RAYMOND CHANDLER 




 ハードボイルド小説の草分け的存在の、アメリカの作家。
 1888年にシカゴに生まれた作者は、幼い頃に両親の離婚を経験し、イギリスに住む親戚のもとに引き取られる。社会に出てからは職を転々とし、第一次世界大戦が勃発すると、カナダ軍の兵士として出征。終戦後もいくつかの職を渡り歩くが、勤怠不良で解雇されたことをきっかけに小説を書き始め、1939年に出版された "The Big Sleep" で見事にハードボイルド作家としての地位を確立する。晩年は過度の飲酒のために体を壊し、1959年に70年の生涯を終える。
 チャンドラー氏の文章の特徴としては、おしゃれな会話と、人物の外見や部屋の内装などの細かい描写が挙げられる。読み手によっては、「おしゃれな会話」が、「わけのわからないスカした会話」に感じられ、「細かい描写」が、「ストーリーには何の関係もないうっとうしい描写」に感じられるかも。好きな人は大好き、嫌いな人は大嫌いと、はっきり好みが分かれる文体。



THE BIG SLEEP  05/05/24 更新

 読み易さ 
 面白さ   

娘が脅迫を受けているので調べてほしい、と老資産家のスターンウッドからマーロウが調査の依頼を受けるところからストーリーが始まる。調査を開始した矢先に殺人事件が発生し、思わぬ事件に巻き込まれていくマーロウ。何人もの悪党たちが複雑に絡み合う事件を、マーロウが冷静かつ大胆に解決へと導いていく。

 チャンドラー氏の記念すべきメジャーデビュー作。ということは、フィリップ・マーロウの初登場作でもあるわけだ。しかし、どうしてこうも状況説明が不親切なのか。この作品を読んですんなりとストーリーを理解できる人はどれくらいいるのか、かなり疑問だ。そのくせ、ストーリーと直接関係のない情景描写を延々と書いたりしているからタチが悪い。こういう詳細はストーリー展開には邪魔なだけだと思う。ということで、やっぱり自分にはハードボイルド小説は向かないらしい。



FAREWELL, MY LOVELY  04/12/28 更新

 読み易さ 
 面白さ   

失踪人の捜索依頼を受けた私立探偵のフィリップ・マーロウは、ひょんなことから賭博場での殺人事件に遭遇する。その後、強盗からネックレスを取り返したいという依頼を受けたマーロウは、またしても殺人事件の現場に立ち会うこととなる。調査を進めるうち、無関係に見えた二つの事件が実は繋がっていることを突き止めるマーロウ。二つの事件の鍵を握るのは、一人の美しい女性だった。

 ハードボイルド小説の名作ということでかなり期待して読んだのに、思い切りつまらなかった。
 まず、この作品の一番の売りだと思われる「おしゃれな」会話がなんとも難解で、まったくと言っていいほど理解できない。これは自分の読解力の弱さとしても、あまりにも状況説明が不足しているところがいただけない。ハードボイルドなのはわかるが、あまりにも不親切すぎる。そのくせ、ストーリーと直接関係のない情景描写を延々と書いたりしているからタチが悪い。こういう描写はストーリー展開がには邪魔なだけだと思う。どうやら自分にはハードボイルド小説は向かないらしい。それがわかっただけでもよしとしておこう。


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