感じ方も異なるという当たり前でありながら気付きにくい部分がうまく描かれていて、子供の教育上という観点からもナイスなお話になっている。すべてハッピーに収まるラストも読んでいて気持ちがいいし、全体的によくできていると思う。



THE MOUSE AND THE MOTORCYCLE  09/03/20 更新

 読み易さ 
 面白さ   

小学生のキース少年が、両親と一緒に古いホテルに泊まることろから物語は始まる。キースの泊まった部屋には、ネズミのラルフが住み着いていた。キースが持ってきたおもちゃのバイクに心を奪われたラルフは、キースから乗り方を教わり、宿泊客が寝静まった夜中にバイクを乗り回す。しかし、昼間は絶対に乗らないというキースとの約束を破ってしまったラルフは、思わぬことから大事なバイクをなくしてしまう。落胆するキースの姿に責任を感じるラルフだったが、バイクは戻ってこない。そんなとき、キースが夜中に熱を出して寝込んでしまうが、両親はちょうどアスピリンを切らしてしまい、どうすることもできない。熱にうなされるキースの姿を見たラルフは、決死の覚悟でアスピリン探しの冒険に出かける。

 少年とネズミの心暖まる友情の物語、といったところだろうか。特にどうということもないお話で、可もなく不可もなくといった感じ。物語が進むにつれてラルフが成長していく過程が、この作品のテーマになっているのだろう。しかし、いくら子供向けのお話だとしても、人間とネズミが会話できてしまうという設定はどうだろうか。とりあえず、この作品を読んで感じたことはそれくらいで、ほかには特に書くこともない。



RAMONA AND HER FATHER  09/03/14 更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のラモーナは、両親と姉の4人で元気に暮らす小学2年生の女の子。ある日のこと、お父さんの勤める会社が倒産してしまい、お母さんが働きに出ることになる。なかなか次の就職先が決まらず、不機嫌な顔で毎日を家で過ごすお父さんは、タバコの量も増えていく。そんなお父さんの身体を心配するラモーナと姉のビーザスは、なんとかタバコをやめさせようとあの手この手で作戦を実行するが、肝心のお父さんは知らん顔。いつもは優しいお母さんも、毎日遅くまで続く仕事のせいで疲れ気味。以前は明るかった家の雰囲気が次第に暗くなっていくことに、ラモーナは小さな心を痛める。

 この作品も、相変わらず大した事件が起こるわけでもなく、本当に何気ない日常を描いているだけだが、これはこれでなかなか面白いと思う。特にラモーナが可愛らしく描かれていて、読んでいてちょっとだけ心が暖まる愛すべきキャラクターだ。このラモーナのように、子供というのは周囲の雰囲気に対して非常に敏感で、大人が思っているよりもずっといろんなことを考えていたりするものだ。
 この作品ではお父さんの禁煙が大きな要素になっているが、やっぱり失業中なのに家の中でタバコをスパスパと吸っていたらイカンだろうと思う。ただでさえ煙くて迷惑なのに、それが仕事もしていないとなればなおさらだ。このお父さんには、禁煙外来で治療を受けることをお薦めしたい。



RAMONA FOREVER  08/10/15 更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の主人公は、小学生の女の子ラモーナ・クインビー。両親が共働きのラモーナは、放課後になると友達のハウイーの家に預けられていた。そんなある日のこと、ハウイーのおじさんであるホバートがサウジアラビアから帰って来た。自分のことをからかうホバートを好きになれないラモーナだが、大好きなベアトリスおばさんがホバートと婚約したことを知ったラモーナは驚く。さらに、クインビー家にもうすぐ新しい家族が誕生することを知ったラモーナは、複雑な気持ちになる。もうすぐ生まれてくる赤ちゃんと、ベアトリスおばさんの結婚式の準備で、クインビー家はたちまち大忙しに。

 なるほど、この作者の書く作品は、何気ない日常をごく普通に書くところに特長があるわけだ。前回「Ribsy」を読んだときには、なんて退屈でつまらない作品なんだろうと思ったが、そもそもそうした普通さや平凡さこそが、このシリーズの味なのだろう。
 この作品も、特に盛り上がる場面はないものの、ラモーナのちょっとした感情の起伏などがうまく描かれていると思う。主人公のラモーナも、ごく普通の女の子でありながら、それが逆に魅力になっているのだと思う。読んでいて感動したりハラハラしたりということは特にないが、読み終わった後はちょっとだけ心が暖まったような、そんな気がする作品だと思う。



RIBSY   08/09/27 更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の主人公は、ハギンス家の飼い犬であるリブシー。ある日のこと、車でショッピングセンターに出かけたヘンリー少年と両親は、リブシーを車内に残したまま買い物を楽しむが、車に戻ってみるとリブシーの姿が消えていた。どうやら、パワーウィンドウのボタンを偶然に押してしまい、開いた窓から車の外に出てしまったらしい。一家はショッピングセンターの駐車場をくまなく探すが、リブシーの姿は見つからない。リブシーを心配する一家は、新聞に迷い犬の告知を出すことに。はたして、リブシーは無事にヘンリー少年の元に帰りつくことができるのか。

  簡単にまとめると、迷子になった犬が飼い主の元に帰ろうとするお話だ。というか、複雑にまとめようとしても、結局は「迷子になった犬が飼い主の元に帰ろうとするお話」ということになってしまう。なんのヒネリもなく、大した盛り上がりもなく、迷子になった犬の道中を書いているだけのお話だ。
 ということで、このお話は面白いのだろうか。大人はともかく、子供が読んで面白いと感じるのだろうか。もし自分が子供だったらと考えてみたが、おそらくつまらないと感じただろう。ということで、特に書くこともない。


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